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春から夏へ、羽衣ジャスミン/更年期映画『波紋』(筒井真理子)

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羽衣ジャスミンの芳香は濃厚。人を虜にする魅惑の甘さだけど、ぐるり庭で取り囲まれると酔っ払っちゃうな。地上で蔓を、地下で地下茎を伸ばしてどんどん陣地を拡大している。

いまはまだ蕾の方が多いから濃厚さよりふんわり優しい乙女の香りって感じ。これから満開になって・それから盛りを過ぎ始めると、インドールの香り成分が前面に出てきてムワッと熟し過ぎというか微かな腐敗の気配というかそんな香りになる。それを嗅ぐのは毎年GWも過ぎた頃で、あー、春も終わって夏の入口が見えてきたな……こっから蒸し暑くなるぞ……とかいう覚悟が過ぎるかな、毎年。

まあでも、まだ今は素晴らしい香り。深呼吸。肺を甘くして。

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* * * * *

夜には、熟し過ぎマダムの悶々に咽せる映画を一本、荻上直子監督の『波紋』
ちょうど更年期エピソードとかも出てきてたので、親近感を持って観てしまった。


主演の筒井真理子はよく知った人にも少し似て、いちいちホラー味があるな、鬱陶しいな……と最初は戦慄していたけど、最後はとても綺麗に見えた。

何かに対する態度や姿勢って最初から定められないし、どこかの時点で醜悪だったりグズグズだったりしても誰だって仕方ないんだって思えた。水に流すには、H2Oじゃなくて時間がかかる−−醜悪時代に居合わせた人たちとは関係だって壊れて清算できず、修復できないで終わることもあるだろう。でも、そのグズグズの時や場面だけがその人じゃない可能性はいつも見えないところに広がっていて、それを忘れないようにしようと思った。この世で自分に見えるところなんてほんの僅かで、何もかも流動的なんだから、どこかの時点で本人がアッハッハって笑える瞬間があったなら充分OKなのかも。
誰にでも、自分しか知らないところでそういう時があっていて欲しいし、あったろうなと思った。

木野花の演じるプール・マダムも筒井の演じる信仰マダムも、タイプは自分と全然違うけど、なんか周りにはいそうな同年代感でほんのり友情感じちゃったな……これって更年期が繋ぐ友情か?子供らしい優しさナイーブさが残る息子には頑張れ、経験は多い方が良い/虫の良い夫にはFxxx、思い知れ。それもまた滋味かもしれないしな。私たちみんな、自分のやったことで出来ていく。


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by macchi73 | 2025-04-25 23:32 | ★面白かった本など | Comments(0)

東京の住宅地で試みる素敵ガーデン・ブログのはずだった。なのに昆虫の記事がダントツで多い。虫 & 植物 & 子供の記録。本は殆どブログのアフィリエイトポイントで買わせてもらってます。感謝!/※画面最下部の「表示モード」でPCレイアウトを選んでからリロードすると広告無しにできます。


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