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2017年 05月 26日
夜も歩けば
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夜、屋根にひっかかったものを取ろうとして塀によじ登って振り返ったら、庭の山法師の枝に星のような白い花がたくさん咲いてた。うわ。庭で一番の巨木である金木犀に飲み込まれてて、地面からだと全然見えなかったよ。びっくり。屋根をまたいで流れる枝に点々と白い花、天の川みたいで綺麗だ。庭からは見えないのが勿体無い。あ、そういえば山法師の白い花びらみたいな部分は葉が変化したもので、本当の花は真ん中の丸い部分なんだった。久々に花を見て、脳内に蘇る豆知識。

それから明日の朝食のために遅くまでやってるパン屋さん目指して夜散歩に出た。途中、暗い街角で釣り人に遭遇。釣ったばかりの釣果をお裾分けしてくれた。うはーラッキー。おかずができた。ずっしり重いビニール袋を持って、浮かれて夜の街をウォーキング。

帰宅して袋をあけると、丸っこくて可愛い顔の魚、黒々した平たい出っ歯の魚、それから細身の魚たち。うわー、でっかい!!大皿からもはみ出してしまう。魚は詳しくないので適当だが(名前きいたが忘れてしまった)、海釣り図鑑を見ると、丸っこいのがメジナ、出っ歯がイシダイ、細身はボラかなあ。
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メジナと思われる魚はフィッシュアンドチップスで食べた。ついこの間もタラで作ったばかりだが、メジナ(仮)もあっさりした柔らかい白身で美味しい。

それから次の日、イシダイっぽい魚は丸ごと一匹の甘酢あんかけに。皮が厚くてモチモチしてて面白い食感だな。イシダイ(仮)って、私は身よりも皮が好きかもしれない。

そしてまだ冷蔵庫にはボラ(仮)がある。これはどうやって食べようか。

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(ちなみに料理は全て夫の手による……)

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なんとなく、絵本『よるくま』で、お母さん熊が夜に天の川で魚を釣って帰るシーンを思い出して楽しくなっちゃった。星の魚。



「おかあさん おかあさん どこいってたの?」
ごめん ごめん。おかあさん おさかなつって おしごとしてたの。
ほら ごらん こんなにつれた。あしたの あさ たべようねえ。
この絵本、子どもたちも大好きだった。半分夢の中の雰囲気がよく出た絵。


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by macchi73 | 2017-05-26 23:55 | 【生物】魚・貝など | Comments(2)
2017年 05月 25日
薔薇ジャムとフレンチトースト
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ねえねえ、フレンチトースト作る時、前の日から漬け込んでおくとトロトロで美味しいんだって。たべてみたいねーと末っ子が言うので、やってみた。たっぷりの卵液に漬けて一晩置いとく。

翌朝、薔薇ジャムとクロテッドクリームをのせて二人で食べた。美味しい。飾りにしたアップルミントと香りゼラニウムもとっても良い匂い。他の家族たちはまだ眠ってる。

このところ毎日いそいそと、友達と一緒にすごく早い時間に登校していく末っ子。
なんでか知りたい?それとも知らずにとっておいてびっくりしたい?とクスクス笑いを我慢できない様子で聞いてきたので、もちろん聞きたいよと即答したら、えー、お父さんは謎のままにしておいて欲しいって言ったのになー、仕方ないなー、お母さんって聞きたがるよねー、と嬉しそう。

そして打ち明けられた内緒話に笑いつつ。応援のつもりで、お母さんは朝ごはんをちょっと頑張る。

颯爽と出て行く娘を見送って、しばらくのんびりして(しばしば二度寝)、それから出勤。春眠を貪る家族たちには、冷蔵庫に漬け込んだパンありフレンチに焼いて食べるべし、などと毎朝のメッセージを残しとく。

このような日々、夫は一度も起きて来ず。
毎日、行ってくるよと声をかけると、手のひらだけフラフラ揺れる。夫の起床って、何時なんだ。そちらはいまだ明かされぬ謎のまま。
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謎といえばこの漫画。

『魔人探偵脳噛ネウロ』(松井優征)

いかにも少年漫画って感じなので、40代女性としては多少読むのに気恥ずかしさを覚えるが、子どもと読んだら面白かった……。謎を主食とする魔人と、その助手の謎解き友情ギャグ漫画、か?
なんとなく、教育と成長ということを考えさせられた。

探偵モノは大抵そうだが、事件ごとに短編が連なる構成。
それらが広がって大きな流れを作り、最後の方で綺麗にスピーディーに収斂して完結するのは、もっと読みたかったなーという名残惜しい余韻があって良し。一見下手なようで意外と癖になる絵柄も良かった。漫画って、20巻前後のこれくらいの長さが一番満足感ある気がするな。

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by macchi73 | 2017-05-25 23:55 | 【庭】収穫、料理 | Comments(3)
2017年 05月 10日
春の夜の菜園
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夜が生暖かくなってきたので、夫が晩御飯の支度をしている間に草薮を開拓して菜園を復活させた。

草薮とは言ってもさすが元菜園。
地面に鎌を入れるたび、タイム、セージ、フェンネル、ヤロウなどが素晴らしく香って強烈に爽やか。このモジャモジャは雑草じゃなくてハーブだったか……。地面に這いつくばって、掘り返した土の中から雑草の根を取り除いてハーブだけ埋め戻しておく。

娘が寄ってきて「ピノはピクルスが食べたい」と言うので、ピクルスに使えそうな野菜の種を蒔いた。
夫が寄ってきて「俺はルッコラが食べたい」と言うので、ルッコラの種も蒔いた。まあ、ルッコラは多分その辺にも生えてるんだけど、もう雑草と混ざっちゃってよくわかんないんだよな。我が家はいつも、適当な場所の土を掘り返したらいきなりの直播き。それでもまあまあ、一夏分の収穫は望めると思う。

晩御飯は親子丼とお吸い物とサラダ。
どの皿にも巨大なミツバがふんだんに使われていて妙に香り高いな、ミツバ食だなと思ったら、「これ庭の。ミツバ、大量に生えてるね」と夫が言う。とても美味しいです。
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連休明けに一輪だけ咲いたと思っていたバラが、いつのまにかいっぱい咲いて、そこいらじゅう良い匂いをさせている。もうすっかり暗い中、近寄って数えてみたら二十輪以上も咲いていた。蕾もまだまだあるので、咲き始めの花は摘み取って念入りに洗ってバラジュースを仕込んでおく。夜中の台所で。
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それでクタクタになって、深夜もだいぶ過ぎ、お風呂入っておやすみなさい。
体は痛いが、満足感あり。春って楽しいよなあ。

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そこここに点々と咲いている小さなスミレの花や巨大なミツバを見て、先日読んだ本を思い出した。スミレが好きな女の子。

『こちらあみ子』(今村夏子)

主人公のあみ子は、今だと発達障害って呼ばれるのか?

でもそれとはまた別に、そういえば遠い昔はこんな風に友達関係もその他諸々もむきだしの感触だったよなあ……と、何かよく知った感覚が呼び覚まされるような。あんまり言葉を尽くして説明されないから、書かれてない生活や空気まで、かえって自分の手持ちの経験から広がりを持って想起されるのかも。こういう子っていたし、自分の中にも幾分かはあみ子成分ってある。

今村夏子って初めて読んだが、面白いかも。他ももっと読みたいかも。


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by macchi73 | 2017-05-10 01:00 | 面白かった本など | Comments(3)
2017年 04月 29日
シリアゲアリと、モミジニタイケアブラムシ(尻上蟻と、紅葉二態毛油虫)
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朝、リビングの床にごろんと芋虫みたいに転がっていた。仕事行きたくねー。
そしたら足元から「学校行きたくなーい」と声が聞こえて、見たら娘も転がっていた。

なんとなくため息をついて、そのまま棒のように転がり続けていたら、「でも庭が綺麗だね」と娘が言う。転がっているので、頭上にリビングの掃き出し窓があり、緑色の光が差し込んでいる。黙っていたら、娘がまた、特にお日様に透ける緑って綺麗で好きだなー、ともう一度つぶやく。

それで、アオーン!と狼の遠吠えの真似をしたら、クロックロックロックロッ!と蛙の声で応える娘。幼稚園の頃から続く暗号の一つだ。ふふ。

日に透ける緑を見に、庭のモミジの樹の下に立つ。
そして異変に気付いた。カエデの上、生きたアブラムシが壊滅状態だ。
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たまーに葉の裏に一匹二匹ぽつりぽつりと褐色のアブラムシがいるが、それ以外は白金色に光るまんまるのマミーばかりが死屍累々と……。どうやらこのモミジ界隈では、アブラムシより寄生蜂であるアブラバチの方が優勢のようだ。


緑のアブラムシとはだいぶ見た目が違うこのアブラムシは、モミジニタイケアブラムシっていう奴だと思う。翅のあるのと無いのがいて、翅のある方はコバエみたいな雰囲気だ。モミジの上で見られる二つの形態を持つアブラムシだから、紅葉二態毛油虫ということらしい。
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ちなみに、二つの形態というのは翅の有無ではない(それなら他のアブラムシもみんな二態ってことになるし)。

ニタイケアブラムシは、夏には越夏型という平べったい形の幼虫で夏眠状態になり、また秋から活動を始めるらしい。暑いのが苦手なのか?と思ったが、まだ展開しきっていない葉の上で生まれると通常の姿になり、展開しきった葉だと越夏型になるという記事があったので、葉の成分で形態の変化が起こされているのかもしれない。

そしたらもうそろそろ、越夏型の幼虫も見られるのかな?

気になって開いたモミジの葉の上をしばらく探してみたが、見つけられず。そろそろ出勤なので時間切れか。

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カエデの樹上では、アブラムシは(マミー以外)あまり見かけなかったが、小さな蟻がせわしなく行き交っているのを沢山見かけた。大きさは2mmくらいかな。かなり小さい。これまで庭で見てきた蟻たちとはちょっと見た目が違う。

ツヤツヤした尖ったハート型のお尻が目立つので、シリアゲアリではないかと疑う。でも、つついてみたが全然お尻を上げなかったから違うかもしれない。

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それで気になったのは、餌のようなものを運んでいる個体が多いんだけど……運んでいるそれ、ニタイケアブラムシのマミーを解体したものじゃないか?

アリってアブラムシを保護するもんだと思ってたんだけど、マミーになってしまったアブラムシはバラして食料にするんだろうか。中のアブラバチの幼虫を殺すことで、アブラムシ保護になるっていう意図もあるのかな?
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もしこれがシリアゲアリだとすると、蝶の幼虫やツノゼミとも共生してたりするみたいなんだよな。とても巣を探したく思ったけど、出勤時間ももうすっかり過ぎてるので(いつの間に!)、それはまた今度とした。

その身の上で色々楽しいものたちを養っていそうなモミジの木を振り返りつつ、後ろ髪引かれる思いで出勤。

小枝の上では、今まさに孵化したところっぽいテントウムシの幼虫たちも見かけた。
ただでさえ寄生蜂にやられて続々とマミー化されているアブラムシたち、大食漢のテントウムシたちまでやってきて、これから受難が続きそう。
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よーし、この連休はモミジの上を探検だあ!とワクワクしながら仕事をざくざく片付けてたら、緊急ヘルプ!と別部署の同僚が飛び込んできて、週末が吹っ飛ぶ。

あれ、でももうこれ締切だよね、ダメじゃない?と指摘したら、ううん、これは提出先がヨーロッパだから大丈夫なの、あと一日あるの!と言う姿に、不屈の紳士フォッグ卿を見る。おお。ジュール・ヴェルヌ、大好きさ。お伴するさ。

という訳で、今年のゴールデンウィークは、しょっぱなから、なにか世界一周的な。


小さい頃、一番最初に読んだ時は、日付変更線ってのがよく分からなくて、なにそれ、この地上でそんなタイムマシンみたいなことが!?と、ぼんやりした不思議な気持ちが残ったのだった。

その後少ししてから読み返して、「なるほど!」と、やっと納得。

でも、よくわかってなかった時でさえも、とても楽しく読んだ記憶あり。章タイトル面白すぎ。フォッグ卿格好良すぎ。冒険感満々すぎ。

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by macchi73 | 2017-04-29 22:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(4)
2017年 04月 06日
春の衣替え
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月に2回、子の習い事のお迎えに行く。
夜の街で、必ず一箇所だけ寄り道して帰るのが娘との約束。

本当はもう送迎なんてしなくても大丈夫そうだし、繁忙期は仕事が終わらなくて慌てることも多いんだけど。娘が一杯やりながら(←ソフトドリンク)、プハー!この時間が至福だねえ!この一杯のために習い事しているよー!という様子がサラリーマンみたいでおかしいので、小学校のうちは続けようかなと思ったり。

今日も夜桜が見えるお店で一杯やりつつ、この頃身長の伸び著しい娘に、週末には春服でも買いに行こうかと話したら、えー買うより作って欲しいんだけど!と叫ばれる。家にある材料でいいよ、そしたら節約だし!ピノがデザイン描くね!あ、もう思いついた、もう思いついたから!!と、あまりの意欲に、「いやあ、作るより買う方がずっと安いよ……工賃が一番高いんだぜ……」と怯む。

けど、うわーワクワクしてきたー!と目をピカピカさせて話し続ける娘の様子に、なにかホロリともさせられたりして。もうそろそろ気づいて良い年だと思うが、お母さん、別に手芸は得意じゃないんだぜ……通信簿は家庭科2だったぜ……どうみても縫い目はガタガタ、絶対に自慢の出来じゃないだろう……?

で、気づいたら、「よし、作りましょう!いえ、むしろ作らせてください!社長!」と固い握手を交わす夜。また近々徹夜の予感。ま、これも小学生のうちはだな。
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身長が伸びてもOKな子供服本。希少。


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by macchi73 | 2017-04-06 23:55 | 【その他】日記 | Comments(4)
2017年 03月 22日
氷の涯
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春だ庭だ花だとさんざ浮かれておきながら、家族をおいて一人で雪山なんか行ってる。

でも、雪山ですらもう春を感じた。

一面に広がる粗目雪が、クラックグラスみたいに陽光をキラキラと反射して春っぽい。真冬の雪のマットな質感とは全然違う。手にとって見ると、日中に溶けて夜にまた凍り……を繰り返して、小さなアイスキューブの集合体みたいになっているのが分かる。
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夜にも気温が下がらず無風状態のせいで、濃いガスが発生して視界が真っ白。
霧の白さは吹雪の白さとは違って、薄着でもほんのり暖かい感じがする。雪の上にウサギの足跡。幻想的でとても楽しい。夜の雪原でハイになる心。
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家族も一緒だったら良かったなーって時々思うが、でも一人の楽しさもあったりする。
まあ、家族全員、だんだんそうだろうな。
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地平線まで続く雪原を見ると常にワクワクしないか?夢野久作の『氷の涯』って、そんな感じ。



夢野久作っていえば、『ドグラ・マグラ』がチョー有名。

でも、『ドグラ・マグラ』、言うほど面白いか?面白くないことはないが、チャカポコ・インパクトによる過大評価じゃないか?という気がするのは、『氷の涯』の方がずっと面白いのになーって思うから。

シベリア出兵の下っ端一等兵が軍内の横領事件に巻き込まれ、濡れ衣を着せられ、どん詰まりになって、ロシア娘ニーナと氷の涯に逃避行するラストが凄く良い。二人とも死んでもいい(たぶん死ぬ)っては思ってるんだけど、その瞬間は未来はまだオープンなまま、スカッとした終わり方。スパイ・冒険・探偵小説の趣あり。

夢野久作って私の中ではB級作家ポジションなんだけど、氷の涯のラストの余韻だけは『グレート・ギャツビー』のラストに並んでもOKくらいの軽やかさと格調高さだと個人的に判定する。かなり好き。


註文した馬と橇はモウ下の物置の中に、鋸屑を敷いて繋いで在る。張り切っている若馬だから一晩ぐらい走り続けても大丈夫だと、世話をしてくれた崔が保証した。

僕等は今夜十二時過にこの橇に乗って出かけるのだ。まず上等の朝鮮人参を一本、馬に嚙ませてから、ニーナが編んだハンド・バッグに、やはり上等のウイスキーの角瓶を四五本詰め込む。それから海岸通りの荷馬車揚場の斜面に来て、そこから凍結した海の上に辷り出すのだ。ちょうど満月で雲も何も無いのだからトテモ素敵な眺めであろう。

ルスキー島をまわったら一直線に沖の方に向って馬を鞭つのだ。そうしてウイスキーを飲み飲みどこまでもどこまでも沖へ出るのだ。
そうすると、月のいい晩だったら氷がだんだんと真珠のような色から、虹のような色に、変化して眼がチクチクと痛くなって来る。それでも構わずにグングン沖へ出て行くと、今度は氷がだんだん真黒く見えて来るが、それから先は、ドウなっているか誰も知らないのだそうだ。

(中略)

「もし氷が日本まで続いていたらドウスル……」
と云ったら、彼女は編棒をゴジャゴジャにして笑いこけた。


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by macchi73 | 2017-03-22 18:00 | 面白かった本など | Comments(0)
2017年 03月 06日
梅の花 かばかりにほふ春の夜の やみは風こそうれしかりけれ
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寝室の窓から見える、梅の大木が満開だ。
朝も夜も、風がフワッと吹くたび馥郁たる香りと白い花びらが流れてくる。すごく綺麗で、見てると気分がすーっとする。

樹上も綺麗だが、地面も綺麗。散った花びらが桜貝みたいだ。

あ、例えが逆か。可憐な花びらに似た貝だから桜貝の名がついた訳だよな。
しかし梅貝と書いてしまうと、全然可憐じゃない貝になってしまうのは、なにか梅が不憫。そういえば、奈良時代までは和歌の中で花といえば梅だったのが、平安時代の途中から花といえば桜にとって替わられてしまったようだ。プリマ交代の趣。

一説によれば、平安京の中心部の植栽が梅から桜に植え替えられたことがその理由らしい。平安後期に書かれた日本最古のガーデニング書『作庭記(さいてくき)』にも、庭には桜を植えるべしとあるようだが、たぶん現代のガーデニングと同様、ハイソなお洒落ガーデンの最たるものである都の庭に憧れての桜ブームがあったんではないかと想像する。

流行りの植栽に弱いんだよなー。そのミーハー心、わかる。ガーデナーなんて、みんなそう(←偏見。単に自分がそう)。
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まだ梅の方が圧倒的に人気の時代があった。詠まれた歌の数は、梅が桜の2、3倍。

『万葉集』

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by macchi73 | 2017-03-06 21:30 | 栽培日記:春の植物 | Comments(2)
2017年 02月 11日
立春の候、世界の片隅で君の名を
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直行直帰の仕事で、いつもより少しゆっくり目に家を出たら、庭の梅が咲いていた。
花の満開はもう過ぎたっぽいけど、それでも庭を通って門扉まで、近くを通ればふんわり梅の香りがする。春だなー。

まだ寒い時期に「春だなー」って思うのって、なにか新品感があって嬉しいもんだ。新春とか立春とかいう言葉の、めでたい感じ。

先月今月は、一人でいろいろと馴染みのない場所に行く仕事が多くてちょっと楽しい。

昼間乗り物に揺られて遠くまで足を伸ばしたり、いろんな人に話を聞いたり、珍しい設備使わせてもらったり試験受けたり、いつもと少し違う動きをしていると、仕事もそろそろ飽きたと思ってたけどやっぱり楽しいかもなと思ったり。一人で移動すること、シーンとした知らない建物を歩きまわること、ずらっと並んだ資料や設備を見ることが、けっこう好きかもなと思う。あまり仕事の本質に関係ない部分なので、そんなに人には言えないが。

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出先からの帰り道、以前よんで面白かった漫画の映画がやってたので観て帰った。

『この世界の片隅に』

原作つきの映画って原作の方が面白いことが多いけど、これは映画もかなり良かった。

特に、小さい子の悲しい場面の表現が、映画ならではの見せ方で、派手ではないのに衝撃的だった。

振り返れば、喪失したものたちとの過去も含んで、この世界が続いていくのは美しい、かも。



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そのちょっと前に子供と観た映画のことも思い出した。
どっちも「喪失に対してどうするか」を含んでいる部分で、少し共通するところもあるような、無いような。

コメントにも書いたが、二つの映画で解決方法が全然違うのが面白かった。

『君の名は』

現実には絶対に起こりえない「あの時こうだったら……」の実現が許容される世界の話だった。その時点で「え、それアリなの?」と、私は少し脱落気味。

が、実は喪失の痛みの最中にいる場合は、こういう物語が心惹かれたり癒やされたりするのかも?と、後で思い直したり。無くした場所、無くした人の、そうではない未来が生き生きと実現される世界を夢想する……。

そういう意味で、失われなかった世界の物語、取り零した分岐の先の物語も、この世には必要なのかもしれないね……とか言ったら、息子にはそういう話じゃないよ!と強く言われた。息子は監督のファンっぽい。適当な見方ですまない(←脱落してたからな)。


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by macchi73 | 2017-02-11 23:55 | 書籍など | Comments(2)
2016年 12月 25日
クリスマス卒業
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いつもは早朝から子供3人でくすくすガサゴソうるさいクリスマスが、今年は静かなものだった。
というのも、サンタからのプレゼントが末っ子にしか届かないという事態が初めて発生。上の双子たちは揃って成人に達してしまったからね、もうサンタ的には子供じゃないんだな。

午前中、二階に上がった末っ子がいつまでも降りてこないので見に行ったら、ベッドに埋まって顔を隠していた。どうやら今年のクリスマスはそんなに嬉しさ爆発の朝ではなかったようだ。なんだよ今年のプレゼントはピンと来なかったの?と聞いたら、それもあるけど(うわ)そういうことじゃない……と、顔を隠したまま布団に潜り込む。しばらく一緒に隣に寝そべってたが、なんとなく、気持ちは分かる気もした。

お昼、大学生の長女と一緒にランチの買い物に出る。
お日様が燦々と照る中、二人で小さいお店を色々見て歩くのは楽しいが、街全体も例年よりのんびり落ち着いていて、なんだかクリスマスの賑やかさが少ないみたい。それとも自分の気持ちの投影なのかな。

お店を見ていた長女が、「あ、これピノ子にそっくり」と言う。
見たら廃材から作った小さなロボが籠にいっぱい入っていて、全部デザインが違って面白い。中から3体、きょうだい其々にそっくりなロボを探し出してお土産に買って帰る。
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帰り道、むかし双子たちとよく散歩した道を歩いていたら、当時の小さな双子の柔らかな様子が鮮やかに目の前に浮かんできて、懐かしさにぶん殴られたみたいで少しクラクラした。あの時のチビスケたちと、今の大人になった双子たちは、同じ人間だけど同じではない。あのチビスケたちは今も君らの中にいるのか?

子供3人、いつもくっついてキャアキャア騒がしく転がり回って遊んでたのは、たぶん時間にしたら7, 8年くらいのもので、家族全体の歴史の中ではそんなに長い期間ではないと思う。でも多分、これから「家族」って聞いた時に思い浮かべてしまうのは、その賑やかでうるさくて大変だった短い期間のことなんだろうなあと思ったり。特に、生まれた瞬間が賑やかさのピークで、遊び相手の二人に一足先に巣立たれてしまう末っ子にとっては、これから色んなイベント縮小が続いて、少し寂しいのかもな。

ロボットを見るなり、うわー!Shiftキーのが欲しいけど、オレンジのをとるのを期待されている気がする!!だって見るからにオレンジがピノでピンクがレイクでシフトがマリオに似てるもん!と笑う末っ子。
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機嫌は直って、大学生が自分たちの用事で出かけるまで一緒に遊んだりプレゼント交換したり。若者たちは忙しいねえ。ピノもそのうちそうなるんだね。お楽しみ。

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ショックの一因でもあったかもしれない、なにかいつもと毛色の違うサンタからのクリスマスプレゼント......。これも何かからの卒業を意味するのか!?

『新版 学習まんが 日本の歴史』

でも午後になったら、楽しそうに読み進めていた。

歴史好きではないかもだが、本好き、漫画好きだもんね。


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by macchi73 | 2016-12-25 23:55 | 【その他】日記 | Comments(2)
2016年 12月 22日
ツムギアリ……じゃなくて蛾の巣網
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散歩してたら、椿の並木に、葉っぱを糸で綴った何かの虫の巣のようなものがあった。
サイズは小5の握りこぶしくらいかな。けっこう大きくて、ずっしりしてる。

糸が密に張られていて中はよく見えないが、覗き込むとみっちり、ごしゃごしゃと何かが詰まっている。手に持っていた小枝でちょっとだけ表面を裂いて中身を見てみようとしたが、糸で編まれた表面は弾力があって、枝でグイグイ突いたくらいでは傷つけることはできなかった。

春にオビカレハの幼虫(天幕毛虫)が作った巣の残骸なのかな?とも思ったけど、その割にがっしりしてて状態が綺麗な気がする。それに、オビカレハがつくのはバラ科の枝の又部分が多いっぽいけど、これは椿の葉っぱ部分だし。違う虫の巣なのかも……?

気になって、指で裂いて中身を見ようとしたら、一緒にいた夫が、嫌そうに「やめた方がいいよ」と言う。かわいそうって意味かな?と思って、ほんのちょっと裂いて覗くだけだから大丈夫だよ、すぐ戻すし、と言い訳したが、「もう……いいよ、行こう!早く!」と、物凄く嫌そう。なんで?と聞いたが、いいから!と、取り付く島もない。

それで追っかけながら、「なんでよう」「いいから!」のやりとりが繰り返される、あー、これは子どもたちと夫がよくやってる問答だ……。妻、子供ポジションに堕ちたり。がーん。

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で、家に帰って、謎の巣のことは忘れて、蟻関係の本をいろいろと読んでた。

そしたら本に出てきたアリの話を読んで、「えっ!あれってツムギアリの巣じゃないの!?」と胸がワクつく。

が、もっと調べたら、ツムギアリの分布は主に東南アジアで、日本だと琉球諸島に仲間がいるくらいらしい。うーん、じゃあやっぱりなんかの蛾なのかなー。ううーん、開いてもっとゆっくり見てくれば良かったなあ!
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→ 結局、気になりすぎて、もう一回見に行った。それで、おそらく幼虫で越冬する蛾の巣網らしいのはわかったが、詳しいことは調べ中。マエジロマダラメイガかなあ? アリじゃなくて、ちょい残念。

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なんでそんなにムリヤリ蟻の巣にしたい気分なのか?

それは、先日読んだ『裏山の奇人』(小松貴)が面白かったので、それ関係で、好蟻性生物の調査をしてる人の本などいろいろ読んでるところだから。

『昆虫はすごい』(丸山宗利)

昆虫についてのアレコレを、網羅的に順を追って説明してくれてる感のある一冊。読み終われば、色んな切り口で、昆虫というものをざっと見渡した気分になれる。

「あー、これ知ってる!読んだ or 自分でも見たことある!」って話と、全然知らない面白い虫の話が良い感じに入り混じってて、そんなに詳しくはないけど虫に興味ある人(=私)や子どもたちが、飽きずに読める内容だった。

一つ一つの項目は短くあっさりしてるので、よく知らなくて面白そうな部分については別途もっと詳しく調べたい感じが残った。



……で、せっかくだから好蟻性生物についてもっと知りたいと思い、続けて同著者の『アリの巣をめぐる冒険』も読んでみる。

『アリの巣をめぐる冒険―未踏の調査地は足下に』(丸山宗利)

こっちは著者の専門の好蟻性生物にフォーカスをあてつつ、学者としての歩みも分かる本。『昆虫はすごい』は虫自体の話だったが、こちらの本は、虫と、虫をめぐる昆虫学者の話という感じ。

昆虫の研究に関わる色んな人や場所が登場するが、その中に出てくる人の名になにか見覚えがあり、よくよく思い出したら、前にこのブログで変な虫を見つけたときに種名を教えてくれた当時大学院生の方だった。びっくりした。すごい!
本の趣旨とはちょっと離れるが、遠い憧れに思っていた昆虫研究話が少し身近に感じられて、なんだか嬉しく。


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by macchi73 | 2016-12-22 22:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(2)