沈丁花の夜
2024年 02月 20日

夜の柔らかい雨の後、寝室の窓の外でヌワーヌワーと猫が鳴くので、「まさか三毛縞?」と外に出た。でも声が違うけど。
窓から漏れる明かりで辺りを探したけど猫の姿は見えず、かわりに何とも言えない良い匂いがふわっと漂う。見たら寝室の窓辺に植えた沈丁花がこんもり咲いて雨に濡れて光っていた。あんまり良い匂いだったので、一枝だけ折って家に戻る。
花瓶に挿してウットリして、でも、綺麗な花にはきっと猫への毒がある……。
調べてみたら、案の定、樹液に毒という記事がぞろり出てきた。だいたい飾りたい花って毒なんだよな、猫にとって。
それでもあまりの芳香に諦めきれなくて、お手洗いの棚に飾った。なんで花を糧にする訳でもない人間が、花をこんなに良い匂いって思うの。風呂上がりには寝室の窓を開けて、部屋じゅうをふんわり沈丁花の香で充たす。呼吸するのが快感。冷んやり湿った空気だけど、この甘い感じ、もう冬ではないね。


なんと。沈丁花といえば、香りが属を貫くアイデンティティかと思ってました。香らない仲間もいるんですね。
この香りが懐かしいの、分かります。
寝室の窓の下に植えたので、今日も部屋が沈丁花の空気なんですが、本当に染み入る良い香りですよね……。
これからだったら、そちらではヒヤシンスやスズランなんかも良い香りでしょうね。