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百合か雉隠しか(リコリス、テッポウユリ、ツルボ)

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今年も気づけばリコリス・スプレンゲリが咲いてた。ちょっと盛りは過ぎちゃってるけど、青とピンクの不思議な色。たとえ日陰で咲いていても、そこだけネオンカラーのように、ポッと光って見える。

我が家では、オリエンタルリリーの仲間はみんな割と決まった時期ぴったりに咲く。黄色のイエローウィンが初夏に咲いて、それからピンクのソルボンヌ、そして盛夏に純白のカサブランカ、っていう感じ。それら百合によって、季節が順調に移り変わってるのを感じる。

が、リコリス・スプレンゲリは、いつ咲くか予期できない謎の百合だ。夏の早い時期に咲くこともあるし、秋口になってからのこともよくある。毎年必ず咲きはするんだけど、何が開花のトリガーになっているのか不明。なので咲いたのを見ても、いまいち季節感に結びつかない。ただ「あ、今年も咲いてる」と思う。雨量は、何らかの関わりがあるような気もしている。

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裏庭側には、ラッパみたいなテッポウユリもたくさん咲いてる。
カサブランカと同じく真っ白なゆりだが、深いラッパ型で花弁がそんなに反り返らないので、スッとシンプルな感じ。香りも、オリエンタルリリーのように濃厚には香らないようだ。いろんな面で、あっさり目の百合。

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それから草薮にはツルボ。
道端にも咲いてる野草だし、花穂は15cmくらいの小さな地味な花だけど、クリアなピンクで可愛いと思う。
一応、これも小さいながらもユリ科だったはず……と思ってWikipediaを調べたら、キジカクシ科ツルボ属と記述されていた。あれっ?ずっとユリの仲間だって思ってたんだけど。

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調べてみると、どうも割と最近、ユリ科から大量の植物がキジカクシ科に移動されたらしい。

DNA解析が普及する以前の形態的分類学、つまり1950年代の新エングラー体系や、その後の1980年代のダールグレン体系、クロンキスト体系などでも、キジカクシ科に入ってる植物はユリ科の下に入ってたみたいだ。私の持ってる図鑑は、多分クロンキスト体系のものが多い。
しかし、その後、1990年代末からは分類学の主流はゲノム解析に基づくAPG体系(被子植物系統グループ; Angiosperm Phylogeny Group)に移行し、2000年代になってからは、APG体系II, III, IV…と、新しい知見が出るたびに更新されているようだ。

ってことで、2016年に更新された最新のAPG IVでは、ツルボはキジカクシ科に属する。
キジカクシって馴染みのない名前だけど、だいたいはツルボやムスカリ、スズランなど、なんだか小花で「ユリかな?どうかな?」って感じの草花が移動されたように見える。ただし、カンゾウやキスゲなど、「野性味溢れるユリだな」って感じのものもユリ科じゃなくてキジカクシ科になってる。ツルボどころか、リコリスの属するヒガンバナ科も、もうユリじゃなくてキジカクシ目だとは!そっか、葉の生え方が薮っぽいのはキジカクシなのか。もう花だけの見た目だけでは何も分からないな……。(しかしテッポウユリは、さすがにユリの仲間で安心した)

昔は、新世界の植物を見つけたら、形態を細かく調べて、似てるものでグルーピングしてたんだろうな。博覧強記の植物好きが活躍する世界だったろう。しかし今はDNA解析か……古代から蓄えられた情報を解き明かし、進化論的な視点で分岐の道を辿るのは面白そうではあるけれど……最先端の器具とかがないと分からない分類になってんだなと思うと、もう在野の植物ハンターのロマンの世界は遠くなりにけりって気もして寂しい。何もかも、この見て触れる世界から、どんどん目では見られない情報の世界に移行してんのか。

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百合繋がりで。カーネーション、リリー、リリー、ローズ。ここにスプレンゲリが咲いてても綺麗そうだけどな。そしたら、カーネーション、リリー、リリー、ローズ、キジカクシ、になっちゃうのか……

夏の夜っぽさが凄く良い。子供の頃の北国の短い夏の夜って、こんな感じだった。至る所に祭りの灯篭と浮き上がる花と涼しい夜風。薄い甚平や浴衣を着て、照らされて上機嫌な皆んな。そのせいで、今でも夏が一番好き。東京の熱帯夜に慣れても、「夏」って聞くと、自動的にフワッとした夜風と青い闇が思い浮かぶ。
百合か雉隠しか(リコリス、テッポウユリ、ツルボ)_e0134713_20443573.jpg
(“Carnation, Lily, Lily, Rose” by John Singer Sargent (1885) / Public domain)









Commented by うり豆 at 2020-08-11 22:55
 「あれはゆかたの行列が山の小径を見え隠れ
  蛍のような提灯を星へと運んでゆく」(pipiとべないホタル)の主題歌だったかなァ~
北国の宵祭りは「祭の晩」の様に青い月が斜めにかかり山から風がゴウと吹くんでしょうか・・
「薄暮の潤みにごれる室の内、甘くも腐る百合の蜜、はた、靄ぼかし」邪宗門・白秋
白木蓮と白百合は女の人の白い喉の様じゃありません?
Commented by macchi73 at 2020-08-12 23:52
うり豆さん、
北国は夏が短いので、城下町に百もある神社仏閣がそれぞれ毎夜のように祭りでした。
おかげで今でも横笛で祭囃子だけは吹けます。みんな浴衣で繰り出して、学校の友達と出くわすとちょっとウキウキしたり。凄く浮かれる季節だったなあ。
それが今は、仕事に追われて今帰宅の夏の夜。学生時代のゆったりした時間の流れが懐かしい!

へえ。邪宗門って、芥川じゃなくて白秋の方。読んだことなかったです。
香の腐蝕、肉の衰頽、
喉絞しめらるる淫れ女のゆるき痙攣ーー
夏の終わりの白百合を思わせて、なかなか官能的ですね。
いま、ものすごく甘い香りの白い花の木が咲いてると思ったら、なんと臭木でした。花はこんなに甘いのに、臭い実の方で呼ばれちゃうんですね……
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by macchi73 | 2020-08-10 06:00 | (庭の植栽)夏の植物 | Comments(2)

東京の住宅地で試みる素敵ガーデン・ブログのはずだった。なのに昆虫の記事がダントツで多い。虫 & 植物 & 子供の記録。本は殆どブログのアフィリエイトポイントで買わせてもらってます。感謝!/【※】画面最下部の「表示モード」でPCレイアウト選択後、もう1回リロードすると広告無しにできます。


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