2018年 06月 13日
死んだ花の匂い
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夕方、銀ブラ。仕事だけど。

訪問先の店舗の後ろの事務用エントランスからビルに入ったら、シックな色のふかふかの絨毯、歩いても足音は立たず、ガラスの壁の向こうにキラキラする家具が並んで部屋いっぱいに花が飾られている。人の出入りと共にフワッと流れて来た香りは、少し饐えたみたいなうっとりする匂い。切り花だからかな?庭に生えている花とは違う匂いだ。ひっそりざわざわする人の間を通りぬけて、通りに出た。

薄暮の街は彩度が下がって透明な藍色に染まり、お店からの光が金色に通りを照らしてる。湿度が高いけどまだ暑くはなくて、夕方の風が気持ち良い。

すれ違った美人から、またさっきの香りに似た、古くて甘いような花の匂いがした。そっか。これって香水の匂いか。篭ったような生暖かいみたいな匂いだな。

家に帰ったら、庭で百合が咲いてた。甘く濃厚な香り。でも、生きて咲いてる花の香りってどこか冷んやりして新鮮だ。人間からする花の匂いと違う。

香水、気怠くていい匂いだったなーと思って、ちょっと君、香水持ってたよね、もしまだあるなら嗅がせてくれよ、と末っ子に頼む。いいけど減らさないでね、大事にしてるんだから、と自分の部屋から小瓶を持ってきてくれたのを、蓋をあけてくんくん嗅いだ。昔は臭いと思ったのに、なんだか良い匂いに感じた。不思議。

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パフュームボトル ペンダント


6年前、小1の誕生日に「ナルニアの魔女が持ってた魔法薬の小瓶が欲しいんだよう!オモチャじゃなくって本物がイイー」と難題を言う末っ子に、首飾りタイプのガラスの香水瓶をプレゼントしたのだった。中身はシャネルNo.5のミニサンプルを入れた(それしか香水名しらないから)。


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by macchi73 | 2018-06-13 06:00 | 【その他】日記 | Comments(4)
Commented by うり豆 at 2018-06-13 16:17 x
湿りを帯びた黒い瞳の人妻三千代は雨模様の中、大きな百合の花を三本ばかり提げ訪れ、動悸を鎮めるため、鈴蘭の活けてある水を飲んでしまう、印象的な一場面、其れからは白百合は黒い瞳の漱石の女、
雑踏の中、すれ違った時、遠く過ぎ去った時や人をふと想いださせるのも匂い、大人びた友人は何時もディオールの佳い香りがしていたっけ、あの頃は「フィジィ」が流行りでしたが、
黄昏時の銀座を独りぶらぶらするの都会の贅沢でしょう、旧いビルや懐かしい通りや店がある銀座はやっぱり何時いっても心愉しい町。
Commented by macchi73 at 2018-06-15 19:42
うり豆さん、
だって、スズランは毒じゃないでしょう?と言われれば、いやあ毒じゃないかな?と思ってしまいます……。漱石の女性は、みんなちょっと謎めいていてやや変人ですね。

そういえば香水も、液体の色は綺麗だし薬の小瓶みたいで、飲めそうに見えなくもない。
東欧や北欧の映画で、ヘアトニックや香水みたいなのを飲んで酔っ払っちゃうようなシーンってありますが、それもやはり、だって香水、毒じゃないでしょう?ってとこですかね。
Commented by LB15 at 2018-06-15 20:27 x
色々なところでお仕事されてるんですね。
銀座で香ったのは文面からしてクロエのオードパルファム辺りかしら。

小瓶のシャネル、年月でまろやかになったのかも。
手持ちのものでもあれっと思う時があります。
まあ体調などもあるので何とも言えませんが、香りってつくづく不思議なものです。


Commented by macchi73 at 2018-06-15 22:02
LB15さん、
いえ、普段は朝から晩までずーっと自分の席に座りっぱなし、外出はたまにです。行き先は、けっこういろんな場所ですが。

香水、全然知らないからなー。
クロエとか、ディオールとか、響きだけで良い匂いがしそうだけど、どんな匂いか想像つきません。職場にも女性がいっぱいで良い匂いのオフィスとかあるから、今度聞いてみようかな。

年月で香りが丸くなるの、ありそうですね。
(でも末っ子はケチってあまり瓶を貸してくれないので、なかなか確認できない……)


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