【夏休みの自由研究】透明骨格標本を作る
2017年 09月 24日

ずいぶん前に友人家族に誘われて日本科学未来館に遊びに遊びに行った時のことだが、子供たちがミュージアムショップで初めて透明骨格標本を見て、魅了されてしまう。しかし小学生のお小遣いで買える価格帯ではなく、その時は残念ながら諦めたのであった。
そしたらこの夏、近所で小学生向けの標本作りワークショップを発見。夏休みの自由研究を兼ねて、参加してみることにした。
ということで、これまでは夏休みの自由研究といえば母娘である程度一緒に楽しんだものだけど、今年は娘一人での作業だった。まあ、もう小6だもんな……手を離れる年頃か。
【透明骨格標本の作り方】
http://yumeirokokkakudo.kamihata.net/toumeihyouhon/tsukurikata.html
(1) 標本となる生物をホルマリンに漬けて固定する(のちの分解作業中にバラバラにならないように)
(2) アルコールで体内の水分を置換
(3) 軟骨を、酸性染液で青く染めてから中和
(4) 酵素でタンパク質を分解
(5) 硬骨を、カルシウムと結合して赤くなる染液で染める
(6) 水酸化カリウムでタンパク質を溶かしつつ、グリセリンで水分を置換して透明化を進める
【透明骨格標本作製キット】
http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/product/education/skeletal_specimen_kit/index.htm
ワークショップでは、実際は何日も薬品に漬け込むところを3分間クッキングよろしく「はい、その状態で数日置いたものがコレになります」などとスキップして早送りで進めながら、解剖図に沿って魚の内臓を並べてみたり、各染液で染まる組織の違いをレクチャーうけたりして、標本作りの一通りの流れを学んだようだ。

その後、自分が実際に作業した魚は1ヶ月ほどで透明化が完了し、完成した標本を家に持って帰って、学校用の夏休み自由研究用レポートにまとめていた。インターネットやプリントで色々と調べながらも、時々手を止めては標本を眺め、「綺麗だよねえ……この魚を選んで良かったなー」とかニヤつく娘。「時間につれて、もっと透明になっていくんだってさー、楽しみだね」と言う。なるほど。水分をグリセリンに置換することで透明化が進むという話だが、瓶の中ではまだ置換進行中ってことか。
私なんかは、そのままなら腐敗や分解にむかう塊が、別物質による置換で一つの状態に固定されてしまうってのが、運動や時間を止めてるような、形だけ写して違う物になるようなで面白いなと思うんだけど(レーニンやロザリアの死蝋を思い出した)。娘としては、透明骨格標本というものの変遷の方に興味があるようで、そもそもなぜこのような技術が必要とされたのか、それが今ではアートのようになっているのはどういう事情なのか、というようなことについて調べて教えてくれた。親子でも興味を持つ点が違っていて、そこが面白いなと思う。

ちなみに、夏休み自由研究は、全校の子たちが見られるように学校のホールにしばらく展示されていたのだが、先日、透明標本の瓶だけ行方不明になってしまったようだ。
えっ、そんなの酷い!あんなに綺麗に出来てたのに!!と、強く慰めようとする上の子たちを他所に、まあ仕方ないね、と至って呑気な娘。はは。わかる。私も色々と執着薄いとこがあって子供の頃はよく怒られた。そこは似てんのか。
あれば嬉しくて何度も見ちゃうけど、無ければ無くても困らないものだしな。体験して覚えたこと、見て知ったこと、その感触とかは無くならないし。本体が無くなっても、あれ綺麗だったよなーって思い返せること自体が、自分の中の一つの標本みたいなもんだと思う。
グリセリンの瓶の中で透明化が進むみたいに、脳内の標本ってのも時間と共に置換が進んで、そのうちいつか、記憶の中で燦然と、5cmくらいの小魚も10cmくらいに育つはず。( ≈ 釣り人の釣果自慢)
魚だけでなく、昆虫、鳥類、哺乳類なども透明になる。
成分置換等の時間は大きさに比例するようなので、人間も透明化できそうだが、すごく時間がかかりそう。
骨格標本、ものすごく気になっていたのですが作れるんですね…!
色味がどんどん変化していくようですが最終的に赤ピンクっぽくなるのがデフォルトなのでしょうかね?青色が好きで、売物も綺麗なブルーのがあったのでそこで止まっていてくれたらと思っていたのですが…。難しいですね。
しかし何でしょう、ピノちゃんの反応、無頓着だけでなく「こんなに素晴らしいのだからみんな欲しくなっちゃうよね、仕方ないよね」みたいな達観さがある気がします。納得できる理由があるからそう思えるみたいな。大人ですね…。(←絶対に許せない子供)
最後の標本一杯は、macchiさんが作ったのですか?綺麗〜。
製作中の写真はピノ氏の工程ですよね?
最後のブルーのが、ビニールバッグにチャックが付いている様w
凡そ生き物に見えないくらいに、オブジェ感すごい。
うちの子も執着全くないのですよねー。
まあ、犯人探しや被害妄想強いよりも良い感じ。
作り方を知ってればまた作れるってわかってるなら、頼もしいですね。
色は、軟骨と硬骨で青に染まるか赤に染まるかが決まってるようです。
なので、青いのが好きなら、軟骨染色だけにすれば良いのかな。
色味に変化があるのは、染めた後に色素を洗い流したりもしてたようなので、そのせいかも……(←今回、自分で体験してないので、あまりよく分かってないです)。
ピノですが、まあ綺麗だし1年生とか欲しくなっちゃったかもなー、とは言ってました。でも、じっくり手にとって見た小さい子がどこに返すのかわからなくなっちゃったり、色んな人が見てるうちに、どっかに転がちゃっただけかもなーとか、結局「考えてもわかんないし。次はゴムとかでビヨーンって伸びるようにしよう」ってなとこに落ち着いてました。
だいたいが「まあ、実際のことはわかんないね」が合言葉です。(←単に適当)
> africajさん
はい、製作中の写真の手はピノ子です。
そして最後の標本は、ワークショップでピノが撮ってきた写真です。作ったのは、たぶん先生かな?私は今回の夏休み研究には、ちょっと脇で見学したくらいで関わっておらず……(つまんない!)。
写真だと骨だけに見えますが、家に持ち帰った標本を肉眼でよくよく見ると、肉は透明化してるだけで、骨の周りにそのままの形でついてるのが分かって凄く面白かったです。
執着ないのは、面倒くさがりやって性分も影響してると思いません?
良く出れば鷹揚、悪く出れば薄情になるのかなとか。
まあ、性質って良いも悪いも表裏一体ですよね。単にそういうキャラってことですね。
ヘッセの「クジャクヤママユ」の話を想い出しました、友人の持っている美しい蛾の標本に魅せられて盗み出してしまう・・
どうなんでしょうね?
でもビノちゃんのサラッとした処し方、粋ですね、想い出をいっぱい持った女人になられるんでしょう、
透明標本、小鳥なんぞは恐竜そのものだなぁ、骨って美しい、
ハンス・カストルプ青年が憧れのショゥシャ夫人の胸部X線写真に魅せられた様に・・
小紫の数珠玉が夕焼けに染まって綺麗なこと!
うわっ!前に同居してた友達が、いったい何を思ったのか、魔の山を夜な夜な朗読してくれたのを思い出しました……(シチュエーションの可笑しさが気になって、内容はあんまり覚えてない)。
そういえばレントゲンも、骨の周りに透明な肉の輪郭がうっすら見えて、なんとなく綺麗だなって思うことありますねー
