白木蓮で花茶をつくる
2022年 03月 14日
薄暗くなってきた夕方に仕事机の前の窓をあけると、庭の白木蓮の大木がついに咲き始めて、二階が光る白い花々の中に飲み込まれつつあった。豪華。大きな一輪がぽっかりと目の前に浮かんでたので手にとってみたらふっくらしてた。こんなに近くで白木蓮の花をまじまじ見たことってなかった。
花の中心に向かうにつれて微かに桃色を帯びるのは、雄蕊のクリームがかったピンク色が純白の花びらに反射しているのと、花弁の裏にだけほんの少し赤紫が入るのとでそう見えるようだ。真ん中にはピスタチオグリーンの花柱、そこからクリアピンクの雌蕊が多数のびている。このように多数の雄蕊と雌蕊が花の中心に螺旋状のタワーのように集まっているのが木蓮の花の構造の特徴らしい。
ふくふくした花はほんのり甘く香って、なんだか美味しそうだ。ん?もしかして白木蓮って食べられるのでは?と思いついて調べたら、咲く前の蕾を甘いお茶にできるようだった。花粉症や鼻詰まりに効くらしい。ふーん、試してみたいな。
白木蓮の花茶の作り方(参考サイト):
- 萼は除き、花芯はとらず、蕾を広げて干している。
- 萼のついた蕾のまま洗って干すだけ。
- 杏仁豆腐に生花を入れてて美味しそう。お茶も、生の蕾を煮出しているだけか?
翌朝、早起きして外に出たら、どうも一雨あったらしく庭がしっとり湿っていた。なのに全然寒くない。梯子に登って、細かい雨粒が光っている白木蓮の花を一つ一つ触って、固めの蕾から咲きかけのものまで綺麗なものを幾つか摘んでみた。
そのうち指先が少しペタペタして良い匂いになってきた。取り除いた萼が意外と香る気がする。漢方ではこちらの萼の方をメインとして使ったりもするらしいし、小鍋にお湯を沸かしてちょっと煮出して朝のお茶にしてみるか。
萼を煮出したお茶は、花の香りがして微かに甘酸っぱく、桜茶みたいな風味がある。思っていたよりずっと美味しい。半分くらい飲んだところで思いついて蜂蜜を小指の先くらい入れてみたら、フルーティでホッとする味わいのお茶になった。
萼でこれだけ美味しいんだから、花本体のお茶はかなり期待できるぞ……なんて考えてたら、いつのまにか遅刻の時間だった。うわ、まずいまずい。慌てて自転車に飛び乗る。早起きしたのに遅刻する、これも何だか春の曇天って感じ。
韓国でよく飲まれる花茶っぽい。
『季節に寄り添う韓国茶』(コウ静子)
味(に多少癖があるのもまた)よし、見た目よし、健康によし…というのと、おままごとで作っていたそこらの草の謎茶みたいな感覚で、ちゃんとした草花ならちゃんとしたものを作れるんだ…と思ったらワクワクしてしまって。
アゼルバイジャンのご夫婦が豪快な料理をするYouTubeチャンネルの、旦那さんが淹れる素朴なお茶が憧れです。
木蓮の花はまだ乾かし中なんで味わってないのですが、萼茶の意外なおいしさに夫が一人でせっせと萼を拾い集めていました。こんなに飲めるのか?と思いつつ。
見た目がちょっと枯葉みたいで謎茶風すぎるんですが、綺麗に洗って乾かして、砂糖漬ドライフルーツなんかとミックスして瓶で保存したらいい感じになるんじゃないかなー。
アゼルバイジャンのご夫婦って、割と年配の方で犬二匹を飼ってる方かな?
検索してみたら、広々した気分になりました。
雑草の生え方とか、なんだか懐かしい……。
アゼルバイジャンは恐らくその夫婦です。どっちも好きなんですが、中国の美しい姉ちゃん(言い方)の動画の洗練された感じとはまた違う良さがありますよね。