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ヤマアイとトラツグミ(山藍と虎鶫)

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朝6時半に起きて、サイクリング。
川をずっと下り、途中の大きい緑地公園を散策した。湿地に囲まれた林の中の小径を歩くと、地味な小花にツヤツヤした照葉の下草がずーっと広がっていた。これは多分、ヤマアイ(山藍)かな。ちょっと湿った林床に生える、トウダイグサ科の多年草。

ヤマアイは、古代から使われていた最も古い染料とよく言われる。
万葉集で、『しな照る片足羽川の さ丹塗りの大橋の上ゆ 紅の赤裳裾引き 山藍もち摺れる衣着て ただ独りい渡らす子は 若草の夫かあるらむ』ーー山藍摺の青き衣を纏いて、紅の裾を引きつつ、朱塗りの橋の上を一人行くあの娘(ナウシカではない)は、若草のような夫がいるのかなあーーとか歌われているのが根拠らしい。
青、紅、朱色、若草色とカラフルな歌だが、ただ、一般に染料に使われてきたタデ科の藍(タデアイ)とは違ってインディゴ色素を含まないから、青い色が出る訳ではないんだよね。普通に染めると地味な青緑灰色に染まる。タデアイと違って、色の定着も良くない。なので、歌で詠まれてるヤマアイが本当にこの草なのかどうかは疑問という説もあるようだ。

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モソモソと変に揺れている山藍の後に、トラツグミがいた。
地中の虫を探すため、足踏みして体をリズミカルに揺らす『トラツグミ・ダンス』と呼ばれる独特の動きをしながら、山藍の薮の中を進んでいる。そして時々、出てきた虫をついばむ。

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トラツグミは今年の冬に初めて見て、凄く嬉しかったんだ。
その時は、うわー!珍しい鳥見た!!と興奮したんだけど、その後、何回か見るようになった。野鳥って、そういうところあるんだよな。図鑑を見て「探してみよう!」って思って出かけてもなかなか見つからないのに、一回偶然見かけると、その後、何度も見かけるようになる。そして、以前は珍しいと思っていた鳥たちが、どんどんよく見る鳥になるという不思議。

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Commented by Cakeater at 2021-03-09 20:48 x
今風に言えば絶対領域の上の境が裳裾の裾だったころ、下の線は素足の足首あたり。という歌ですね。一緒に女の子を眺めてたのは旅人という説の肩を持つんですが。中年どころか初老の男二人が若い子を見てる光景がうかびますね。二人とも酒好きだから、もうほろ酔いだったかなあ。

Commented by macchi73 at 2021-03-09 22:36
Cakeaterさん、
うっへー、狭い絶対領域ですねえ。そんなもんでもニヤニヤできてた時代かあ。
そう考えると、マスクに慣れたコロナ後は、口元を顕にしたらドギマギする世代なんかが出てくる可能性も……?

今とは違う、広々した古の長閑な風景が思い浮かびつつ、でも根本的なところは今も昔も同じで繋がってるなあって気になりますね。
Commented by Cakeater at 2021-03-11 19:09 x
日本人て目と眉と額だけだと、美人美男ばかりに見えるんですが。。。
旅人は64歳あたりから歌を残してるんで、虫麻呂もけっこうな年だったはず。駅前で座って通る人を見てる老人の頭の中はそんな感じなのかもしれません。
昨日は尾長が甘いミカンに群がってるのを狙いましたが、今一つ、今日はメジロが飛び回っていたんですが、追い切れず。【葉隠れてちらりちらりと見せるだけメジロのこころはとらえがたきや】
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by macchi73 | 2021-03-07 23:00 | 【自然】雑草、野草 | Comments(3)

庭ブログのはずだった。なのに昆虫の記事がダントツで多い。虫 & 植物 & 子供の記録。日常読む本はほとんどブログのアフィリエイトポイントで買わせてもらってます。感謝。


by macchi73