タグ:天体 ( 4 ) タグの人気記事

2017年 04月 18日
夕暮れの緑の光
夕方、空を見たらカラフルだった。

東の空は薄青。そこから上空を流れる雲は薔薇色で、西の地平は夕焼けで橙色に染まっている。沈む太陽はちょうど雲で隠れて光芒しか見えず、その雲の下で区切られた空の一角だけ、クリアな緑色に光っていた。

緑色の光ってあまり見ないから、しばらく見とれてしまった。
e0134713_00375422.jpg

太陽から地球に届く光は、大気圏に突入するなり大気中の窒素や酸素などの分子や細かい粉塵にぶつかって、波長が短い光から順に四方八方に拡散しては消えていく。なので、空の色って、自分が光の散乱度合いのどこにいるかによって見え方が変わってくるのだと思う。

可視光線の波長は、短いものから順に、青紫・藍・青・緑・黄・橙・赤だ。
だから太陽光線が大気圏に入ってすぐの空の色はきっと青紫~藍色で、それから真っ青になり、段々と緑が混ざった水色のグラデーション、もっと進むと黄色~橙色になって、最後は赤色光だけが残り、その先は人の目に見える光は消えてしまうんだろう。

ふだん緑色の空をそんなに見かけないことから考えると、青と緑の光は重なり合いながら水色の濃淡を作り、ほぼ一緒に拡散しちゃうのかもしれないな。その、青色が届かず緑色だけが残ったポイントがあの一角なのかなとか考えて眺めてたら、大気圏をあっちこっち散りながらの光の道のりが想像されて、ちょっと楽しくなった。

それかまたは、単に太陽の前にかかった雲がプリズムみたいな分光器の役割を果たして、緑の光を分離して見せてるだけっていう可能性も高いかな?緑の光だけが何か唐突な感じでポコッと雲の下に隔離されてる様子を見ると、そっちの方が正しそうな気もする。

詳しくは、こんど早く帰れた日、子どもと屋根の上で考えてみよう。

* * * * * * * * * * * * * * * * * *

子どもと一緒に空の色について考えるための覚書
参考サイト:

【光の波長と散乱】
イメージとしては、こんな感じか?
本当は、光っていうモノがそのまま遠くまで届くっていうよりは、電子の運動リレーで進んでいるように見えるだけという話も別のとこで読んだので、細かく見ると、もっと複雑なんだろうけど。水面の波もそうだけど、波形って成分自体が移動してるっていうよりは、エネルギーの移動なんだろうな。
e0134713_00415061.jpg


【光の波長と粒子のサイズ】
●可視光線の波長:赤700nm〜青紫400nm
●窒素:0.36nm
●酸素:0.34nm
●二酸化炭素:0.33nm
●一般的な雲粒:1000nm(=0.01mm)


【反射と散乱】
光は面にぶつかると反射する。しかし、自分の波長より小さな粒子にぶつかった時には反射せず、散乱しながら通り抜ける。光の散乱が少ないほど、光は遠くまで届く。

(A)粒子の大きさ<光の波長 → レイリー散乱(短い波長の光ほど強く四方八方に散乱される)
(B)粒子の大きさ≒光の波長 → ミー拡散(波長に関係なく、光の進行方向へ散乱される)
(C)粒子の大きさ>光の波長 → 反射(物体は反射された光の色に見える)

ふだんの空の色に影響するのは、主に(A)のレイリー散乱。
地球の大気を構成する窒素や酸素などの分子は光の波長より小さいため、大気中では、まずは波長の短い光が強く散乱する。空気中をさらに長く光が進む場合、より遠方まで届くのは、散乱されにくい波長の長い光となる。

以上のことから……

●昼間の空は青い:
昼間は太陽光の入射角が高く、地上までの空気の層の距離は短いので、より多く拡散されている波長の短い光(青紫・藍・青・緑)に染まって、空は青系に見える。

●夕焼け空は赤い:
夕方は太陽光の入射角が低く、人の目に光が届くまでの空気の層の距離が長くなるので、波長の短い光(紫・青)は拡散しきってしまう。そのため、拡散しにくい波長の長い光(黄・赤)だけが人間の目に届いて、空は赤系に見える。

●曇りの空は白い:
雲を構成する水滴や空気中の塵などは光の波長より少し大きいので、レイリー散乱ではなく、ミー散乱が起こり、全ての波長の光が等しく散乱されて空は白っぽくなる。

ちなみに、雲の隙間から太陽の光が柱状にさす薄明光線も、光の進行方向へ強く散乱が起こるミー散乱のせいっぽい。あれも綺麗なものだよな。
e0134713_00442271.jpg

* * * * * * * * * * * * * * * * * *

旧約聖書のエピソードから、薄明光線はヤコブの梯子(ジェイコブス・ラダー)とも呼ばれる。


『ジェイコブス・ラダー』

自分は夢を見ているのか?狂っているのか?どこにいるのか?という恐怖と混乱の場面の中に、時おり唐突に静かな幸福の場面が挟まれる。

今だとわりとあるような映画かもしれないが、当時は結構ショックで、かなり好きだった。

陰惨な話が得意なウィリアム・ゴールディングの『ピンチャー・マーティン』に似た構造の話だけれど、ジェイコブス・ラダーの方は、悲惨の中のハッピーエンドだと思う。

この映画の中のマコーレ・カルキン、すごく良い。懐かしい子供のイデア。

天使みたいな人がいう。地獄で燃えているのは人をとらえて離さない愛着や思い出だ、それらは全部焼き尽くされる、でもそれは人を罰するためじゃない、それは……ってのは、多分本当にそうなのかもなと思うけど、それでもやっぱり、最後まで探し回って掻き集めちゃうだろうな、私も。


[PR]

by macchi73 | 2017-04-18 23:55 | 【こども】自然学習、自由研究 | Comments(7)
2012年 05月 21日
こどもと金環日食
e0134713_2271058.jpg

いつも朝寝坊な息子が早起きして、日食観察の準備をガタガタやってる。
私も末っ子と観測準備しようとしたが、2つ用意しておいた日食眼鏡が1つしか無い。
慌てて探し回るが、見つからない。がーん。

仕方ないので日食眼鏡は末っ子に譲り、私は急いでピンホール板を作成した。
夫は園芸用の黒ビニールシートで何か準備している。
この手のものに興味が無い長女だけは「今日のご飯、良いねえ!」と一人でパクパク食事中(観測に集中できるよう、昨夜、具沢山のパウンドケーキなどを作っておいたから)。

父、母、息子、末っ子、それぞれの観測方法。
一番エキサイティングな観測結果を得られるのは、どれだ!?


e0134713_21313185.jpg私の即席ピンホール。

よくよく見ると、全部の穴が同じ形に欠けてるのが分かって面白いが、迫力に欠ける。
日食眼鏡で見るのとは、欠け方が反対になるんだな。なんでだろ。

e0134713_21322957.jpg
末っ子はオーソドックスに日食眼鏡を使う。

「おー、欠けてる欠けてる!」という声を聞くと羨ましくなって、時々交代してもらう。やっぱり眼鏡を通して直接見る方が、感動は大きい。


e0134713_2133930.jpg夫は黒ビニールを重ねて、カメラで撮影。

それって目を痛めるんじゃ……!?と聞いても、いや子どもの頃からこれで太陽見てるから、と自信満々だ。

でもなー、小さくないか。

e0134713_21334177.jpg
息子(マリオ)は、天体望遠鏡を経由して天井に太陽を投影。

段々欠けていく太陽……。
うわー、これは見応えがある!!

結局、夫を除く全員が息子の部屋に集まって天井のスペクタクルを見ながら、交代で日食眼鏡を使うことになった。


太陽がちょうどリング状になった時、近隣からも「おおー」って声が聞こえてきて、笑った。
どこでもみんな観察してんだなー。

すごいじゃん!やるじゃん!と息子を絶賛している最中、部屋隅に私の日食眼鏡がバラバラに壊れて落ちているのを発見した。
ん?これは……?
慌てて「あ、それも観察に使おうと思って」と目をそらす息子。がーん。
さっき探しまわってる時に何か言ってくれよー!

e0134713_21421251.jpg天井に投影だけじゃなく、手元でも見られて面白い。

いつもは生意気な末っ子も、「マリオ、凄いなあ!」なんてちょっと尊敬の一言。


* * * * * * * *

日食観察に於いて、息子が父親を超える瞬間を目の当たりにしてしまった今日。
夫だけ、悔しそうにして知らんぷり。なんと。これは男の戦いだったか。

我々大人を超えつつあるティーンズの親をやっていると、そこここに小さな葛藤はある。
でもそんな次元を軽く超えてしまっている、面白い親の書もあり。
たまーに読み返しては、励みにしたりする。

『育児日記』(山田風太郎)

育児をしよう!という気負いはゼロの、子ども観察日記。
山田家の日常が淡々と綴られているだけ。

それもそのはず、元々育児日記として書かれたものではなく、風太郎が自分の日記から、子供に関係する部分を抜き出して巣立っていく子供に贈ったものだそうだ。

子どももそうだが、子供の周りの大人(奥さんとか)の描写が多くて、そこが何となく良い感じ。

これを貰った子供は、きっと面白く読んだんじゃないかな。
自分が小さい頃、世間は(& 若かりし親たちは)こんな感じだったんだーってのは、誰でも興味ありそう。

それに、膨大な日記から子供に関する部分だけをチマチマ抜き出している父・風太郎の姿を想像するとかなり笑える。子供もきっと笑ったと思う。


『娘に語るお父さんの戦記』(水木しげる)

水木しげるの戦争体験記。
これも別に父親視点が入っている訳ではなくて、ただ地の文の一人称が「お父さんは……」になっているだけって感じがする。
「お父さんは」を「私は」に変えても全く違和感無いが、まあ多分、娘に語りたかったんだろう。

戦争の怖さというより、不快さ・不自由さが伝わってくる。
若いお父さんが怒られたりいじめられたり(本人全然気にしないが)死にそうになったり、とぼけた友情を育んだり。
そんな本を読んだ子どもは、「はは。お父さんってバカ。戦争って嫌。」とか思って、なんか気楽に人生楽しんで行けそう。


『シズコさん』(佐野洋子)

これは前述2冊と打って変わって、親子の葛藤満載の本。
筆者が子どもの目線で母親を綴っている。
相手を離れたところから観察する面白い視点は無くて、もう恨み辛みにまみれた一騎打ちって感じ。読んでいて、やや胸痛い。

登場人物の性格もあるだろうけど、子どもとの距離として「子ー母ー父」ってのがありがちだから、母子には確執が生まれやすいのかなあ。怖いな。

でも、最後の最後で執着を昇華できて、子ども側が少し吹っ切れてるのを読むと、なんとなく救いにならなくもない。多少親子関係に失敗しても、子どもの側には最後までチャンスがあると思えば。

でもやっぱ、大人から子供への影響って大きいもんだと思うので、子どもの貴重な時間を、あまり葛藤消化にばかり使わせないような大人ではありたいもんだと思う。それが難しいのかもだけど。


[PR]

by macchi73 | 2012-05-21 22:15 | 【こども】自然学習、自由研究 | Comments(4)
2011年 12月 10日
皆既月食
e0134713_23241982.jpg

土曜の夜の皆既月食。しかも晴天!
庭に望遠鏡を出して、子供たちと観察した。

どんどん欠けていく月。欠けるに従って、赤くなって行く。
皆既状態の時には、まるでレッドタイガーアイみたいな、3Dシールみたいな、不思議な輝きだった。

「あらー!これは良いもの見た!」と、年配者っぽい喜びの台詞を洩らす末っ子。
息子はひたすら天体望遠鏡をセットして、写真撮影したり、他の人たちに覗かせてあげたり、皆既月食の仕組みを滔々と説明したり(でもあまり誰も聞いていない……)。
我が家で一番アウトドアから遠い長女まで、ちょくちょく外に出て来ては観測に参加している。

e0134713_233738100.jpg

月食撮影 by 息子。

肉眼だと、もっとずっと赤いんだけどね。写真って難しい。


ぐんぐん広がる、これが地球の影なんだなーと思ったら、なんだか月の地面に立ってる風景まで想像されてくる。
月から地球を見たら、黒い地球に金環がかかってる様に見えるのかな?
きっと月の空に浮かぶ地球はブヨっと巨大で、もの凄い迫力に違いない。

そうして我が庭を見渡すと、月明かりの中、あちこちに植物のための霜除け透明ドームが建ってるし。
ここは異星で、ドームは星間移民用のドーム型都市で、空に浮かぶのは赤い衛星なんだ……とか想像して遊ぶ。

他の惑星も、こんなに近くで見られたら面白いだろうなあ!

……なんて想像していたら、むかし読んだSF短編を思い出して、ちょっと胸が苦しくなった。
緑と青の地球って、本当、宝石みたいなもんだと思う。
ここに生まれて良かった。

『さあ気ちがいになりなさい』

フレドリック・ブラウンの短編集。
遭難して、風景がオレンジ一色の異星に辿り着いてしまった宇宙飛行士の物語が収録されてる。

その宇宙飛行士は精神的にタフなナイスガイで、オレンジ色の世界でたった一人でも希望を失わず、救助を辛抱強く待ち続けるんだけど……オレンジだらけの風景の中では地球の自然の緑色への渇望がどんどん強くなって行く。で、空中に光線銃を発射するとオレンジの補色としてのグリーンが残像として見えるので、それですこし和んだりしてる。

結末がショッキング。最後まで読んだ時、苦しくてたまらなくなった。

きっと感覚として、「緑色が見たい」は「水が飲みたい」に凄く似ていると思う。


[PR]

by macchi73 | 2011-12-10 23:29 | 【その他】日記 | Comments(2)
2009年 10月 03日
満月のスズメガ繭
e0134713_23201316.jpg
十五夜の庭に出たら、例のスズメガが繭を作っていた。
が、どうなんだろ、この半分体を晒した状態は・・・。
繭の製作中に力尽きたのか。

冷たい雨が続いていたからなあ。
作業途中で冷えきっちゃったのかもしれない。
冥福を祈る。


月に照らされた薮からはリーリーと虫の声がする。
庭のススキにはバッタがとまっていた。

e0134713_23224687.jpge0134713_23225926.jpg

でも、肉眼ではくっきり綺麗な陰影なのに、写真に撮ると、とたんにススキも月も存在感が無くなるなあ。肉眼って優秀。

なんて話していたら、夫が部屋に戻って三脚やら望遠レンズやらを運んできた。
600mm望遠レンズでの月の撮影を試してみようという。

e0134713_071938.jpgお、なかなか綺麗に撮れてる。(2009/10/03, 22:53 撮影)

e0134713_075420.jpgこちらは以前、子供たちと天体望遠鏡にミニデジカメをくっつけて撮影した月。(2006/10/07, 21:55 撮影)

2枚を比べるとクレーターの模様がずれてて回転具合が分かって面白いもんだねー、なんて夫に言ったら「これは望遠鏡だから反転して撮れてるだけだよ」と指摘された。

・・・あ、そうなの。ホントだ、よくよく見れば。
ってか、月は一面しか地球に向けないって、学校で習ったっけな。思い出した。


**************************

2010/1/9
このスズメガについては、てっきり繭作りに失敗したケースだと思い込んでいたが、「むし探検広場」の本日の記事中の「繭に巻き込まれるように蝶?蛾?の幼虫がいます」というリンクの写真を見て、自分が見たのはこれだったかもしれないと思えて来た。

はっきりさせようと思い、「スズメガの繭」で検索してみたが、そのような画像が見つからない。
それどころか、検索結果のトップはWikipediaの「ガ」で、その中には以下のような記述がされている。
蛹になる前に糸を吐いたりして繭(まゆ)を作るものが多く、カイコガなどはその糸が人間に利用される。 ただしスズメガ科の多くの種類など、繭を作らずに土中でさなぎになるものもいる。

もしかして、スズメガは白い繭を作らないものなのか?
私が見たのは、スズメガの繭ではなくて、寄生蜂の繭だったのか?
繭を見つけたのが夜だったのと、その後すぐに地面に落ちてしまったために近くで詳しく見なかったのが残念だ・・・。
[PR]

by macchi73 | 2009-10-03 22:56 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(0)