刺し子『七宝つなぎ』、どんなルートでも何とかはなる/『天国大魔境』(石黒正数)
2023年 05月 08日
紋様の刺し子2枚目、今回の柄は『七宝つなぎ』。
同封マニュアルを見たが、全体像がすぐにはピンと来なかった(よく考えたらわかったけど)。この斜め方向の浅い波型を何列も並行して縫う感じより、大きい波型で円の半周ずつをなぞって行く方がイメージ湧くけどなー。マニュアルのこの何の説明もない大雑把な表現を見るに、「どうやって刺しても良いけど、一応、こんな感じの刺し方でも完成するよ?」っていうことなのかなーとか想像。
で、半円ずつの波型でも一筆でイケるかなーとザッと全体の雰囲気を見て、まあ大丈夫な気がするなと、横方向に大きく波打つように針を進めて行くことにした。厳密に「これで一筆描きできる!」と結論を出してのことじゃなくて、たぶんイケるよな……くらいの雑な見通しだけど。図的に大丈夫な気がする。
あとは全体を一筆描きするとなると、直径7cm弱の円が6個ずつ8列並んでるから、必要な糸の長さは10.5mくらいか。さすがに10mを一本の糸で縫うのは糸の捌きが面倒そうなので、一回を5m強の糸にして2筆で縫い終わろうと算段。で、レッツ・スタート!
最初の5mで、ここまで縫えた。計算通り、だいたい半分。
次の5mは続けては縫わずに、新たに布の横端ポイントから縫い始める。最後に1回目の縫い終わりのところまで届けばOKな訳だし。1回目も2回目も布端から縫い始める方が、糸端を玉結びにして布の間に収納して丈夫に縫えるから良いだろう。
それでまた半円ずつのウェーブを描いて縫い進めようと思ったが、「ん?これだと一筆描きにならないかも?」という気配を感じて、途中で半円ぶん、下にずらす感じにルート変更してみたりする。これもまた、厳密に考えてではなく、雰囲気でのルート変更だけど(←イイ加減)。
それで最後の列を、さっきずらしてスキップした一列を埋めていく感じでちょっと変則な感じのランダバウトみたいな環状ルートで縫ったら、ちょうど最後の糸端が1回目のぬい終わりのポイントに合流できるルートに入って、無事に一筆描きで完成した。糸の長さも最後の伏せ縫いでちょうどビッタリ!快感!
表と裏は、こんな感じ。
糸は淡い桃〜若草色の段染め糸を使ってみたんだけど、淡色すぎて、電球の下で撮った写真ではよく分からないな。目で見ると仄かなグラデーションが感じられて結構綺麗だから、朝になって自然光の下で見たらまた感じが違うかもしれない。
一筆描きをボンヤリした全体のイメージでスタートして、「多分この方向で行けそうか……」「ん?このままだとダメか?ちょっとルートずらすか?」とか「これで最後は……よし!一筆になる!」と見えた時の感じとか、ちょっと囲碁や詰碁に似てる気もする。どこがって上手く言えないけど、なんとなくの曖昧な絵から着手して、ある時、クリアに終点まで見えるポイントがある感じとか。
そう思うと、1、2時間で集中プレイできて、しかも最後には成果物が物質として手元に残るなんて、刺し子って楽しいゲームだと思う。
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