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2016年 03月 23日
子供のピアノ
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このあいだ観た舞踊で使われてたピアノ曲が良い感じだった。一緒に行った夫も、あのピアノ良かったね、ああいうの弾いてよと言う。でもクラシックじゃないし、ポップスっていうより古びた感じだし、分野は何になるんだろう?雰囲気としては、クリンペライとかパスカル・コムラードとかになんとなく似てたけど……。

そんな感じで色んなアルバムをゴタゴタ引っ張りだして聴いてたら、やっぱり電子ピアノだけじゃなくて物理的に叩いて鳴らす本物のピアノも欲しくなっちゃった。

で、買っちゃった。

……なんてな。トイピアノだけど。

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ピアノの音とは違うけど、これはこれで可愛くて良い。小さくて軽いので、外遊びのお伴にも。

ただし32鍵しかないからピアノ用の楽曲だと弾けるものが限られるみたいだ。トイピアノ専用楽譜が色々あるサイトを見つけたので(→DLmarket: mendel books)、Youtubeもお手本にしながら、可愛いものを幾つか練習中。



夜、仕事から帰って暗い庭に立つと、娘が弾いてるトイピアノの音色が小さく聞こえてきて、やたら懐かしいような切ない気分になる。拙い感じの音がかえって綺麗に聴こえるような、不思議な感じ。

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KAWAIのトイピアノ、パッと見、本物みたいで胸ときめく。ミニチュア好きの血が騒ぐ。


しかし、選ぶにあたって、憧れのグランドピアノにするかどうか凄く迷って、結局、アップライトにしたという……。オモチャと言えども、ついつい省スペースを考えてしまう東京の住宅事情や哀し。

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by macchi73 | 2016-03-23 23:55 | 書籍・CD | Comments(4)
2016年 03月 08日
春の芳香さんぽ(早く帰った日の夕方の)
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6時前に帰宅したら、まだ明るい。庭でボール遊びしている小学生たちが、薄着で「あ、おかえりー」と言う。気づけば夕方なのに全然肌寒さもない。この夕べのほの明るさ、暖かさ、もう春だ。

花の良い匂いがする。見たら、ローマンヒヤシンスの花で庭の地面が点々と青い。深呼吸して、肺いっぱいに香りの空気を吸い込む。ヒヤシンスだけじゃない、足元には水仙、少し先のお家の梅の大木、沈丁花の生垣、裏庭の白木蓮、色々な花が香っているようだ。うっとりする。
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ねえ、いま、色んないい匂いの花の時期だから、一緒にニオイ嗅ぎ散歩に行かないか?と小学生たちを誘う。そしたら、「うーん、行かない!ボールしてるから!」と元気いっぱいの返答。即答。なんとハキハキした子たちだ。了解。

それでその場を去ろうとしたら、末っ子が、「あ、きょう、生垣のとこのフキノトウ摘んだよー、友達とも分けたから少しだけど、今日食べようね!」と言う。キッチンのテーブルの上には、丸々したフキノトウがポツンと3つ。なんだか、何もかもが春を指し示している。
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そしてリビングへ行ったら、部屋じゅうピカピカで、夫が寛いでいた。うへー、どうしちゃったんだよ〜、すごいじゃん!と驚いたら、得意そうな顔で、まあねと言う。その澄まし顔にグッと来て、まだ明るいから二人で散歩に行かないかと誘ったら、「うーん、行かない…晩御飯の買い物してきて……」と、ここでも即答された。了解。

よし。だったら、距離を気にせずぶらついて来よう。
自転車で、お気に入りポイントの郊外の土手まで来て、上着を脱いで「シャツ一枚なのに寒くない!」と感動しながら、空が薄灰色になって、オレンジと青になって、藍色になるのを見た。頭の中で音楽を鳴らして、しばらくボーッとする。そして、やば、いつの間にか遅くなった……と、慌てて晩御飯を買いに、またチャリを飛ばす。

郊外の、木々と空の広々した感じって気持ち良い。で、そっから街へ繋がる黒くて滑らかな新品のアスファルトの道を自転車で滑るのも好きだ。それで、街に入ってからの、細かい路地にいっぱいお店や家が並んでキラキラ光ってて、雑多な人がざわざわ行き来してて、小さい子が駄々こねたりお母さんが怒ったりしてる声を聞くのも楽しい。
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晩御飯は、ゴロゴロした硬い肉がいっぱいのカレーにした。家族は柔らかいお肉が好きだけど、お母さんは硬い肉をチューイングするのが好きなんだ!そして、なぜかさっきより数が増えているフキノトウ−−「これ、美味しいんだよって話したんだけど、友達がやっぱりイイやって置いてったー」(by 娘)−−は、天ぷらにして食べた。ほろ苦くって美味しい、春の味。

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今日の散歩BGMは、末っ子と一緒に弾ける簡単で良い曲ないかなーと思って、一昨日に楽譜を買って練習し始めた曲。CDはまだ届いてないから、本当にこういう曲かはよくわからないけど(楽譜よめない母子……)、すっかり親子の鼻歌ソング。



同じ作曲家の方の楽曲が、こちらのショップサイトでいろいろと試聴できた。トイピアノ用の曲、鍵盤が少ない分、子供と並んで弾けて楽しいかも。

『TOY MONEY & A GUEST AT TABLE NO.3』(木太聡)

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by macchi73 | 2016-03-08 23:55 | 書籍・CD | Comments(7)
2016年 02月 26日
2月ぐだぐだ日記
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庭でクリスマスローズが一株だけ先に咲き始めてた。
10年前に小さな2株を植えたらどんどん増えて、いつの間にか庭の木陰に広がりまくったクリスマスローズだけど、去年の夏に庭の木を切ってガンガン直射日光に当てたせいか、今年はちょっと勢いがない感じもする。まあでも、他の株も咲き始めないとわからないかな。

たぶん今年の満開時期は、例年よりちょっと早めで、来月頭くらい。

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最近仕事でよく行くオフィスのラウンジにグランドピアノがあって、面白そうですねとスタッフの人に話したら、練習室もあるから弾きたかったらそっちのアップライトピアノは使ってOKとの話。それで、しばらく昼休みに通って弾いてみたら、家の電子ピアノではスラスラ弾けるようになった曲でも、ピアノだとけっこう難しいということが分かった。なるほどなー、ピアノって電子楽器じゃなくて打楽器なんだなーと納得(打楽器は違うか?)。ピアノ、欲しくなっちゃうな。

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さらに先月から仕事で何度か行っている出先のすぐそばに、コンサートホールがあるのを見つけた。それで仕事帰りの夜にピアノコンサート聴いて、いい気分になって、ご馳走食べて飲んで帰る。

それで夜遅く帰宅して、また仕事忙しいねという話に「うんまあね……(今日はちょっと違うけど)」とか言葉を濁してたら、翌日、食事した店から忘れ物の電話があって、遊んでたのがバレバレ。

忘れ物を受け取りに行くついでに、今度は家族も呼んで、一緒にご馳走を食べた。
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当たり前なんだろうけど、ピアニストってピアノ上手いんだな。一台で弾いてても、ずいぶん沢山の音がでるもんだ。

コンサートでやってたラフマニノフってのをもっと聴いてみようとウェブで探したら、良いものを見つけた。デニス・マツーエフの弾くラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番、すげ格好良い! マツーエフ、すげ格好良い!!……好きになって、それから毎日聴いている。



ちなみにカラヤンの指揮で同じ曲のプロモーションビデオもあって、そっちはまた違った感じ。
カラヤンの美学により、見栄えの悪い人を後列に回して美男美女を手前に配置したり、音は別撮りで格好良い映像にしたりしてるらしい。道理で映画みたいな拡張高い映像で見応えあるが、後列に回されたらなんかへこむ……。





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by macchi73 | 2016-02-26 19:47 | 出来事・その他 | Comments(6)
2015年 12月 20日
冬眠
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土日休んで、家にいた。
家も庭も手入れされてなくて、生活の感じがなくて、がらんとしてる。
廊下の隅に埃の玉。よくこう荒むよなあ……。

朝寝朝酒朝風呂して、少しピアノ弾いて、それからベッドでごろんと転がってぼんやりする。
ここ数日でやっと冬らしく冷えて来た気もするけど、天気は良くて、寝転んで窓から見る空は青くて明るい。

浴室から子供の鼻歌。さっき弾いてたピアノの曲に、変な歌詞をつけてる。聴いてたらなんか笑えて来た。しばらくクスクス痙攣してから、意を決して起き上がって、上着を引っ掛けて部屋から出た。夫はいつもリビングのソファか庭のハンモックでスマートフォンをしてる。今日はソファにいた。なあ、家事しないの?と聞けば、ううーん……という答え。

私は、自分では動かないくせに、こんな荒んだ家は嫌だなあとか思っている。
夫はこのレベルで十分でしょって言うので、満足している夫を動かすのは難しい。いつもゴロゴロしてる夫を見て、なんか年取ったよなあと思う。それから自分を見て、いや私もかとしみじみ。

ランチを食べに出かけるけど、お店でもずっと眠くて、起きてはいるけど頭の中は寝てる。
子供たち、とりわけ末っ子が色々と話しかけてくるが、気を抜くとすぐ上の空になっちゃって悪いなあと思う。どの子もみんな、学校の話、クリスマス、友達との予定、クリスマス、クリスマス……。そっか、もう本当に年末か。クリスマスの準備、さすがにもうしないとなあ。クリスマスカード出してない。携帯の不調も直してない。いろんなこと、やってないなー。
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庭を歩くと、足元で落葉がサクサクしてて、野山みたいだ。
季語だと、春は山笑うで冬は山眠るなんだっけ。庭も眠ってる。亀も眠ってる。眠い。
こんな住宅地で野山再現なんて、ひどい話かも。でも、静かな冬の昼って感じで綺麗に見えなくもない……なんて。その感覚で言えば、カーテンの隙間の光の帯でキラキラ舞ってる埃だって、綺麗といえば綺麗だ。

とりあえず、今日は荒んだ家と庭を記録して、それでおしまい。
あともう数日でクリスマス休暇だ。そしたらゆっくり考えようっと。

荒んだ庭とキラキラした埃も綺麗って思う時もあるけど、やっぱり、もうちょっとな。

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いま練習してる曲。ぼんやり弾いてるとループに陥って、エンドレスになってしまうこと、しばしば。


Una Mattina (CD, Import)


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いかにも手入れされてない庭の薔薇。でも相変わらず良い匂い。
これくらい質素な感じもありかなと思ったり(言い訳)。

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by macchi73 | 2015-12-20 23:12 | 書籍・CD | Comments(3)
2015年 11月 06日
卵のように軽やかに
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庭隅にレモンが鈴なりだ。収穫して肉と焼いて食べた。

我が家のレモンは、グランドレモンという品種(マンダリンとの交配種らしい)。
味は、酸っぱさの中にもなんとなく甘さがあって美味しい。レモンっぽくない滑らかな薄い皮をしていて、大きさは普通のレモンより少し大きく、形はレモン型ではなくて卵型をしている。

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卵型つながりで?

このところずっと夜は一人で過ごしていて手持ち無沙汰なので、『卵のように軽やかに』を始め、エリック・サティに関連する本を何冊か続けて読んだ。


サティが書いた文章やイラストを集めたアンソロジー。表紙もサティの自画像。

サティの文章って、面白いんだけど、わざとひねくって剽軽に書いてて、なかなか正体が見えにくい感じ。

手描きイラストの方には、ヘンテコなおかしみがある。イラスト中に書きつけられているテキストも面白い。



その中で、一番面白かった一冊は、サティが描いた装飾的な楽譜を頁にそのまま散らしてある『エリック・サティ詩集』。

『エリック・サティ詩集』(藤富保男訳編)

すごくかわいい感じの中身で、サティって子供っぽい人だったんだろうと感じられた。肉筆楽譜のページが多くて、サティを身近に感じられる。楽譜の隣に、装飾的な絵のような文字で文章が書きつけてあったりする。

文書だけまとめて読んだ時はそれほどには面白くなかったサティが、手描き楽譜が入ると、何故かいきなり面白い(または、翻訳がすごく良い)。それと、訳者の藤富保男氏が挿入する小文やカット、各ページのレイアウトがとても良い。

読みながら笑って、ほのぼのした。



次いで面白かったのは、いろんな切り口からサティを紐解いた、アンヌ・レエの『エリック・サティ』。これは本としての内容が面白い。



サティの死後、彼が一人暮らししていたガラクタだらけの部屋で見つかった葉巻箱の中には、きちんと切り抜かれた小さな紙片がいっぱい詰まっていて、綺麗な色インクで縁取りされ、いろんな絵や文章が書きつけてあったらしい。

それがあのヘンテコなイラストとかなのか……と思うと、なんとも言えない気分になった。

本の中では「こんな無意味にサティがどんな悦びを見出していたのか、よく分からない」なんて言われてしまってもいたが、いやあ、ひとりぼっちで暇だとそういうのやるよな……やるよ……とか思ってしまった。

ちなみに私も一人暮らしの頃やらかした。そして何を思ったのか、恥ずかしいことに一人のクラスメートに見せた……とても活発かつ外向的な友人だったので、多分、意味がわからなかったことだろう。大人になってからは海外のリゾート地で暮らすその友人に、今週 7, 8年ぶりくらいに会って、相変わらずのピカピカで力強い笑顔を見ては、ちょっとその事を思い出したり。



「夜になると、彼らは夕食をとり、それから浜辺に出てパイプをふかすのだった。煙草の香りが魚たちにくしゃみを催させた。ロビンソン・クルーソーにとって、無人島の暮らしは楽しくはなかった。『ちょっとさびしすぎるな』と彼はいう。少年のフライディもおなじ意見だった。主人に向かってこういうのである。『そうです、旦那さま、無人島、ほんとにさびしすぎる。』そして、その大きなまっ黒な頭を振ってうなずくのだった。」

こんなさびしい小文を誰が書いたのか? 有名なエリック・サティである。死の一年前に。真の友もなく、子もなく、ただ有名ではあったサティ。(...略…)

しかし、サティも楽しくはなかったにちがいない。彼の無人島での暮らしは −− アルクイユのサティの部屋、二十七年間住んでいたが、彼の存命中は誰ひとり足を踏み入れることのなかった「象牙の塔」での暮らしは。サティの死後、不透明になった窓ガラスや、クモの巣や、壊れたピアノの蓋の下に隠された紙クズや、そのほか山のようなゴミや虫が発見された。(...略… )

「無人島は、時にはちょっとさびしすぎる」から、サティはひそやかに嘆き声をもらした。あるときは言葉で、またあるときは音楽で。


それから、ジャン・コクトーによるサティについての本。
翻訳者が安吾で、ちょっと驚いた。そんな時代か。


コクトーには、いかにも時代の寵児って感じの華があって、サティについて書いても、コクトー色の方が勝つ。これはサティの本というより、コクトーの本だな。多分、コクトーが表現したい思想があって、それにサティがぴったりだったから、担ぎ出したって感じもあるだろう。

ピカソ、コクトー、サティで舞台をやったりして3人は交流があったようだけど、堂々と煌くピカソとコクトーに比べ、サティはどうしても垢抜けないショボい感じが漂う気が……。



そのサティの多少のショボさを感じて、町田町蔵の『壊色』という本にある「ふぬけの悲しみ」という短文を思い出したりする。
 みんなはふぬけについて考えないか。
 僕はつい考えてしまう。
 ふぬけというものはどういうわけか公園に一人でいることが多い。そして公園には小学生くらいの子供が遊んでいる。ふぬけは思う。「私は子供らと遊びたい。(...略…)」そしてふぬけはパン屋に走ってつまらぬ駄菓子を大量に買い、子供に与える。しかし子供はそんなものに喜びはしない。そこいらに投げ捨ててどこかへ行ってしまう。ふぬけは駄菓子の散乱する人気のない公園に一人、しょんぼりと立っている。ふぬけは小声で言う「どうもうまくいかんね」ロマンチックな音楽が流れている。 
 このようにあらゆる局面において現実はふぬけを打ちのめす。そしてふぬけはしょんぼりする。そして言う「どうもうまくいかんね」そのときふぬけの口は尖っている場合が多い。しかしふぬけ本人はあまり気にしていない。あくまで見た感じしょんぼりしているのであって、それはふぬけの意識とは無縁である。ただふぬけの心の奥底がどうなっているかはわからない。このしょんぼりは僕には相当こたえる。見ておられぬものがある。ということはその心の奥底にははやり奇怪な悲しみが蠢いているのではないだろうか。

そうやって、昔に生きてた人たちの様子を読んで、不思議な感じに浸る。
ふざけたり怒ったり皮肉ったりして素の自分を韜晦してた、ひとりぼっちのショボいサティの姿が目の前に浮かび上がって来るような気がした。ま、本当にそんな人だったかは、分からないけど。想像。

でも、130年も前の狂乱の芸術の都パリの汚い部屋でひとりぼっちで暮らしてた作曲家がいて、そこから時間も場所も遠く離れた東洋で、ピアノ素人がその曲をポロンポロン弾くことが起こるってのは、妙な感じだ。人間って、記録を通じて時空を超えられるところが、他の動物と違うところかも。

サティが「家具の音楽」として発案した”意識的に聴かれることのない音楽”っていうのが、その後のアンビエントやミニマル、BGM系の音楽へと繋がっていったということだ。サティの曲をもう少し弾いてみたかったけど、近所に楽譜がなかったので、替りにルドヴィコ・エイナウディの曲を弾いてる。イージーリスニング、イージープレイング。


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by macchi73 | 2015-11-06 23:55 | 書籍・CD | Comments(0)
2015年 10月 11日
ゆっくりと、苦しみをもって
天気の悪い連休、家の奥の狭い部屋に引きこもって過ごす。持ち帰り仕事。

末っ子が足元で粘土工作を始める。そのうち、大きな羽根布団を私の机の下の狭いスペースに持ち込んで、ふかふかの中に埋もれて本を読む姿勢で落ち着く。つられて、私の足元も暖かくなる。家族の会話はそんなに無いが、これはこれでありだと思いたい。
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暇な時間にはピアノを弾いてた。
ここ数日でサティの「ジムノペディ」を覚えた。
ちゃんと弾けるよう、ペダルを買ってきた。それからヘッドホンも。
深夜、目が覚めた時に暗い部屋でヘッドホンつけて暇つぶしに弾いてると、月夜の船で一杯やってるみたいなゆらゆらした気分になる。安らかで楽しい。

で、本当はどんな風に弾くもんなんだろうと思って調べたら、サティ自身からの指示は「ゆっくりと苦しみをもって(Lent et douloureux)」だと知った。ええー、苦しみか……想像してたのと違ったな……。

Wikipediaによれば、大勢の青少年が全裸で踊る古代ギリシアの祭典(ジムノペディア)に曲想を得て作られた曲らしい。踊りの情景なのに「苦しみをもって」っていうのがすぐにイメージできないけど、古代ギリシアはそうなのか?目を瞑って、想像してみる。(ボリウッドの群衆ダンスが浮かんでかき消す)

ギリシアと言えば、学生時代の古代ギリシア語クラスのイメージ。
そういえばその時の『イーリアス』の両軍激突の場面、群衆の中で倒れゆく青年兵士1名にいきなりクローズアップして長々と壮大な比喩で語り出したりして、やたらスローモーというか、重厚かつ大仰だった記憶がある。"ゆっくりと苦しみをもって"、そんな感じなのか?

重い足を引きずって、もたれあいながら、ゆっくりと踊りを捧げる青年兵たちを想像して弾いてみる……ぐったりと疲弊して……カモウオー、カモウエイス、カモウエイ、カモウオメン、カモウエテ、カモウシン?(適当)

「人間はオリュンポスの神々の与える運命に勝てません」ギリシア語の先生の顔を思い出したりしていたら、あれ、疲れた兵士に乗っ取られて、ゆらゆらする月夜の船がなくなった。がーん。

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動画を見たら、思ってた弾き方じゃなくて驚いた。
左手だと思ってたとこが右手だったり。
で、何件か動画検索してみたが、どうもみんな同じ方法で弾いてるっぽい。ピアノの指使いって、字の書き順と同じように、正解が決められているものなんだっけ?そしてそれはどこで知る?




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作曲家のエリック・サティは、コクトーと組んだ舞台の楽曲も作っていたと読んで、久々にコクトーを本棚から引っ張りだして読む。

……恐るべき姉弟の子供部屋と、自分のデスク周りが重なった(主に散らかり具合が)。

『恐るべき子供たち』(ジャン・コクトー)

毒薬、写真、がらくたなどの雑多な宝物に溢れる混沌の子供部屋を神殿として、大人になるのを拒否した姉弟の物語。

コクトーの本の中で一番面白いと思う。
だけど、いかにも1920年代パリって感じの芸術至上主義っぽい才気キラキラ感は、やっぱり若い頃の方がグッときたなーとも感じた。ってか、「子供の無邪気な残酷さ」みたいなのって、実際に子供を近くで見るようになればなるほど、大人の作ったある種のファンタジーってとこもあるよなあ?って感じもしている。

あと、生年から考えるに、サティはどっちかっていうとベル・エポックの人で、コクトーたち狂乱の世代より一世代前って感じかな?

サティも色々と面白い人だったようだ。
コクトー以降の一時期は、みんな意識的に変わり者をやってたと思うけど、その一世代前の変人は、もっと止むに止まれぬ地に足がついた変人が多い気がする。著作もあるみたいなんで、今度見てみよう。



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by macchi73 | 2015-10-11 23:55 | 書籍・CD | Comments(4)
2015年 09月 22日
シルバーウィークに
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悲しいことがあった。
我が家の8年もののバラ、つるアイスバーグの大木が枯れた。
大人の拳くらいもある太さの根元を見たら、カミキリムシにやられて、すっかりボロボロのグラグラになっていた。
今年の初夏、いつものように花を咲かせた時は気づかなかった。
いきなりに見えても、いきなりの訳はないから、悪いことをした。
仕方ないから、この連休の庭仕事で撤去したら、壁が一面、がらんとした。

楽しいこともある。
この連休で、上の双子たちの誕生日の準備を末っ子と進めている。

末っ子は、今年のプレゼントは紙粘土でつくったキノコのボールペンにするといって、朝、みんなが起きる前に工作をしている。
そのおかげで、ここどうしたら良いと思う?材料にアレ使いたいんだけど持ってる?とか、ちょくちょく起こされるんだけど、その一方で「これはピノコからのレイクたちへのプレゼントだから、手伝わないでね」と、ギラリと目を光らせて釘を刺されたりもする(君が呼んだから来たのに!)。
2年前に作った時には一緒にやったものだったが、いつの間にか自立したなあ。
この調子で、工作後のお片付けも自立してくれればもっと良い。
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兄にはシイタケ、姉にはタマゴタケというセレクトにしたようだ。
どちらも美味しいキノコだ(「誕生日プレゼントだから毒キノコはちょっとね」)。

それぞれペン立てになってる土台も作って、メッセージのタグも自作して結んでとめて、とってもいい感じ!これはマリオもレイクも喜ぶだろう。
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それから電子ピアノでハッピーバースデーの曲を練習する。
そのままだと少しシンプルすぎるので、他の曲のカッコイイ部分をもらってきてくっつけたりして、二人でアレンジした。ふふふ。
いい?ここで長くのばして、それで振り向いてニッコリして「おめでと〜」っていうようにしよう!とか、振り付け(?)まで万全の体制。

娘がどんどん曲を覚えていくのを見て、普段子どものことは話題にしない夫まで「ピノコにピアノ習わせなよ」とか言い出したのが、なんかお父さんっぽくて微笑ましい。
でも娘は、いや時間とられるの嫌だから習わない、お母さんが弾くのを見て覚えるのが一番簡単、と不精なことを言う。楽譜の読み方を教えようとすると逃げる。で、お母さん、早く次の曲覚えてよ〜と日々急かすので、夫が「そっか、じゃあmacchiがピアノ習えばいいんだ」とか言い出す(馬鹿)。それ、計画が迂遠すぎるから。

今月で一緒に覚えたのは、「猫ふんじゃった」「チャップスティックス」「ハッピーバースデー」「エリーゼのために」「貴婦人の乗馬」。
選曲は、私が小学校の頃に女の子たちが学校のピアノでよく弾いてた曲だ。難しそうに聴こえたけど、やってみたらけっこう弾きやすくて、なるほど、だからみんなこれらの曲を弾いてたんだなと当時から三十余年を経て納得。とても合理的な選曲です!と、回想の中のピアノ女子たちを師と仰ぐ。が、師たちの曲も尽きてきた(もっとあったろうけど忘れた)。そしたら次はどうしよう。
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双子たちに見つからないよう、末っ子のキノコたちは奥の部屋で乾かされている。ハッピーバースデーの手書きアレンジ楽譜(音符じゃなくカタカナで書いてる格好悪さ)は他の楽譜の後ろに隠されている。そして私の自室の引き出しの中にも、リボンをかけられたプレゼントが眠っている……。

家じゅうに秘密が散らばってて、なんかくすぐったい。

・・・

最後に、気重なこともある。
そうやって誕生日準備フィーバーしてたせいで、連休中にやるべき予定だった衣替えと溜めていた家事がまだ終わっていないのであった……。それは今、たった今から片付けるつもり。さあ、やるぞ。今やるぞー。おー。(とか言って、体が全然動かない)


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『粘土でつくるキノコ』(サワブ ミホ)

参考書はコレ。

各種きのこの作り方だけじゃなく、その応用として、標本風の見せ方やブローチ、ペンやキーホルダーの作り方なども色々と載っている。


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by macchi73 | 2015-09-22 13:49 | きのこ、菌類 | Comments(2)
2015年 09月 12日
さびしい誕生日
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今年の末っ子の誕生日は、みんなどうしても早く帰れず、これまでにない質素なお祝いになった。これまでは毎年、たとえ仕事や部活や用事で全員ギリギリまでばらばらの場所に居ようとも、ディナーまでには家やお店に駆けつけて、全員揃って賑やかに祝ってきたものを……。

仕方ないけどさびしいな、と末っ子。
まあしかし、これから更にそうなっていくかもな……とも、ちょっと思う(とか言う私も、早くは帰れずごめん)。
父と母と「三人の子供達」という賑やかな時代は去って、この後しばらくは、大人が4人と「子供が一人」という時期に入ってしまうのかも。

長男マリオから用意されていたお祝いは、末っ子の名前と雅号を彫った手製の石印だった。
「ピノコへのお兄ちゃんの願いを込めて、雨垂という雅号を授けます」というメッセージと共に、側款には、次のような文句が。なんだか渋い……(が、今は秋だし、うちの子たち全員、根気強いの反対のキャラなので、語のセレクトは多少不思議でもある)。
雨垂れ石を穿つ
千里の道も一歩から

祝う十歳 花紅柳緑 二千十五年 九月

そして、長女レイクは末っ子がぐっすり眠ってからの帰宅。
ああ、もう寝ちゃったかー、と呟きながら、眠った妹の手の中にそっとリボンのついた包みを置いていた。中身は色とりどりのマニキュア。
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そして私からのプレゼントはキーボード。
夏のイギリス旅行で友達の家にしばらく泊まってたときにお家にピアノがあって、猫ふんじゃったを教えたら、すごく面白がって毎日弾いていたので。
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それから数日。
顔を合わせれば「ねえピアノしよー」と言うので、私が伴奏、娘が旋律を担当して練習して、既に3曲もモノにした。極秘裏に練習を進め、今月の双子の兄姉の誕生日に披露する予定。

マリオとレイクの誕生日は、さびしくない豪華なのにしようね、と妹は燃えている。

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そんなに楽しいのなら、ピアノ習う?と聞けば、「ううん、習うのは嫌。お母さん教えて」とかいう。私もピアノなんてよく知らないのでハードル高いが、一緒に覚えるの、とても楽しい。

Casio 電子キーボード 76鍵 WK-245

ピアノやってる人たちに聞くと、後々のこと考えるとちゃんとした本物のピアノに近い機種にする方が良いよ……とみんな言うので、一瞬、教えてもらったそっちのラインでも考えたが。

考えてみたら、後々のイメージってのが全く湧かなかったので、気軽に遊べる機能(内臓曲や音色など)が多いという観点で選んでしまった一品。とりあえず、鍵盤数は76ないと知ってる曲が弾けないので、そこだけしか気をつけなかった……。

今のところめちゃくちゃ楽しく遊んでいる。有名曲がたくさん内臓されていて全曲の楽譜もついているので、難易度無視で、知ってる曲からギクシャク覚え中。



→しばらく使ってたら、色んな曲を弾くためにはペダルは必須と知った。追加購入。
さらにヘッドフォンもあれば、夜中の練習も大丈夫。




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by macchi73 | 2015-09-12 23:55 | 出来事・その他 | Comments(0)