オーデュボン『アメリカの鳥類』/カイツブリ色々(カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、カイツブリ、ミミカイツブリ)
2026年 01月 14日

荒川サイクリングで、カンムリカイツブリ(冠鳰)の群れを見かけた。
昔は日本では数カ所でしか繁殖がない希少種とされていたようだが、今ではいろんなところで、しかも百を超える大群でもよく見かける。最初に見た時には、珍しいカイツブリ見たよ!とか思ってたもんだけどな。日本におけるこの鳥に関して言えば、カシラダカ(世界的に減少傾向)やリョコウバト(50億もいたのが絶滅)の逆方向の変化とも言えそうだ。
近くには、ポツンと一羽だけのハジロカイツブリ(羽白鳰)もいた。遠くからでも双眼鏡を覗けば、白黒のボディに真っ赤な目がよく目立つ。この辺だとそんなに数を見かけないから、個人的な体感ではカンムリカイツブリより珍しいような気もする。


その辺の公園の池なんかでも見かける普通のカイツブリだって、野鳥をあまり知らないでいた当初には「うわっ、なんだか妙に小さいミニチュア鴨がいる!何だあれは?」と不思議な珍鳥を見た気分になっていたものだった。しかしその後、興味を持って通年の生態を観察しているうちに、さらにとんでもなく小さいヒナたちを背中に乗せて運ぶ様子など見ては興奮していた時期を経て、今ではとても身近な見慣れた鳥という感じ。一回知ると、どこでも目につきやすくなるし。

何にせよ、今は当たり前になったことでも以前はそうではなかったことっていっぱいあるし、逆も真なり。
……てなことを、夜に自宅で『オーデュボンの鳥』(『アメリカの鳥類』セレクション)を開きながら思ったりした。

鳥は自由に飛んで移動するし、世界の気候や環境も変わるし、それに連れて分布も移り変わっていくんだろう……絶滅さえしなければ。減っても盛り返すチャンスはあり得るけど一回途絶えてしまうともう回復はできないってのは、種でも個でも共通する生命の仕組みだな。なくなったものは生き返らず、取り返しがつかない。
ちなみに、この記事を書きながらカシラダカの状況を久々に調べたら、2010年代に世界中で急に激減して2016年にIUCNレッドリストで2段階飛ばしで一気に危急種(VU)となって騒ぎになっていたのが、現時点では少し改善されて準絶滅危惧(NT)となり、絶滅危惧はひとまずは脱していたようだ。良かったー。『オーデュボンの鳥』の冒頭に載っている今となっては絶滅してしまった鳥たち−−先日読んだ『ダックコール』や伊坂『オーデュボンの祈り』に出てくる有名なリョコウバトだけでなく、カロライナインコ、カササギガモ、オオウミガラス等々−−や、今まさに消えつつある種たちを見て実感する。カシラダカのようなよく知っている鳥が消えるとか、想像しちゃうとかなり胸がギクっとするものだ。
しかし国内のカワウやオオタカのような減少からの回復ケースについてなら、国内に限った話だし大型種でもあるから、環境改善や保護活動の効果があるのは分かるんだけど……世界を移動するカシラダカみたいな小さな渡り鳥向けの保全活動って、人間に何ができるものなんだろう?何をやっても間接的すぎて運任せの気がするんだけど……10年あればじわじわとでも変わるものなのかな?それともこの回復は、実は単に突然のVU認定を受けて全世界での観測に取り組んだ故の数字の上でのマジックなのか。

