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2019年 07月 07日
ミニチュア豹
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庭のいろんな木に絡みついて伸びてるブラックベリーやボイセンベリーがいい感じに色づいて来た。歩き回って茂った葉っぱの下を覗き込んでは、つまみ食いしたり冷凍したりしてる。

そうするとやたら出喰わす猫が一匹。ずっと雨続きだから、うちの軒下を自分の場所に決めたっぽい。

毎日何してんだろうと観察してると、庭を横切る小動物なんかを目で追ってるんで、ちょっとハラハラする。ある程度個体を識別してる(つもりの)庭の生物が狩られたらショックかもなあ。それに、たまに庭隅の土を掘って腰を落ち着けてんのは、それって、トイレしてんのか?うへー。でも猫ってやっぱり姿形が魅力的で、見かけると何かワクワクしたりもする。
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ぐるっと庭を回ってたら、裏庭への細い通路でピンクの百合ソルボンヌが咲き始めてた。黄色の百合イエローウィンは終わりかけだけど、また百合の香りが嗅げて嬉しい。

で、スマートフォン構えて近づいたら、背後に動く白い影。

猫も逆方向からの巡回中だったっぽい。警戒するように背中を丸めてジッと蹲り、こっちを凝視してる。別に猫にはなんかしようとしてない、花の写真撮ろうとしてるだけなんだけど。
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こっちから近づくと逃げるし、そばに来た時に面白がって手を伸ばすとシャッと怒って爪で襲いかかろうとしてくるのに、その割に庭仕事してるとこっちを睨みながら周りをうろつく変なヤツだ。「でもたぶん、猫の方からしたら、お母さんのことを自分のナワバリをうろつく変なヤツって思ってるんだよ」とは娘の弁。

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鬱蒼とした庭を我がもの顔でのし歩く姿は、ジャングルで狩の犠牲者を探す豹っぽくもある。ミニチュア・ジャングルの中のミニチュア豹。イカす。

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面白いので庭に居着かないかなあ、飼えないかなあとか思ったりもするけど、捕まえて避妊・去勢手術っていう愛猫モラルが、自分の感覚的にはよく腑に落ちてないので、たぶんやらない(それに既に飼い猫の可能性もあるしな。凶暴だけど)。

猫のための手術とか室内飼いとかの話を聞くと、なるほどなあ、都市部での共生ってそういうものなのかもなあとも思うんだけど。どうしても、自分だったら絶対に外はうろつきまくりたいし生殖もしたいかもって、反射的に思ってしまう。自分は愛猫家に比べて猫について真剣に考えたこともないし、猫は自分ではないし、動物の幸せを単純な擬人化では測れないんだろうとも思いつつ。

『俺、つしま』(おぷうのきょうだい)


こないだ読んで、猫飼ったら楽しそうと思ってしまった漫画。なんかを可愛がるって、快楽だなあ。

人間は猫にデレデレだけど猫には猫の世界があるって感じが面白かった。ルパンで言う、男には〜自分の世界が〜ある♪みたいな。

いつも知りたく思うのは、動物と人って(というか種の異なる者同士って)、どのくらい同じように世界を見てるんだろう。



by macchi73 | 2019-07-07 06:00 | 面白かった本など | Comments(11)
2019年 06月 23日
逃避
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最近珍しい人たちからのお誘いが続いていて、夜の飲み食いが多い。それぞれキャラが立っててほんのり好きな人たちなんだけど、仕事に不満は色々あるようで、なるほどなーと聞く。でも自分としては、不満を持たれてる側の人たちともよく一緒に仕事してて、何となく共感を持ってたりもするので、こりゃ自分も不満はいっぱい持たれてるんだろうなあと思う。まあ仕方ないか。皆がすべてに全力投球もできないし、それぞれ重点ポイントを選んで、それ以外の面では多少手抜きだったり粗があったりすることもあるだろう。で、もちろん、ちょうどその粗忽ポイントの方で一緒になってしまった人たちが不満を持つのも仕方ないことだ。誰も、誰かのことを丸ごと知ることってできない。本人しか、丸ごとトータルでの自分のバランスを取ることはできないんだから、そこは多少軋轢があっても自分を信じてマイペースで太く行くしかないかもな。

それで、バランス取りつつやっと辿り着いた土曜日、起きたら雨だった。週末に一人になったら終わらせてしまおうと思ってた仕事が5本くらいあるのに、気分が乗らない……体が動かない……なんか疲れた。どうすっかなー。

それで積ん読してた大型本を開いたら、子供向けだと思っていたのに予想外に面白くて読了してしまう。オールズバーグの絵、いままでそんなに好きってほどでもなかったけど、なぜか今日はとてもよく見える(大型本だから?)。


『ハリス・バーディック年代記:14のものすごいものがたり』(大型本)

「ハリス・バーディックという謎の作家がある日持ち込んだ14の挿絵とその挿絵がつけられるべき物語についての簡単な説明を見て、僕は非常に興味をそそられ、それぞれの物語もぜひ読ませてくれるよう約束をとりつけた。が、翌日に物語を持ってくるはずのバーディック氏はやって来ず……。14の不思議な挿絵の背後にある物語が気になって仕方がない僕が、バーディック氏を探す中で見つけた真相とは!?」

そんな架空の物語の立て付けで、クリス・ヴァン オールズバーグの14枚の絵に、いろんな作家がそれぞれインスパイアされた短編をつけた一冊。どれも面白かったが、グレゴリー・マグワイアの『ヴェニスに消えた』が、幻想的で特に好きだった。

どこかへの放逐、逃避または脱出(それらって同義語ではないかな?でもここからどこかへっていう動線は一緒だ)の物語が多かった印象。オールズバーグの絵の雰囲気がそんなだからかな?不思議で魅力的な挿絵を見ながら、あー、私もどっか行きたいかも、なんて空想が広がる。



窓の外の雨が激しくなってきた。乾いた軒下で雨を眺めながら、体を伸ばしてごろ寝している野良猫が羨ましい。その隣で楽しくお絵描きなんかしてる末っ子も羨ましい。自分たちの時間の中で、自由に好きなことしているように見える。

で、ついつい私もそこに仲間入りして、猫の絵を描いたりして一日過ごしてしまった……。ううう。現実逃避。それで後悔がやってきたのは、深夜もすぎてから。
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日曜日は朝から別の用事が入っているが、それが終わったら、絶対に絶対に仕事も終わらせよう。それが全部終わったら、来月は楽しいこと色々しよう。ピアノ弾いたりお絵描きの続きもしよう。今年の夏休みには大作を描いてみたいという末っ子のためにパステル100色くらいまで買い足した(by amazon) から、私も色々使ってみたいんだ。
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by macchi73 | 2019-06-23 06:00 | 【その他】日記 | Comments(2)
2019年 06月 13日
魔法使いたちの料理帳:魔女たちのスープ(魔女がいっぱい)
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またもや『魔法使いたちの料理帳』からの一品。ロアルド・ダールの『魔女がいっぱい』に出て来る、年に一度の魔女の集会で供されるスープ。

ズッキーニのポタージュの上に、トマトで煮たタピオカを散らすだけ。簡単。レシピもアッサリしてるので、細かいところは自分で適当にアレンジして、緑のポタージュは野菜だけのシンプルな優しい味にして、赤いタピオカはコンソメを少し効かせたら、末っ子から「これ何?タピオカ?美味しいね」の声。やった。

この色合いは、たぶんカエルのスープってことかな。魔女風に発音するなら「かえりゅのスープ」か……なんてことを考えてると、緑部分は蛙皮で赤は血に染まった内臓か卵ってことか!?と嫌な想像が広がって、良い感じにゾッとする。

タピオカは近所のスーパーだと小粒しか手に入らなかったんだけど、大粒を使う方が感じが出て良さそう。


『魔女がいっぱい』(ロアルド・ダール)


面白くてふざけた話だけど、幼児向けハードボイルドでもあると思う。

命あるものはみな死ぬ、お父さんもお母さんも死んだ、大好きなおばあさんも死ぬ、ねずみはすぐ死ぬ、僕ももう死ぬ、さよならだけが人生だ、でも愛する人と過ごすつかの間は素晴らしい、足取り軽く広い世界を一緒に見て回ろう、そんな話。



by macchi73 | 2019-06-13 06:00 | 面白かった本など | Comments(0)
2019年 06月 09日
魔法使いたちの料理帳:ドラゴンの卵(ダンジョンズ&ドラゴンズ)
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すっごい肌寒いなー。

薄暗い午前中、末っ子が二階でガタガタやってる。長女がいなくなって空いた部屋を自分の部屋に改造すべく、色々やっているようだ。リビングのiPadがピロピロ鳴るのを見ると、長女と末っ子のメッセージと写真のやりとりが飛び交っていて、要らないものがどんどん片付けられていく。離れていても繋がっている。風情はないが便利な世の中だ。

働き者の子どものために、ランチには庭からコリアンダーを摘んで来て、ドラゴンの卵を料理した。昨日に引き続き、『魔法使いたちの料理帳』からの一品だ。

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脈打つ卵の模様は、レシピでは何色かの食用色素で色付けするようになっていたが、うちには無いし今後も使わなさそうなので、飲みかけのワインで紫色に染めた。他にも、茄子の皮で染めれば青くなるし、醤油で味付けがてら染めても良いし、ビーツなら赤にと、工夫すれば食紅なしでも色々な表現はできそう。

巣はポテトと玉ねぎのタルトになってて、中にはターメリックのベシャメルソースが敷かれている。フォカッチャとカリカリベーコンを焼いて付け合わせた。

「見た目がすごいけど、味は普通に美味しいのが良いね!」というのが家族の感想。そう、味がとんでもなく普通なんだよな。ドラゴンの卵のくせに、味のオーソドックスさがすごい。美味しいからいいんだけど。ちょっと可笑しい。
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それで後片付けして、家事して、冷んやりシーンとした薄暗い部屋で時計を見れば、まだ13時台。

こっからもう1つ2つ何か片付けられるなあ、鬱蒼とした庭の草刈りでもするかなあ、でも明日も早いし疲れちゃうかなあ……と鬱々ぐだぐだしてしまう。薄暗いとなー、昼から夕方の気分になっちゃう。休日終わりの夕方の気分になるとなー、仕事の日の気分になっちゃう。仕事の気分になるとなー、来週やるべきアレやコレの段取りが気になっちゃう。お金と人を集めなきゃいけないし。分厚い文書は何度読んでも意味分からないし。クレームの内容はデタラメだし。何もかも突如発生して締め切りはすぐだし。ううう。イネプト&コワード、ザッツ・ミー。スピード社会、こわい。

ドラゴンの卵を狩る冒険者たちだったら、こんな肝の細いことでウダウダしないだろうに。私はすっごいタフガイになりたい。昔っからそう。でも人生後半に入っても未だ叶わず。




ダンジョンズ&ドラゴンズに代表される冒険ゲームブックのシリーズは幾つかあるが、子供の頃はスティーブ・ジャクソンのソーサリー派だった。

ゲームブックの場合、小説と違って主人公の内面描写は殆ど無い。読者が選択肢を選び、
選択肢ごとに指定されたパラグラフに飛んでストーリーを進める仕組み上、いつもニュートラルにしておかないと前後のつながりが難しくなるからだろう。

主人公は読者のアバターではあるものの、内面が全く出てこないために、「こんな時でも何も悩まず何も動じないとは……明鏡止水……お前はすごいタフガイだ……」と畏敬の念を抱いてしまう。

多分、子供や若者からみた大人ってのもそうなのかも。内心鬱々と心配事いっぱいでも、表に出さなければOK。



by macchi73 | 2019-06-09 13:40 | 【庭】収穫、料理 | Comments(4)
2019年 06月 09日
魔法使いたちの料理帳:狼男のサクサクスイーツ(グースバンプス)
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この本が面白そうだから休みの日に一緒に作らない?と、末っ子に誘われた。『魔法使いたちの料理帳』という本で、色んなファンタジー小説の中に登場する料理の作り方が載っているのだと言う。さっそく読んでみたら、料理自体は割と普通だが、レシピの文章がそれぞれの作風に合わせた感じになってたりする。

オズの魔法使いやグリム童話、ハリー・ポッターなどの大御所から始まって、我が子らも好きだった『ナルニア国』『バーティミアス』やゼルダの伝説、自分自身がむかし大好きだった『ウィロー』『指輪物語』魔術師マーリン、ダンジョンズ&ドラゴンズなどのご馳走も載ってて、あーそれっぽいシーンもあったっけなーとか、懐かしのファンタジー世界に思いを馳せながら読む感じ(ただ、感想としては、全体的に記述がアッサリしてたので、もっとどっぷり物語世界の感じを出してても良かったな)。



「あ、これ作ろっか、ほら、レシピが魔女の口調になってるよ」と上の子たちが好きだったロアルド・ダールの『魔女がいっぱい』のスープのページを見せたら、「魔女がいっぱい?その本は覚えてないなあ……」と末っ子。そっかー。君にも一応、読みはしたんだけどなあ。そう言や、末っ子と上の子たちの愛読書はかなりラインナップが違っているんだった。私が熱心に色んな本を読み聞かせしたのって上の子たちに向けてだけだったしな……末っ子って割と定番の伝統的な児童書は読んでないのだ。末っ子が生まれる前に夫が急に専業主夫になり、私は急激に長時間労働に突入して生活が物凄く変わったことを思い出して、一瞬、遠い目をしてしまう。

で、末っ子が「これが良いな」と選んだのは『グースバンプス』という本からのスイーツだった。グースバンプスとは鳥肌という意味で、アメリカで大人気の児童向けホラーシリーズらしい。図書室で読んだよ、あんまり怖くなかったけど、と娘。

スイーツの写真見てたら何だかバタークリームのケーキが食べたくなっちゃったというリエクストに応え、見た目は真似しつつレシピは変えて、生のダークチェリーにブラックチョコレートのバタークリームの組み合わせにした。ブラッディ・スイーツになるはずが、ブラック・スイーツになっちゃったけど、味は最高。満足。

明日からの朝ごはんはこの本を活用して、ちょくちょくファンタジー世界に遊ぼう。
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私はグースバンプスは読んだことなかったので、夜に映画を観てみた。

『グースバンプス モンスターと秘密の書』(DVD)

映画中、作者のR. L. スタインが、俺はS. キングより売れてるんだぞ!と鼻息荒く言ってたので、日本でいう怪傑ゾロリシリーズの原ゆたか的存在なのかもしれない。

ストーリー的にはまあ定番の話だが、若者たちが可愛くて良かった。ちょっと良い子ちゃん過ぎかもだけどな。

最近、ブスッとして毒を吐いたり黙り込んだり、かと思えばさっきごめんねって決まり悪そうに寄ってきたりする揺れる我が子の様子と少し重なって、心身の成長真っ只中のティーンズの世界の瑞々しさ、眩しさを思う。自分も世界もどんどん複雑化して、キッズ時代のシンプルさとは様相が変わって思うように行かないことも多いだろう。揺れる時期をうまく乗り切って経験積んで、良い青春時代になって欲しい。



by macchi73 | 2019-06-09 06:00 | 【庭】収穫、料理 | Comments(0)
2019年 05月 19日
薔薇の庭
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いま、庭中でいろんな薔薇が咲いてて、夜の空気がいい匂い。窓をあけておく。

うちの庭にある薔薇は(観賞用というより食用だから)ほとんどが芳香種。深紅のドクトール・ジャマンや、アプリコットのアンブリッジローズ、柔らかくて密な小花のローズドレッシュ、それからマダム・イザークなんかが、いい匂いを振りまいてる。

で、薔薇の香りを楽しんでいると、開けた窓から見える生垣が真っ白な薔薇に覆われて、夜でも物凄い感じに光ってみえる。ほほう。今年はモッコウバラが例年に増してたくさん花をつけて、しかもやたら長いこと咲き続けてるなあ……って、よく考えたらちょっと花期が長すぎないか?おかしくないか?じゃあ、庭の向こうに見える、あの星のように光るボリューミーな白い巨大な塊は何なんだ……?

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それで怪しい気分で朝になって確認したら、モッコウバラは既に花を終えていて、今咲いているのは何年か前にモッコウバラの隣に移植した白薔薇・群星だった。すっかり忘れてたけど、ずいぶん大きくなったなあ!

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それから、このあいだ漬け込んだゼフィリーヌ・ドルーアンの薔薇ジュースの花びらをコーヒーフィルターで濾して瓶詰めした。ヨーグルトなんかと混ぜても、薔薇の香りするほんのり甘い薄ピンクの飲み物になって美味しい。

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手入れされていない伸びきった草むらの中で、好き勝手に香りを放ってる自由な薔薇たち……と言えば、彼女の庭を思い出す。

『Pippi Longstocking』(Astrid Lindgren)

子ども向けの簡単な英語だけど面白い。それぞれの章がオチのある完結型のショートショートみたいになっているので、細切れでも飽きずに読めて、中高生の英語の多読練習にも使えると思う。


Pippi’s orchard was really delightful. It wasn’t well looked-after, to be sure, but there were lovely stretches of grass, which were never cut, and old rosebushes full of white and yellow and pink roses. They were not particularly fine roses, perhaps, but sweetly scented.





by macchi73 | 2019-05-19 23:55 | 【庭】収穫、料理 | Comments(0)
2019年 05月 10日
出勤前ジャスミン戦
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門を出ようとすると、羽衣ジャスミンの甘ったるい香りに引き止められる。くそう、毎日毎日、なかなか家を出られない。毎朝そう。

多少心も弱ってるのかもしれない。だけど直接的には、門にジャスミンの蔓が絡まっていることが原因だと思う。門の動きを阻害する。引きちぎりたくもあり、引きちぎりたくもなし。
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さらには門だけじゃなく、ポストの投入口にまで怪しい触手を伸ばすヤツ。
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ボサついて様子が乱れた、生命力過剰な庭。爽やかなジャスミンとは違う、羽衣ジャスミンの甘い甘い匂い。絡まり合った色んなつる草、藪草。何もかもがごちゃごちゃペンディングで、なんか気づけば、ううーん、どうすっかなーって独り言いっちゃう。なあ、どうすれば良いと思う?って、見えない人に話しかける危ない人。

ごちゃごちゃした塊も、綺麗だと思う。でもたまに圧倒的な無能感でダウン。その場にしゃがむ。そんな時いつも頭の中で繰り返し流れるセリフは、泣ぐなわらしこ、おめえが泣げば、おらも悲しくなるでねえが。でも八郎はいないし。わらしこでもないし。あーあ、どうすっかなあ。途方に暮れ中。でもまずは出勤せねば。ということを毎朝。

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木こりのアンドレよりずっとでかい。


おらは、こうしておっきくおっきくなって、
こうして、みんなのためになりたかったなだ、
んでねが、
わらしこ!


by macchi73 | 2019-05-10 06:00 | 【その他】日記 | Comments(2)
2019年 05月 01日
最初の悪い男
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山菜食続行中。我ながら、いちいち美味い。
朝食はクレソンと鶏挽肉のチャーハン。昼食には夫実家から届いたタケノコを料理した。タケノコ、柔らかくってすごく美味しい。付け合わせは、週末の山菜採りで収穫したアケビの若蔓、そして蕗の葉の赤飯握りにした。蕗の葉はまだアク抜きして塩漬けしたのがあと何枚か残ってる。とっても良い香りだし食べやすくできたので家族にも供したいが、そこまで保存は無理か?明日にでも、もう一回採りに行こうか……。

外は一日中しとしと雨で、家の中が異常に静かに感じる。毎日起きて1, 2時間くらい集中して家事したら、あとは時間がぽっかり空いてる。散歩・映画・読書してもまだのんびり。気づいたが、家族が出かけてから一回もテレビをつけておらず、電気も寝室やリビングで小さい間接灯をつけるくらいなのだった。音楽も、すごく小さい音で料理中に流すだけ。日が落ちたら無音と暗闇の中、壁を触って廊下をひたひた歩いたり風呂に入ったり、整然とした冷たい巣みたいで、なんか落ち着く。

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家族がいると家の中って明るくて雑然として賑やかなんだよなあ。夫はもはや私には筋がわからないドラマやバラエティを常に延々リピート再生してるし、帰宅するとジュース缶やら何やら散らかってるし、夜の2時3時まで煌々と灯を灯して昼夜逆転だしよう!と、いきなり脳裏を巡る夫ディス……いや、でも料理は美味しいけどな……でも他の家事もして欲しいけどな……もしずっとこうだったら寂しいかな……それとも快適かな……脳内に、夫ディスと夫リス(って言うのか?)が交互に駆け巡る。たまに一人になると、つい考えちゃうよなあ。夫不在って珍しいが、私不在はあるので、夫もやっぱりこんな風に考えたりするのかな?

とか思ってたら電話が鳴って、TV録画忘れたから頼むよ、と夫からだった。私が家に一人で残るたびに録画依頼の電話がある気がする。いいけど私操作分からないよと答えたら、面倒臭くなったのか、じゃあ良いやとガチャ切りされた。むこうにしてみれば、何度説明しても覚えないヤツと思われているだろう。でも年に数回頼まれてリモコン触るだけじゃ、やっぱり忘れてしまう。そして脳内は、夫ディスにやや軍配が上がり。

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それでまた読書に戻って没頭して、最後の章を読み終えてフーッと満足。今日の一冊はミランダ・ジュライの『最初の悪い男』。なかなか面白かった。

それから小雨の中、深夜営業の珈琲飲める店に散歩。濡れた黒い路面に映る光が綺麗で気分がスーッとする。珈琲は自分で美味しくできた試しが無くて、夫がいないと外に出るしかないんだよなあ。で、やや夫リス?


『最初の悪い男』(ミランダ・ジュライ)


なんか笑った。悪い男は別に登場しない。というか、登場するが、一文くらい。よりによって、なんでこのタイトルにしたのか?

最初の1/4(孤独と儀式)、次の1/4(暴力と破壊), その次の1/4(百合と蜜月)、最後の1/4(母性発動)、どんどん話が転がって、どこに行くのか引きずり回される感じ。なのにどれも知ってる感覚にも思えて、そんなにぶっ飛んだ話でもないかもなって気もする。要は運命の赤ん坊だけ手に入れる話。ちょっと主人公に都合良いかもな?


わたしを見た車のドライバーたちはみんな、あの人は命がけで走っているぞ、きっとそこに着かなければ死んでしまうんだろうなと思ったし、じっさいその通りだった。

(略)

わたしを追い抜いたドライバーたちはみんな、あのみじめに濡れた動物は巨大ネズミか何かだろうか、きっと飢えてなりふりかまわなくなってしまったんだろうなと思ったし、じっさいその通りだった。

(略)

雨はいつの間にか上がっていた。家まで歩くあいだにわたしは乾き、背が伸びた。わたしを追い越したドライバーはみんな思った、きっとあの人は卒業したか、出世したか、賞をもらったばかりなんだろうな。じっさいその通りだった。

↑ちなみに、どれもじっさいは全くその通りじゃない。


---あとは、ちょっとネタバレっぽいかもなので隠しとく Click to read

by macchi73 | 2019-05-01 00:58 | 面白かった本など | Comments(0)
2019年 04月 06日
昔の科学者たちと
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目がさめると窓から目に飛び込んで来るのは裏庭の杏の枝。ちょっと前まで、水色の空を背景に朝日に桃色を光らせているのをベッドからぼーっと眺めるのが楽しかったのに、いつのまにか散ってしまった。いつも遅れて記録する。

満開の花木には、花だけじゃなくて小鳥もすずなり。良い匂いするもんな。蜜もうまいだろう。

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しばらく忙しかったので土日は休んで、春休みの中学生に付き合ってお出かけした。日差しが眩しくて暑いくらい。どこもかしこも桜がブワーっと満開で、こりゃすぐに桜吹雪の時期になっちゃうかな。

出先で休憩中、大人の学習マンガというキャッチコピーの本を読んでたら、話の合間あいまで紹介される昔の著名科学者たちのエピソードが面白かった。

『決してマネしないでください』(蛇蔵)

子どもが科学史に興味を持つ入口にもなんか良さそう。


紹介されていた科学者たちは、たとえば次のようなメンツ。他にも面白い人、初めて知った人がいっぱいいたので、気になる人はぜひ。

ジョン・ハンター (1728-1793)

とにかく破天荒なのは、ジョン・ハンター。
解剖大好きなマッド・サイエンティスト臭プンプンだけど、自由で飾らなくて凝り性で合理主義な近代外科医学の父。『ドリトル先生』のモデルとも(いろんな珍獣を広い屋敷で飼いまくってたから)、『ジキル博士とハイド氏』のモデルとも言われている(表玄関は夫人の活躍するきらびやかな社交場で、裏口ではハンターと弟子たちがロンドン中の死体を運び込みまくって解剖しまくり)。

『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』(ウェンディ・ムーア)

ハンターの伝記なら、この本がめちゃくちゃ面白いと思う。

●虫の観察とかも好きで、生き物大好きそうに思えるのに、何頭も犬を買ってきて脚の腱を切断し、世話して治癒していく段階で次々殺して解剖し、腱の回復段階の時系列の標本を作ったりもするマッドなハンター。●従来の錬金術的な医療を信じず、「自分で考えること」をモットーに、解剖で得た正確な人体知識に基づいて新しい効果的な手術なども考案したが、一人の人間の手術をする前には、たくさんの動物で実験・練習しまくって、やっと行う慎重なハンター。●ついには動物実験ではこと足りず、自分のペニスにわざわざ性病を接種して実験治療をする無茶なハンター(そして愛弟子ジェンナーは天然痘の種痘を打ち立てる)。●十歳年上でキレ者のお兄さんに医学の世界に引き込まれ、お兄さんの医学演説に感動し、それから弟分的に使われ、成果を巡って仲違いしても、お兄さんが亡くなった時に凹むハンター。

……そんなハンターの人となりを表す色んなエピソードがいっぱいあるにも関わらず、全然本筋に関係ない箇所で「ほほう!」とか思ったので引用したりして。
  生殖と発生はつねにハンターの関心をとらえてきた。研究対象がたとえ下等動物であっても、それにかける熱意はコヴェント・ガーデンで妊婦の死体を解剖したときと変わらなかった。一七六〇年代後半のある冬、ハンターは六羽の雄のイエスズメを捕まえて、交尾期が近くまでに睾丸の大きさがどれだけ変化するかを観察した。すると、直径が十倍も増えた。一月にピンの頭頂ほどだったのが、四月にはビー玉くらいの大きさになっていたのだ。「これほど短期間で変化するとはすばらしい」と彼は感心しながら記録している。
そっか、最近バードウォッチングをしていて、繁殖期とそうでない時の異性に対する態度とか、なんでそんなにキッパリ時期で分かれるんだろう?って不思議に思ったりもしたけれど、睾丸が十倍にも膨らむんじゃ(鳥類に著しい特徴らしく、百倍以上のこともある)、そりゃフィーバーしちゃうよなあと納得。その一方で、繁殖期以外の時期も番いを作る鳥も多いのを見れば、そうか、気のおけない片割れと暮らすってのは、繁殖以外の安心感への本能としてもあるのかなと考えたり。


ヘンリー・キャベンディッシュ (1731-1810)

それから、キャベンディッシュも面白いんだよな。
すっごいお金持ちの貴族で人見知りのため、屋敷の中でも人に会わないようにして暮らすヤツ。ふんだんな資金に任せて孤独に実験しまくり、シャルルの法則、クーロンの法則、オームの法則、その他もろもろを発見者として名を残す科学者たちよりずっと前に、しかも正確に見つけていたが、別に発表しないで終わる。死後だいぶたってから遺稿を見つけた科学者、仰天。まあ金も名誉もあるし、実験は趣味だし、苦手な人付き合いまでして発表しなくても良いかって感じだったのか?

『異貌の科学者』(小山 慶太)

キャベンディッシュ本人については、なにぶん全く人付き合いしない(そしてしなくても困らない)人物だったため、記録も少なく、面白い伝記ってのもなさそうに思う。材料少なすぎ。

ただしこの本は、キャベンディッシュに魅せられた科学者マクスウェルから連なる科学者たちの興亡(早熟な天才だった科学者も、老年には若い才能に対する古い邪魔者になってたり)を描いていて、ちょっと面白かった。

  さて、キャヴェンディッシュの遺稿との運命的な出会いをしたとき、マクスウェルは四三歳であった。科学者としてまさに油の乗り切った時期に、キャヴェンディッシュ研究所長としてのマネジメントをこなしながら、五年の長きにわかって、未発表論文の出版に心血を注いだわけである。
  ということは、マクスウェル自身の貴重な研究時間が、この発掘作業のために、犠牲になったろうことは間違いない。これは、考えようによっては、もったいない話だといえる。(中略)「男が男に惚れる」という言い方があるが、これをもじれば、「天才が天才に惚れる」とでも表現できる結びつきが、ちょうど一世紀の時間を隔てた二人の間に生まれた訳である。(略)
  しかし、その喜びに浸る間もなく、論文集刊行からわずか数週間後の十一月五日、マクスヴェルはケンブリッジで亡くなった。



アラン・チューリング (1912-1954)

それから、有名どころだと、チューリングも。
第二次世界大戦での暗号解読と、人工知能のチューリング・テストで有名な元祖コンピュータの生みの親。同性愛で有罪になり(当時は法律違反)、不遇の最期を遂げた。

『イミテーション・ゲーム』

チューリングの伝記映画。長女をベネディクト・カンバーバッチのファンにした一本。まあコレ見たらファンになっちゃうよなーって感じ。

スパイ物のようなハラハラ感もありつつ、全体的に「人に分かってもらえないけど仕方ない」という報われない孤独な天才の諦らめ感が漂う切ないストーリー。映像も静かで美しくて良かった。



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あとは、エジソンのライバルのニコラ・テスラ(1856-1943)なんかも登場してて、鳩への溺愛エピソードに覚えがあるなと思ったら、荒木飛呂彦原作の『変人偏屈列伝』(荒木が全部書いてる訳じゃなくてイマイチだったけどな……)に出てた人なのだった。『変人偏屈列伝』ではそんなにインパクトなかったが、次はテスラの伝記とかも読んでみようかな。

by macchi73 | 2019-04-06 23:30 | 面白かった本など | Comments(0)
2019年 03月 27日
卒業
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仕事の合間、上の娘の大学の卒業式を見に行った。写真いっぱい撮ってきてよ!と夫と末っ子には言われたが、本人がいたって淡々としているので、まあ、軽いお散歩気分で。

しかし会場に着いたら、みんな何か華やかな袴姿で、うっへー、娘よ、そんな地味な格好で良いのか!?と多少怯む。いいのいいの、どうせガウンで見えないんだからと、やはり淡々とした娘。まあ本人のことは本人が決めるか、って思いつつ、でも親としてもっと色々と強くお膳立てすべきだったかなとちょっと心が揺れる。

家族席に着いて見ていると、隣の親御さんから、どこの学部ですか、進路はいかがです、子どもたち本当にここまで頑張りましたね……なんてことを話しかけられて、そうなのか……とぼんやり思う。式の間、私がありありと思い出すのは、赤ん坊から小学生くらいまでの様子ばかりだった。時間を追って思い出してみれば、十代、二十代のその時々の伏せた睫毛や横顔、話し声なんかも浮かびはするが、自分は子の学校活動とか進路とかには興味が薄い性質なんだよなあと実感された。表彰されたり代表したり、きっとけっこう頑張ってはいたのにね。

自分が劣悪な親だったとまでは思わないけど、母性にもタイプがあって、私は小さい子にはそこそこ悪くないタイプの親だが、社会的なあれこれが出てくるティーンズ以上にとってはそんなに良くない親だったろうとしみじみ思う。

自分が子どもたちに体験して欲しくなかった諸々は回避できたんだからまずは満足だ……とも思うけど。それって子どもたちにしてみれば発生もしてない事で知る由も無いし、そもそも子どもたちは私ではないのだった。親としての自分に課した硬いルールを守ることばかりに固執せず、もっと子どもたちそれぞれへの柔らかな応援と共感溢れるお母さんというのもあったんだろうな。

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私がイメージする最も幸せな子どもというのは、『虫とけものと家族たち』のジェリー少年10歳だ。我が子たちにもそういう子ども時代の片鱗でも与えられていたら嬉しく思う。
だけど、それより上の年齢の人間に対して家庭の与するところってのは、あんまり想像できなくってなあ。


イギリスから自然溢れるコルフ島に一家で移り住んだ、著者ジェラルド(=少年ジェリー)の少年時代の回想録。

この本全体に満ち溢れる、きらめくような素晴らしい幸福感は、どっから来てるのか。

その理由の一つは、この島の暮らしの登場人物の中で、子どもはたった一人、主人公のジェリーだけってとこにもあると思う。島の大人たちも、年の離れたきょうだいたちも、ジェリーの子ども時代を楽しみの一つとして、距離をおいて見守っていたんだろう。外の荒波は入ってこないような、大船に乗った感のある、何の心配もない美しく守られた世界でのびのびと
  最後にバラコガネムシさんに会った時、ぼくは丘の頂上にすわって下の道を見おろしていた。彼はどうやらどこかのお祭りの帰りで、たぶんワインをたっぷりふるまわれたのだろう、哀調を帯びた節をフルートで吹きながら、道の上を右へ左へよろけてやってきた。僕が大きな声で挨拶をすると、ふりむきもせずに、おおげさに手をふってこたえた。そして彼が角をまわると、一瞬その影がラヴェンダー色の夕空を背景に浮かびあがった。鳥の羽が揺れているすり切れ帽子、上着のふくれたポケット、眠っているハトでいっぱいの背中の籠などが見え、頭のまわりを飛びまわっているおぼろげな斑点がバラコガネムシだということもわかった。しかしすぐにその姿は曲がり角の向こうにかくれ、あとは淡い色の空と、中空にかかった銀の羽根のような新月だけで、優しいフルートのさえずりもやがて夕闇の中へ消えていった。
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そんなこと考えてたら、夫が昔、末っ子が2歳になる頃まで毎日つけてた子どもの一行記録を送ってくれた。読んだら笑った。

本当、小さい子どもって不思議。もう大きくなった、我が子たちがかつては小さかったってことも不思議。

お母さんは、君らの成長段階をずっと通しての熱心で暖かい応援団ではなかったが、人生のある期間に衝撃的に強烈に愛着を覚えさせられた不思議なチビっ子たちと君らが同一人物だということで(正直、時間が早すぎて信じられないが)、別人のように大きくなったこの先も、ずっと幸せであって欲しいって感じは凄くしている。大人の幸せってケースバイケース過ぎて、どんなものを祈れば良いのかも、全くわからないけど。


↓↓ 夫の一行記録 ↓↓

by macchi73 | 2019-03-27 06:30 | 面白かった本など | Comments(6)