木須川の洞門
2016年 08月 20日
レジャーに行こうと思って遠出した先が特別イベント日で入場できず(←いつものドジ)、山里をただぶらぶらと、お茶したり虫採りしたりしながら歩く。そしたら、辺鄙な場所で格好良い洞窟のようなものを見つけた。
看板によると、木須側の洞門とよばれる昔の隧道で、明治44年~大正2年に川の氾濫を防ぐため住民が4424円を集めて貫通させたものらしい。
明治44年といえば、明治の終わり頃。
夏目漱石、森鴎外、永井荷風とかの小説に出てくるような時代かな。洋装も珍しくはなかったろうけど、まだまだヨレっとした着物が普段着の感じかと想像する。坊ちゃんの月給が40円で、待遇として悪くないみたいな書かれ方だったから、1円=1万円くらいのイメージだろうか。そしたら4424円は、今でいう4500万円くらい?(←チョー適当計算)
住民でそんな大金を集めて、何年もかけて死者まで出して、ずいぶん苦労して掘ったんだなあ。
看板の隣を抜けて小径を進むと、そのまま洞門の方へ降りられるようになっていた。
水は透明で冷たく、小魚や蟹がいるのが見える。
トンネルの奥の方へと進むと、水流で岩が削れて、深い淵のようになっている場所もあった。
どこを見てもけっこう小さな魚影がチラチラとたくさん見えるので、飽きずに面白く眺めていたら、淵の岩陰に成魚サイズも1,2匹いるのを発見。いきなり子供達が興奮する。
で、試しに虫取り網を水中に差し込んでみるが、水圧を受けて網が非常にゆっくりヘロヘロ動くだけで、魚は素早く、当然ながら全く獲れず。
結局、最初と同じく、おのおのお好みの水辺にじっと佇んで気配を殺し、ぎりぎりまで近くに来る魚を眺めては、時々「来て、来て、見てごらん、こっちにいるよ!けっこう大きい!」など、静かに呼び交わすだけとなる。全員が、自分の見つけた魚影が一番大物だと思って呼び合う様はいとおかし。早起きしたのにイベント入れなかった、とっても暇な休日にはふさわしい過ごし方だねえ……。
洞窟の中は冷たい風があってひんやりしていて、意外なことに蚊も全くいなかった。岩を削って流れる水流が早くて、ボウフラの棲みかには適さないからか。
その代わり、羽黒蜻蛉と糸蜻蛉がフワフワ飛び回っていた。とても静か。
特に何があるって訳でもなかったが、洞内でぼんやり涼みながら川沿いにふらつく子供たちを眺めたりして、結構楽しい場所だった。
うわー、それはすごい場面に遭遇されましたね。
前に鳥類観察の会に参加した時に聞いたんですが、カラスは群れで行動するから強くって、一匹狼(鳥ですが)のタカやワシなんかはやられちゃうって聞いたことあります。雑食のカラスなんで、猛禽類を襲う理由はあんまりないと思うんですが、面白がっておっかけまわしたりもするそうです。
カラスって子どもの頃に拾って飼って凄く懐かれたんで、鳥の中で一番くらいに好きなんですが……なんというか、人間から見たら質の悪いとこもあるみたいですね。
あ、私も気が向けば割と適当に介入しちゃいますよ(虫とったりカラス拾ったりもそうだし)。ナチュラリストではないかもです。
なんていうか、人間が自然に介入したらまずいっていうのは、人間って組織的にとか大規模なことをできるから、その辺は自覚的になる必要があるってだけであって、個人が気まぐれで何かするのは、そんなに影響ないというか、それも自然の偶然要素の一つかなと思ったりです。
その猛禽類も生き延びて、危ないところだったのに、なんかよくわかんないけど人間が寄ってきてラッキーだった、命拾いしたなー、とか思ってるかもですね(そんなに人間みたいな思考ではないだろうけど)。
のどかで綺麗なとこですねー。散策すると、絶対面白いもの見つかりますよね。
夫の実家はもっと北なんですが、茂木・益子のあたり、なにかの時に一度ぶらついてから、綺麗なとこだなー楽しいなーと思って、帰省の行き帰りによく寄り道してます。
あ、この時は、やなにも行きましたよ。ちょうどアユが一匹飛び込んできて、周りの子供達、喜んでました。楽しかったー!
あと、この散策は、ハンミョウ見たいなーと思って、出そうなところ歩き回ってたんですが、見つけられなかったのでした。次はカジカガエルの時期に行ってみます!楽しみ!