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夜の昆虫標本、生き物を殺す、火星の動物学者『動物感覚』(テンプル・グランディン)

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最近リフレッシュのために夜の1時台には眠るようにしたら、やれることがいきなり少なくなってしまった。がーん。一日ってこんなに短いのか。

それでもあいた時間に何となくやっちゃうのが、深夜の散歩、ピアノの練習、生物系の調べ物とか。ちゃんと勉強しないとなーと机の上に置いてる仕事の本には、なかなか手が伸びないのに……。つまり、これが自分の娯楽なんだろうなと思う。

この間は、子供を誘って、ついに昆虫標本教室に行ってしまった。
それがとっても面白かったので、手持ちの昆虫の死骸を引っ張り出してきて、自宅でも標本作りをし始めたりしている。疲れた中年が、夜の書斎で。一人っきりで、虫の死骸を。これって、どうなんだろう。
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自然の中で生きて動いている生物を見て、図鑑で名前や生態なんかを調べるのは楽しい。それで子育ての様子を観察してみたりで勝手に親近感を覚えるようになった生き物がうちの庭にはいっぱいいて、毎年姿を見かけるたびに「あ、また会えた」と思う。

だけど、その一方で、自分には蒐集癖っぽい性質が強くあるのも感じる。他の生物を自分の楽しみのために使う。今は生物を見かけたら(殺す替わりに?)写真を撮っているが、とにかく数とバリエーションが欲しいんだ。データ蒐集癖。手元に保存して並べたいという気持ちが湧いてきて何となく恥ずかしくなるが、変わった生物がいると呼ばれたり、人から「これあげる」と綺麗な虫の死骸なんかをもらうことがしばしばあることを考えると、嗜好はだだ漏れなんだと思う。綺麗な標本とかを見るとワクワクする。でも、生きて動いてるのをわざわざ殺す感触を思い浮かべるとヒヤッとする。

そういう風に生物をモノ扱いしてただ蒐集したい気持ちと、庭のなじみのメンツそれぞれに感じる生きてる親近感と、両方あるんです!と、強く言い訳したい気分だ。
……誰にむかっての言い訳?って考えると、よく分からないが。

とりあえず、生きてる状態の生物を見ることは好きで、庭の害虫と言われるものでも殺したりしたことは殆ど無い。でも、このままハマるとぜったい子供っぽい蒐集癖が顔を出してシリアル昆虫キラーになっちゃうんだろうなー、それはどうかなーとか思ったりだ。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

とは言え、私は、生物は種によってかなり違ったように世界を見たり感じたりしてると思うので、死ににくい人間より、死にやすい昆虫などの生物は、もっと死や痛みに無頓著な作りをしていて、人間の個の意識とは全然異質なところで生きててるはずだとも思う。だけど、それでもやっぱり一回死んだら生き返らないとか、絶対的なラインでは共通するところがあって、一緒の仲間のうちなんだとも感じる。

何かを殺すということを考える時、いつも思い出すのは、この本。

『動物感覚』(テンプル・グランディン著)

著者は自閉症の動物科学者で、屠殺場のデザインなんかに関わっている。

動物にとても親近感を感じているっぽい著者なのに、屠殺場場デザインなの?って一瞬おどろくけど、できるだけ動物たちが恐怖を感じず、殺されるまで安らかに暮らせるような工夫を研究している。自閉症の自分と、動物たちの物の認識方法には共通点があると考えているようだ。

人間が雑食の機能を持つ以上、個人がベジタリアンになったりすることはあっても、人類の肉食がなくなることは無いだろう。食べられるための家畜という存在もなくならないだろう。

でも、グランディンの本の中に、「それでも家畜たちは毎日、楽しいことを待って暮らしている」って感じのところがあって(うろ覚え)、そりゃそうだ、生物なら皆そうだと、強く思った。どうせ殺して食べるからって、恐怖や不快の中で暮らさせるのは無しだよな……。せめて十全に生を味わった楽しい日々の後になら、生物は誰もが死ぬんだから、殺されたり食べられたりっていう死に方も終わり方の1つとしてありなのかなと思うけど(それでも殺されるの嫌だろうけど)。


また、人間に都合の良い性質を強めるための交配で、特定の種が、どんどん(望まれた面以外でも)偏りを強めて、健康や精神に変調をきたしてしまうこともあるという話は怖かった。外見の特徴を際立たせるために繰り返される選別交配で、種ごとの遺伝病を持つようになってしまったペットたちとか。とんでもなく成長や肉付きが良いけど、同族殺しの性質を発症してしまった家禽とか……。
そんな風に他の種に対して取り返しのつかない破壊的な改造を続けていたら、そのうち気付かぬうちに、自分たちの種も嫌な変質を遂げているってことがありそうな気がする。

それともう一冊。

『岸辺のヤービ』

このところ末っ子が、「このお話しとっても面白いんだよ、あのね…」と、夜の散歩やベッドでストーリーを教えてくれてる本。食べることに伴う殺生を思って物を食べられなくなる妖精的なものが登場したりする。
「パパは、蜂の子を育てて、それを家に持ってかえるとき、どんなきもち?」
 これをきいて、パパはちょっと目を閉じ、
「そういうことが気になる日も、たしかにあるね。そのときは、ごめんね、ってこころであやまるんだよ」
といいました。それから、ヤービをじっと見て、
「それで十分だと、パパは思うんだ。同じ、生きものどうしだからね」
と、しっかりした声でいいました。
「羽化がはじまったのよ!」
と、ママがさけびました。
「魚たちがそれをねらってとびはねているの!」
 キャリが体をななめにし、ヤービが下を見られるようにしました。カゲロウたちはよく見えなかったのですが、あちこちで魚が必死でジャンプしているのが見えました。その狂乱ぶりから、きっと虫たちは無数に飛んでいるのだろうと思われました。

「せっかく羽が生えたのに!空が飛べるのに!」
 ヤービがヨンのこと−−ヨンがいつか成虫になること−−を思い出して、哀しくさけびますと、
「でも、いいのよきっと。同じ生きものどうしだもの」
 セジロは、いっしょうけんめいな魚たちを見つめながら、パパ・ヤービのいったことばをつぶやきました。

斯様に、生き物は食ったり食われたりで回ってる……けど、人間ってまず食われないんだよなあ。生命の、持ちつ持たれつの仲間に入って無い感が凄い。それで色々と考えちゃうのかも。「生きるためのお互いさまじゃん?」って言えないからな。

きっと標本のための昆虫採集とか、物凄く楽しめる自分だろう……そのうちバンバンやりだす可能性も高い……そして、こんなテキストを残したことを後で決まり悪く思うだろう……とか分かりつつ書いておく。人って事後には自己正当化も麻痺もするからな。決まり悪さくらいは覚えて置くべきかと思う。殺しの後で美味しくいただいたり飾ったりする時、もし何か表明しなくちゃいけないとしたら、「(生命を)ありがとう」じゃなくて「ごめんなさい」だろうな。とりあえず、食べるものについては平飼いや放牧のものを選ぶ。




Commented by mu at 2015-12-03 02:03
データ収集癖、分かる気がします。ある物に興味が沸くと、それが属している(又は関わりのある)周囲全部を知りたくなりますよね。そして、どんどん範囲が広がってゆくとゆー…。しかし、自分で満足出来る範囲でコンプリート出来た時の達成感はきっと自分にしか意味の無いものなんだろうな、とか思います。

『手持ちの昆虫の死骸』という表現がmacchi73さんらしくてイイですね。
私にも手持ちの昆虫の死骸が幾つかありますが、ある時公園で頭の先から尻尾の先迄完璧な姿の蛇の抜け殻を見かけまして、写真を何枚か撮って現場を離れたんですけど、あまりにも完全でしかも50センチ以上もある大きさだったんで、遠慮がちに、そして少し気恥ずかしく、しかし我慢できずに、夫に「持って帰ってもエエかなぁ?」と聞いてしまいました。夫の内心(『そんなもん要らんやろ』)は分かり切っていたんですけど「欲しかったらエエんちゃう」と大人の対応をしてくれたんで、急いで戻って、妙に口数多くヘコヘコしながら素早く鞄に入れました。
他人からすればくだらない事なんでしょうけど、あの時持って帰って来て良かったなーと満足しています。
そんな物を持って帰りたがる自分が、大人らしく無いと自分で重々分かっていたので恥ずかしい気持ちになってしまったんですけど。あの時、一緒に居たのが夫じゃ無かったら、もしかすると持ち帰れなかったかも…。

ところで、アオはもう冬眠しましたか?
Commented by 薪の炎 at 2015-12-04 07:08
虫ですか。私も積極的に退治したりはしませんがごっそり発生してしまったときとか目に映ったとき、葉や実を食害するものだけを捕殺します。結局蛾や蝶の幼虫ということになります。ただ薬品は絶対使用しません。根絶は難しく、秋撒きした菜は黒や緑の幼虫を何匹か捕殺したものの悲惨な状況となりました。以前コメントしたアゲハは例外で、柑橘類についた三、四匹捕殺せずにさなぎにしています。野鳥の食害を防ぐためシンクのごみ取り用網袋をかぶせて保護しています。そのほかアリ、ダンゴムシ、ワラジムシ、クモ、虫ではないけれどカナヘビ等にはいっさい手出ししません。昨年はカナヘビの卵が見つかり孵化の様子を観察することができました。実は今年の春、冬眠から目覚めたばかりのカナヘビを誤って踏んでしまい。ちょっとだけ罪悪感を感じたものです。ダンゴムシ、ワラジムシは雑草や落ち葉を土に戻してくれる様子がよくわかります。さすがにわたしも虫等に情を感ずることまではありませんが、大事にしたいと思う気持ちはあります。今はだいぶ遅れて孵化したメダカの稚魚がこの時期になっても孵化した直後とあまり変わりないほど小さく、室内で保護飼育しているものの冬を越し来春には繁殖に参加できるまで育つのだろうかと見守っています。なんだか自分のことばかり書いてしまったようです。長くなりました。macchiさん、少し元気になられたようですね。それではまた。
Commented by たまやっこ at 2015-12-04 09:04
「岸辺のヤービ」気になる。。。

著者が「西の魔女~」の梨木果歩!
ますます気になる!!
福音館のHPに詳しいキャラクターの説明が==!!!
とってもとっても気になる!!

午後、本屋さんいきます!(笑)
我が家の大きい子供達へのクリスマスプレゼントにも
いいかも~

大学生&高校生の娘二人が、二~三日前、
「サンタさんに、何お願いしようかな~!」って
真顔でつぶやいておりました。
怖い!ゾクッとした(笑)

Commented by macchi73 at 2015-12-06 01:03
muさん>
ヘビの死骸!それはかなりのナマ物ですね……。
私だったらどうするかと考えて、いや持ち帰らないな、それは無い、と思ってしまいました(すみません!)保管方法は、やっぱり、瓶に詰めてヘビ酒にしたりしたんでしょうか。
旦那さん、鷹揚な感じの方で素敵ですね。

今年は暖かいので、まだアオの冬眠ベッドは作ってません。
やっとイチョウの落ち葉も出てきたし、たぶん明日の作業かな。

薪の炎さん>
薬品は使い方を覚えるのもけっこう面倒……という手抜きな理由で、私も使っていません。
そうすると虫目当てで鳥がいっぱいくるのは、嬉しい副産物ですね。綺麗な庭はちょっと遠くなりますが。

メダカや金魚は、やはり厳冬期は室内に入れるべきなんですかね?
うちは今年初めて、外の睡蓮鉢に稚魚がいる状態なんで、どうしようかと考え中でした。
日当たりを重視して軒下あたりに移動しておくか、温度の安定を重視して納屋に取り込んでおくべきか……。一度はちゃんと調べてみないとダメですね。

たまやっこさん>
岸辺のヤービ、子供に「これは久々の傑作だった!」と勧められて、私も昨夜読みました。
そしたら本当にとっても面白かったです!
絵も可愛いし、ちょっと大きめの子へのプレゼントにも良いと思います。

大きい子ども用のサンタは、確かに怖い!
Commented by macchi73 at 2015-12-06 08:29
あっ、muさん、すみません!
蛇の抜け殻ですね、それは私も欲しいです!
子供の時、父が大きな蛇酒を得意そうに持っていたり、ウチにも誰かが持ってきてくれた古い外国の蛇やら何やら漬け瓶があったりするので(←そういうの好きそうと思われてるっぽい…)、つい早とちりしてしまいました。
Commented by mu at 2015-12-06 18:31
いや、死骸の話からの流れなんで間違うのも無理ないかも…ですね。
流石に私も蛇の死骸持ち帰りは『絶対無い』です!生臭さが半端無さそうですもんね。

幼稚園の頃に部屋の隅で死んでいた小さなねずみが可愛くて、ハンカチをしまっている引き出しにこっそり隠し持っていた事はあります。すぐに母親に見つかって、あっと言う間に没収されました。

今年は記録的なエルニーニョ現象のせいで、暖冬で予想の出来ない天候になるみたいですよ。
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by macchi73 | 2015-12-02 01:44 | ★面白かった本など | Comments(6)

東京の住宅地で試みる素敵ガーデン・ブログのはずだった。なのに昆虫の記事がダントツで多い。虫 & 植物 & 子供の記録。本は殆どブログのアフィリエイトポイントで買わせてもらってます。感謝!/【※】画面最下部の「表示モード」でPCレイアウト選択後、もう1回リロードすると広告無しにできます。


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