冬の野鳥と鳥媒花
2017年 02月 26日
冬の庭は虫も花も少なくてガランとした印象だが、鳥類は夏より多くやってきている気がする。草が茂ってない分、目に付きやすいだけかもしれないが。
今年は、庭の金木犀の幹の上をうろつくコゲラ(小型のキツツキ)を初めて見た。キツツキの住む庭なんて面白いから、居ついてくれたら嬉しいけどなあ!
この時期、庭で見かけるのは、メジロ、ヒヨドリ、シジュウカラが圧倒的に多い。どこにでもいそうなのに意外とやってくる頭数が少ないのは、カラス、スズメ、ハトかな。この傾向は、たぶん庭の花の蜜を目当てにやってくる鳥が多いからだと思う。ツバキやウメの花に頭を突っ込んで、顔に花粉をつけて飛び立っていくメジロをよく見かけるし。
そんな風に、虫がまだいない寒い時期に咲くツバキやサザンカは鳥に花粉を運んでもらう戦術をとっており、鳥媒花と呼ばれる。鳥媒花の植物は種類が少ないため、花にとっては同じ種類の植物に花粉を運ばれる利点があり、鳥にとっても他の鳥と餌の争いを少なくできる利点がある。
鳥媒花は、wikipediaなどによれば、次のような特徴を持つことが多いようだ。
- 鳥が止まりやすいようにしっかり固い花の作り
- 色は赤系(=鳥は赤をよく認識する)
- 虫を呼ぶための芳香は持たず(=鳥は虫に比べて嗅覚は弱い)
- 昼に花を咲かせ(=夜行の鳥ってそういないしな)
- 薄いが大量の蜜を出す(=鳥が満足する量をって感じか?)
- 花期が長い
蜜を大量に出す、という記述に心惹かれて、庭で咲いていたツバキの花芯に指をつっこんでちょっと味見してみたが、大量の花粉が粉っぽいばかりで味は殆どしなかった。虫の多い時期に、香り高く濃い甘い蜜を少量湛える夏の小花たちの方が、人間がチュッと吸って楽しむには良いかもしれない。人間の味覚は、あっまーいものに慣れてるからな。
ちなみに、私のように花粉を運ばないくせに花の蜜を味わおうという行為を、盗蜜という。
もう少ししたら咲き出す、裏庭のアンズの花に集まるシジュウカラやスズメ、ワカケホンセイインコなんかも盗蜜者たちだ。メジロやヒヨドリが、花に嘴を差し込み優しく蜜を吸うのに対して、盗蜜する鳥たちは、花ごと千切って食べてしまう。
【冬から早春に、庭で見かける鳥リスト】
ほぼ毎日見かける定住者は、多い順に、
・ヒヨドリ
・メジロ (*庭に巣もある)
・シジュウカラ(*庭に巣もある)
・スズメ(*庭に巣もある)
・キジバト
・カラス
毎日ではないがちょくちょく姿を見かけるのは、
・ツグミ(*動画あり)
・ジョウビタキ(年によって、メスが来たり、オスが来たり)
・ハクセキレイ
・ムクドリ
・オナガ
・ワカケホンセイインコ
一度、または数回見たことがあるだけなのは、
・ウグイス
・モズ(*早贄もたまに見かける)
・カワラヒワ(*公園で撮影)
・コゲラ(*公園で撮影)
ツバキって見るからにドライな印象ですが、そんなに大量に蜜を出すのですか?
虫と奪い合いの蜜取り合戦、案外真剣勝負なのですよね。
油断してると蜜持ってかれるからw
そうか、盗蜜の鳥と違って写真を見ると、メジロは嘴がストローみたいな吸いやすそうな形なのですねえ。
植えたとたん蝶が来たんで驚きました。
場所が狭い庭なのでわい性のあまり大きくないのしか植えれませんが香がものすごいですよ。
鳥は都会なのでシジュウカラが以前巣箱に住んでくれたぐらいです。今木を切り倒したので巣箱もないですが。
カラスやムクドリなどは来ますよ。
イエッス!気分で前言翻し派です。信用ならないとよく言われます。
つい最近、多様性指数の計算を知ったんで、庭の鳥でも計算できるかな?と思って記事を書き始めたんですが……。リストアップしてみたら、どの種をどの程度見かけてるか、印象で適当な数字を作れるほどにも覚えてなかったんで、あんまり適当でもマズイよなーと思って……気づいたら、全然違う内容になっていました。
ツバキの蜜の様子、ありましたよ。
http://ameblo.jp/muu8/entry-11226983610.html
正面からだと花粉ボサボサでドライな印象ですが、花托の底が壺のようになって薄い蜜を溜めていて、見るからに対虫じゃなくて対鳥って感じの構造ですよね。
ママりんさん>
蝶を呼ぶブッドレア、いいですね!
うちも以前植えたものの、藪の奥で生育が良くなくてそのままにしてたんですが、そんなに凄い香りならもっと良い場所に植え直さねば。香りのある植物、私も好きです!
都会は各ブロックが土の地面で繋がってないせいで、なかなか歩くタイプの動物は外からやってくることがないのが寂しいですが。
でも鳥と昆虫なら、転々とある緑地をつたって空中移動できるので、皇居等の大きな緑地や公園、神社の近くであれば、ちょっと工夫すれば意外にもかなりの種類を庭に呼び込めるのが楽しいですね。
うちの庭では去年コゲラが巣作りしました。
力が弱いのか枯れ木を選ぶことが多いようです。
1.5m程の高さだったので嬉しくて何度も覗いてしまいました。
夜は胸を内側から押し付けていたので、ふわふわを触りたい気持ちを抑えるのが大変で(笑)
巣立ちが見られなかったのが残念です、あの高さだから猫などにやられてないといいけど。
ワカケホンセイインコは見たこと無いです。
先日新宿御苑に行ったんですが、寒かったせいか会えず。
また来たら載せて下さいね。
コゲラってそんなに低いところにでも営巣するんですね。
私も見てみたいなー。
近所に枯木が並んで立ってるところがあるので、もしかしたらその辺に居ついてるかもと思えてきました。探してみます!
インコは割とちょくちょく見かけるんですが、高い場所にいることが多くて良い写真がなかなか撮れなくて悔しいのです。
望遠レンズが欲しいかも……。
薪の炎さん>
そうそう、日本には鳥媒花って少ないらしいです。ハチドリがいないからですかね。
風媒花って、なんとなく尻尾やコーン形の、花らしくない花が多いようなイメージなんですけど、どうなんでしょう……。
調べた訳ではなくイメージなんですが、花粉を飛ばすのは色んな花が多かれ少なかれできるとして、受粉する側も結構な面積でむき出しの形状でないと、風に頼るのって難しいかもと思います。
梅は虫と鳥の両方をターゲットにしてそうですね。
ヒラタアブの仲間は2月くらいから、梅や福寿草などの花の上で見かける気が。
葉蜜はカラスノエンドウのを見たことがあります。
葉の付け根の蜜腺にアリが集まってて、これが葉蜜っていうものかと思って見てたんですが、味見したことはなかったなー。ほんとに甘いんですね。
そして、アリがどんな虫を追い払うのか?何を思って草はアリを呼ぶのか!?
突き詰めて考えたことがなかったです。確かに、草にとって一番嫌そうなアブラムシを保護するんですもんねー。不思議かも。