『未来世紀ブラジル』(テリー・ギリアム)、甘い夢に殺される・生かされる
2025年 09月 23日

犬もあるけば棒に当たる。庭を歩けば栗を蹴飛ばす。どっちも痛い。ここ数日、指がシクシク。

そんなこと少し考えながら仕事して、最後は休日気分で締めたくて映画を一本、80年代イギリス映画『未来世紀ブラジル』。セクショナリズムの行き着く果てで、人間性は生き残ることができるのか?という話かな。モンティ・パイソンのテリー・ギリアムが監督のディストピアもので、見た後は胸が重くなるけどかなり好きな映画かも。
主人公はナイーブな青年、家族や友人のように極端な管理社会で出世していくことを回避しながら、灰色の日々からの逃避のように、いつも架空の恋人との淡い童話のような夢を見ている。
その息苦しさに耐えきれないヤツが原初の方向へ逃げ出す夢を見るのも、また定番。1930年代のハクスリーが描いたディストピア小説『すばらしい新世界』の頃からのお馴染みの流れ。で、そんな弱者が辿る道も同じ、絵に描いたようなドロップ・アウト。デ・ニーロ演ずる自由派配管テロリストが現れるたび、すがる気分でホッとする。ここから助け出してくれよ。でも、その彼さえも紙屑となって霧散した時の迷子感……怖い。できればドロップアウトはしたくない。
人間の夢みがちな部分って、抑えても抑えても殺しにくい性質だと思う、子どもは割とみんな夢みがちだし。一方、人が集まれば管理したくなる欲も、なかなか無くせない人間の種としての性質なのかもしれない。どっちもそれ自体で良いとか悪いとかいうものではないんだろうけど、自分の近しい人たちが、トゥーマッチ夢みがちだったら心配するけどまだ好きだと想像できる。でもトゥーマッチ管理志向になったら見るのが悲しいだろうな、もし安泰側に場所取りしてたとしても。そこに何かの答えがある気がしないでもない。
あ、バトルが誤認逮捕されたおじさんで、配管工はタトルかな。格好良いですよねー。
悪夢の中の自由な人間って感じで、彼が出てくるだけで心が明るくなったしホッとした……自分もどんなときでもああいう感じでありたいものです。
きっと「タトル&テロリスト集団」ってのはサムの最後の夢の中で起こったシンボルとしての紐付けってだけだろうから、タトル氏の反抗活動はアングラ配管のシーンだけが現実の話だったんでしょうけどね。
あの、シューっとロープで去るスタイル、自分の生活にも取り入れたいものです(嘘)。
友人ジャックも、印象的でしたよね。
壊れちゃった後の人って感じで、怖かったし、なんだか泣けちゃって。
吉祥寺バウスシアターは私も割と行ったかもです……懐かしい。あとは夜バイトの後に池袋文芸坐とか早稲田松竹、ACTミニシアターでオールナイトとか観てたかな。三鷹オスカーは知らないなと思ったら、1990初頭に閉館されてるんですね。その頃は私はまだ田舎の映画館で主にクンフー映画かB級ホラーとか見てましたね。どの館も、最低でも2本立てで料金も安かった……
それが東京に来て、アート系の単館映画というオシャレなものを知って(「1本立てだし、入場は総入れ替え制で、途中で好き勝手に入場できないだと!?」と)、バイトの間の時間潰しもあって一時期物珍しく通ってたのでした。途中で上映反対派が雪崩混んできて場内揉み合いになって警察が来たりもあったなー。若い頃って、好奇心があって何でも面白かった気がします。
バンディットQは観てないので、観てみます!
またそのうち、面白かったおすすめとかあれば教えてください。ではではー
