百合か雉隠しか(リコリス、テッポウユリ、ツルボ)
2020年 08月 10日

今年も気づけばリコリス・スプレンゲリが咲いてた。ちょっと盛りは過ぎちゃってるけど、青とピンクの不思議な色。たとえ日陰で咲いていても、そこだけネオンカラーのように、ポッと光って見える。
我が家では、オリエンタルリリーの仲間はみんな割と決まった時期ぴったりに咲く。黄色のイエローウィンが初夏に咲いて、それからピンクのソルボンヌ、そして盛夏に純白のカサブランカ、っていう感じ。それら百合によって、季節が順調に移り変わってるのを感じる。
裏庭側には、ラッパみたいなテッポウユリもたくさん咲いてる。
カサブランカと同じく真っ白なゆりだが、深いラッパ型で花弁がそんなに反り返らないので、スッとシンプルな感じ。香りも、オリエンタルリリーのように濃厚には香らないようだ。いろんな面で、あっさり目の百合。

それから草薮にはツルボ。
道端にも咲いてる野草だし、花穂は15cmくらいの小さな地味な花だけど、クリアなピンクで可愛いと思う。
一応、これも小さいながらもユリ科だったはず……と思ってWikipediaを調べたら、キジカクシ科ツルボ属と記述されていた。あれっ?ずっとユリの仲間だって思ってたんだけど。

DNA解析が普及する以前の形態的分類学、つまり1950年代の新エングラー体系や、その後の1980年代のダールグレン体系、クロンキスト体系などでも、キジカクシ科に入ってる植物はユリ科の下に入ってたみたいだ。私の持ってる図鑑は、多分クロンキスト体系のものが多い。
しかし、その後、1990年代末からは分類学の主流はゲノム解析に基づくAPG体系(被子植物系統グループ; Angiosperm Phylogeny Group)に移行し、2000年代になってからは、APG体系II, III, IV…と、新しい知見が出るたびに更新されているようだ。
ってことで、2016年に更新された最新のAPG IVでは、ツルボはキジカクシ科に属する。
昔は、新世界の植物を見つけたら、形態を細かく調べて、似てるものでグルーピングしてたんだろうな。博覧強記の植物好きが活躍する世界だったろう。しかし今はDNA解析か……古代から蓄えられた情報を解き明かし、進化論的な視点で分岐の道を辿るのは面白そうではあるけれど……最先端の器具とかがないと分からない分類になってんだなと思うと、もう在野の植物ハンターのロマンの世界は遠くなりにけりって気もして寂しい。何もかも、この見て触れる世界から、どんどん目では見られない情報の世界に移行してんのか。

蛍のような提灯を星へと運んでゆく」(pipiとべないホタル)の主題歌だったかなァ~
北国の宵祭りは「祭の晩」の様に青い月が斜めにかかり山から風がゴウと吹くんでしょうか・・
「薄暮の潤みにごれる室の内、甘くも腐る百合の蜜、はた、靄ぼかし」邪宗門・白秋
白木蓮と白百合は女の人の白い喉の様じゃありません?
北国は夏が短いので、城下町に百もある神社仏閣がそれぞれ毎夜のように祭りでした。
おかげで今でも横笛で祭囃子だけは吹けます。みんな浴衣で繰り出して、学校の友達と出くわすとちょっとウキウキしたり。凄く浮かれる季節だったなあ。
それが今は、仕事に追われて今帰宅の夏の夜。学生時代のゆったりした時間の流れが懐かしい!
へえ。邪宗門って、芥川じゃなくて白秋の方。読んだことなかったです。
香の腐蝕、肉の衰頽、
喉絞しめらるる淫れ女のゆるき痙攣ーー
夏の終わりの白百合を思わせて、なかなか官能的ですね。
いま、ものすごく甘い香りの白い花の木が咲いてると思ったら、なんと臭木でした。花はこんなに甘いのに、臭い実の方で呼ばれちゃうんですね……
