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タンポポ風の雑草いろいろ(タンポポ、コウゾリナ、オニタビラコ、ノゲシ、ジシバリ、ヤクシソウ、ノボロギク、カタバミ、ヘビイチゴ、ミツバツチグリ)

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タンポポっぽい雑草って多くないか?黄色い花で、花弁が細かく、種は綿毛になる仲間。キク科の黄色いヤツら。

葉や茎を見ると様々だし、よくよく見ると花も全然形が違ってたりするし、きっと色々いるんだなーという気配は感じているんだけど、微妙な差異を調べるのが面倒で、つい「黄色い花の雑草=タンポポライクな雑草」と一括りにしてしまう。

そんな無精ではダメだ!と思い立って、調べてみた今日の雑草たちのメモ。


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<キク科タンポポ属>

【タンポポ(蒲公英)】

一番身近でよく見かけるタンポポだが、実は西洋タンポポと、在来種であるニホンタンポポがあるようだ。

花の付け根のガクが広がっているのが西洋タンポポで、つぼんでいるのが日本タンポポという見分け方のようだが、日本タンポポの咲いている場所って少なく、身近で見るのはだいたい西洋タンポポらしい。
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……という図鑑で仕入れた知識をもとに、大きな公園に生えているタンポポのガクを実際にチェックして回ったら、なんだ、意外と両者入り混じってるじゃん!

これは西洋タンポポだよね。ガクが綺麗に反り返ってる。
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で、これがニホンタンポポか。ガクが固く窄まった感じ。
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(↓何でもすぐに食べるヤツ)



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<キク科オニタビラコ属>

【オニタビラコ(鬼田平子)】

タンポポに次いでよく見かけるのは、オニタビラコ辺りかな。
ヒョローっと長い茎の先端に、小さなタンポポ風の黄花が花火のように沢山咲く。

花は小さく、綿毛も小さくて可愛い。茎は長く高く直立する。茎には殆ど葉がついておらず、タンポポに似た感じの葉が地際にだけ広がっている。鬼田平子と書く。田んぼの近くに葉っぱが平たく広がっていることが多いから。

「これ、オニタビラコだよね?」とたまに迷うのは、個体の大きさの差が激しいんだよな。ヒョロッと線の細いチビのときもあるし、スラッと背が高くて花数が多いときもある。
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ヤクシソウ(薬師草)】

葉が茎を抱き、仏像の後光のような形をしているのはヤクシソウ。茎がよく分岐し、花後の花柄はショボンとした感じに下を向くのも特徴。市街地っていうより、少し山の方をハイキングとかしてるときによく見るかな。
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<キク科コウゾリナ属>

【ブタナ(豚菜)】

それから、最近非常によく見かけるのがブタナ。別名、タンポポもどき。
昔はそんなに見かけなかったと思うんだけど、今は「背が高いタンポポだなー」と思ってみると、ブタナの群生だったりする。

葉っぱのない長い茎をヒョロヒョロ伸ばして、その先にタンポポ風の花をつける。背が高いだけあって茎はしっかり固くてタンポポの中空で水っぽい茎とは質感が違う。また、タンポポの茎は枝分かれしないが、ブタナの茎は地際で二、三股に別れてたりする。
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【コウゾリナ(髪剃菜)】

茎がブタナと似て固い質感で、花はオニタビラコ風に薄めで可愛い感じなのはコウゾリナ。全体的にチクチクと毛の生えた茎が特徴。髪剃菜と書く。硬くてチクチクする茎で髭が剃れそうだから?

ブタナはヒョローと伸びた茎の先に一輪だけ花を咲かせてタンポポっぽいが、コウゾリナは分岐した先に花を幾つもつけて咲くオニタビラコ風。でもオニタビラコもブタナも地面に広げた葉だけで茎の方には葉が無いが、コウゾリナは茎の途中でもばんばん枝分かれして茎の途中でも葉を伸ばす。
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<キク科ニガナ属>

ジシバリ(地縛)】

小さくて丸っこい柔らかい葉が地面を優しく覆う感じなのはジシバリ
花も茎も線が細くて繊細で、タンポポ似の雑草の中で私は一番好きな花。花の直径は2cmくらい。凄く可憐だと思う。
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オオジシバリ(大地縛)】

ジシバリの大きいバージョンは、オオジシバリ
ジシバリと同じく、やはり葉のふちが滑らかなところが特徴。ただしジシバリは丸い葉だが、オオジシバリの葉は少し長くてヘラのような形をしている。
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ジシバリを見る前に大ジシバリだけを見てしまうと、「タンポポの花を一重にして、華奢で柔らかそうにした草」と思っちゃう点は一緒なんだけど。大ジシバリの花は3cmくらいあって、華奢ではあるが結構華やか。
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<キク科ノゲシ属>

【ノゲシ(野芥子)】

ノゲシも割と道端なんかでもよく見かけるかな。
葉が肉厚で大きく、縁がトゲトゲしているのが一番の特徴。花は根元が膨らんだ縦長な形。茎は太くて水分が多そうでちょと蕗っぽい感じ。
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【オニノゲシ(鬼野芥子)】

同じような形で「背でか!葉っぱ痛!」ってなのはオニノゲシ。
ノゲシと違うのは、トゲトゲした葉が茎を抱くような形でついているところ。あと、市街地ではそんなに見かけない気がする。里山ハイキングなんかしてるとよく見かける。
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<キク科キオン属>

【ノボロギク(野襤褸菊)】

一見、ノゲシの蕾のような姿なのは、ノボロギク。
これが開花の状態なので、遠目からだと、そろそろ咲きそうな黄色い蕾がやたらいっぱいついているように見える。



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<カタバミ科カタバミ属>

【カタバミ(酢漿草)】

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まあ、カタバミをタンポポと混同する人はいないと思うけど……見るからにキク科じゃないし。カタバミ科。でもたまたまタンポポと一緒に咲いているところを見つけたので、ついでにメモ。黄色い花だしね。

葉っぱが三つ葉なので、タンポポよりクローバーと間違える人はいるかもしれない(いないか?)。ただし、クローバーより柔らかくて線が細く、大きさもずっと小さい。また、クローバーでは雫型の葉が3枚のところ、カタバミはハート型の葉が3枚だ。このハート部分の凹みが齧りとられたようだということで「片喰み」という名前だと、どこかで読んだ気もする。


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<バラ科キジムシロ属>

ヘビイチゴ(蛇苺)】

黄色の花という点以外では、もう全くタンポポに似てないが……カタバミを載せるなら、同じ時期に並んで咲いている黄色い小花、ヘビイチゴだって載せないといけないだろう。イチゴの仲間だからバラ科だけど(そして以前はヘビイチゴ属だったが今はごっそりキジムシロ属に移動した)。

ご覧の通り、タンポポには似ていないが、カタバミには少し似ているかもしれない。花の中心は丸く膨らみ、花後には紅い苺風の果実になる気配を漂わせている(末っ子は小さい時に食べていた)。葉っぱもイチゴに似てる。
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【ミツバツチグリ(三葉土栗)】

こちらもタンポポには似てないが……ヘビイチゴを載せるなら、それに似たミツバツチグリも載せなくてはいけないだろう……なんてね。

気づけばもう科も超えてタンポポに似てないし、この辺でお終い。どっとはらい。


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まあだいたい、これ一冊あれば何とかなるね。




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by macchi73 | 2023-04-20 01:08 | 【自然】雑草、野草 | Comments(0)

庭ブログのはずだった。なのに昆虫の記事がダントツで多い。虫 & 植物 & 子供の記録。日常読む本はほとんどブログのアフィリエイトポイントで買わせてもらってます。感謝。


by macchi73