「ほっ」と。キャンペーン
タグ:アオスジアゲハ ( 3 ) タグの人気記事

2016年 12月 11日
冬の深夜の虫たち(チャバネフユシャク♂♀、アオスジアゲハ)
夜中にそっと家を出た。

そのまま玉川上水を西進して、夜の虫を探す。手袋をしてフードも深くかぶって防寒はバッチリ。頰に当たる夜の冷気がむしろ気持ち良い。

小型の懐中電灯で藪や樹木を照らしながら歩いていたら、アオスジアゲハの蛹を見つけた。懐中電灯の光を受けて、真っ黒な闇の中、鮮やかな翡翠色に浮き上がって見える。アオスジアゲハって蝶も綺麗だけど、蛹も綺麗だ。透明感のある緑色がまるでジェリービーンみたいに見えたので、まだ柔らかいのかなと思ってそっと触ってみたら硬かった。

e0134713_1873543.jpg


時々動くものを見つけるが、だいたいが蜘蛛の巣に引っかかった枯葉が風に吹かれて動いているだけだった。蜘蛛の巣って照らすと光るから、夜には目を引くんだよな。そしてたまに、巣の持ち主も……。冬越しできない絡新婦たちだけど、風の当たりにくい物陰にじっとしてたりして、まだ頑張っているようだ。誰でもみんな終わらなくちゃいけないのは自然の掟だとしても、終わりが安らかでありますよう。

e0134713_188762.jpg


あ、こっちは巣を貼らない徘徊性の蜘蛛っぽいかな。
蜘蛛がいるってことは獲物もまだきっとその辺にいるんだろう。よしよし、いい感じ。期待感高まる。ふっふ。

e0134713_1881180.jpg


しかし、その調子で5kmくらい上水沿いを探してみたが、お目当てのものは見つからず……。立ち止まって、ちょっと考える。

今日のお昼のことだが、娘と夫とのカフェでの休憩中、なぜ冬シャクって冬に活動するんだろう…….なんてことを検索していたら、面白いページを見つけてしまったのだった。その記事によると、フユシャクの大半種は日没から二時間位まで活動する夜行性だが、チャバネフユエダシャクは例外的に深夜に活動する種だという。それできっと真夜中に探したら、チャバネフユシャクのペアがざくざく見つかるのでは?と期待しての深夜の徘徊なのだった。
生き物を求めて今日も行く!「裏山の奇人」徘徊の記:
  →冬の秘めごと(小松貴)......とっても面白い記事だった!

でも、これだけ探しても一匹のフユシャクも見つからないってことは、環境の条件は揃っていても、虫はいるところにはいるし、いないところにはいないってことだろう。フェロモン頼りにメスを飛び回って探すフユシャクのオスの苦労が偲ばれる気がした。上記の記事によれば、フェロモンって1-2mくらいしか届かないというし、どこにいるとも分からない相手を探し当てるってのは結構な骨だろうな。

仕方がない、ちょっと格好悪いけど、来た道を戻って、お昼に見つけたフユシャクの夜の姿を見ることで良しとしよう。もしかしたら、オスが呼ばれて来てるかもしれないし。

で、街灯もない本当に完全に真っ暗な公園内の道を懐中電灯で照らしながら恐る恐る進んだら、メスはお昼と同じところにそのままいた。翅がないから移動もそうそうできないもんな。今度はマクロカメラを持参したので、じっくり撮影&観察させてもらう。至近距離で見ると、ピンクの地肌に白黒模様のビロードのような短い毛が生えている様子は、白豹かホルスタインのようで、なかなか魅力的。
でも、しばらく待ってみたけど、オスの気配は全くない……。

e0134713_189579.jpg


ま、残念だけど、予想どおりにばかりは行かないのが虫探し。今夜は風が強いのが敗因かもしれない。

仕方ない、もう帰るか……と明るい方を目指して公園内のトイレを通りかかったら、あ、いた!ガラスブロックの壁にチャバネフユシャクのオスと思われる姿があった。多分、トイレのライティングに惹かれてきたんだろうな。おーい、探してるメスは500mくらい先で待ってるぞー!

e0134713_18103647.jpg


ちょっとだけ、このオスをさっきのメスのとこまで連れてってやろうかな?なんてチラッと考えたけど、やめといた。伴侶は自分で探すよな。そんなことを考えつつ、トイレのガラスの壁にちょっと登って、オスの写真をスマートフォンで撮ったりして(←よく考えたらすごい不審者、やばいかも)。

ふと気づいたら、もうとっくに日付も変わってた。

虫を探して足元も視界も悪い暗闇をずっと歩き回ってたら、お腹が空いた。

それで私もフユシャクと同じく、暗闇に点々と光るお店の灯に誘われて、深夜1時にお腹いっぱいにしてから家に帰る(フユシャクの成虫に摂食機能はないけど)。

虫は見つからず、カロリーだけをゲットしちゃったなー。

e0134713_18105943.jpg

[PR]

by macchi73 | 2016-12-11 02:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(6)
2013年 07月 01日
メメント・モリ
e0134713_23192650.jpg

きょう公園でイイモノひろった〜!と娘が見せてくれたのは、アオスジアゲハの羽。
本体はカマキリか何かに食べられてしまったのか、綺麗に羽だけ落ちていたそうだ。
良い機会なので、いつもは動き回っててそんなに観察できない蝶の羽をじっくり観察してみた。

娘の顕微鏡で見ると、黒い部分は鱗粉なのが分かる。
鱗粉の一つ一つを顕微鏡で確認すると、花びらのような形をしており、規則正しくびっしりと並ぶことで黒い模様を形作っている。

e0134713_23191782.jpg

一方、青い部分には鱗粉が見られず、薄く透き通っている。

e0134713_23191283.jpg

鱗粉の効果としては、まずは撥水、それから体温調整や仲間の認識のための目印という役目があるらしい。
試しに水をかけてみたところ、水は羽の上で綺麗な水玉になりツルンと流れ、羽には全く染みこまなかった。優秀な撥水効果!
e0134713_231936.jpg

ちなみに鱗粉がない青い部分で試しても、やはり水は水滴になってはじかれた。
よく見ると青い部分にも細かい毛が生えており、これが鱗粉と同じ撥水効果を生んでいるものっぽい(鱗粉はもともと体毛が変化したものだという)。
e0134713_2319097.png

顕微鏡を熱心に覗きながら、「この蝶の羽、お母さんのペンダントみたいで綺麗だなー」と娘が言う。
なので、羽の一部を樹脂に閉じ込めてアクセサリー風にしてみた。レジン標本のイメージで。

e0134713_23184922.jpg哀れアオスジアゲハの命よ永遠に。

アーメン。


蝶の骸でアクセサリーを作る母って、情操教育的にどうなんだろう?悪趣味か?とか思いつつ……。
「メメント・モリ(死を思え)」の戒めを具象化するために、内装を人骨で作った教会などもあることを思えば。ね。

e0134713_13245677.jpg

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ちなみに私の持っているペンダントは、ペルーの青い蝶(アメリカコムラサキ)の羽を樹脂に入れたもの。
なにか娘の心にヒットするものがあるらしく、時々こっそり使っているようだ。ふふ。


(プシュケ) Psyche 本物の蝶の羽ペンダント


アメリカコムラサキの羽は鱗粉で青いので、見る確度によって反射が違って色や光沢が変わるという効果がある。

一方、今回ハンドメイドしたアオスジアゲハの青い色は鱗粉ではなく、羽の地の色が薄青い色素を含んでいるというものなので、コムラサキの厚みのある3Dチックな光沢とはちょっと違う感じだ。
でも光の角度によって青〜緑の微妙なグラデーションで透明に光ってて、これもなかなか綺麗だと思う。

[PR]

by macchi73 | 2013-07-01 23:47 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(9)
2012年 09月 02日
アオスジアゲハ(青条揚羽)
e0134713_0164391.jpg

夏休み最後の今日は、早朝から、すっごい土砂降り。
ザバーッと降っては上がり、しばらく止んではまた降る、の繰り返し。
空は一面灰色に薄暗く光り、今が何時頃だかよく分からない感覚に陥ってしまう。一日中が夕方みたいな気分。
外に出ると、空気がヒンヤリして、いきなり秋の気配が漂い始めている。

今日は涼しいね〜と庭に出た娘の足元、歩く先から小さな薄青いシジミチョウが次々飛び立ってヒラヒラする。モンシロチョウもいる。「ほほー」と娘。
そして一頭、黒地に青の大きな美麗な蝶がいるのを見つけると、「お母さん!ちょっと来て!見て!」と小声で呼んで目をピカピカさせる。

黒地に青筋の蝶というとルリタテハとアオスジアゲハがいるが、このように翅の裏側まで青いのはアオスジアゲハだ。
アオスジアゲハの翅の青い部分は鱗粉の模様ではなく、青く透き通っている。
珍しい蝶ではないが、とっても綺麗。

e0134713_0243727.png逆光で見ると、アオスジアゲハの模様が透き通っているのがよく分かる。

ちなみに、アオスジアゲハとルリタテハの名前をごっちゃにしたような「ルリアゲハ」という蝶も存在はするが、日本では見る事ができない。


e0134713_0171631.jpgアオスジアゲハはヤブカラシの花が好きみたいで、娘の指先を逃れては、またすぐ同じような場所に舞い戻る。

捕まりそうで捕まらない、絶妙の動線。

最初は「捕まえる!」と喜び勇んでいたのが、だんだん機嫌が悪くなる娘。はは。短気。


こういう変な天気の時の散歩もまた楽しい。
お昼のおやつを作ってから、二人で家を出て夜までおでかけした。
囲碁クラブ、古道具屋、漫画喫茶、古本屋、雑貨屋、食材屋と、雨の止んだ合間を見ては移動して回り……見事、傘無しで濡れずに過ごし切った達成感!
お店の入口で滝のような豪雨をあんぐり口を開けて見てたり、窓から手をだして飛沫に触ったり、雨足が弱まった時を狙って「軒先を利用して次のビルまで走れ!」なんてやるのは楽しかった。

真っ暗になってから、家族みんなと落ち合って晩ご飯を食べて帰宅。
明日から子供たちはまた学校、そして私は弁当作りの再開だ。
気が張るような、気怠いような。

* * * * * * * * * * * * *

漫画喫茶で1時間の休憩中、全十巻の漫画を読み始めるという暴挙に出るが、当然、最後まで読み切れない結果となる。そしてその足で一揃い大人買い……。こういう時、つくづく大人で良かった、働いていて良かったと思う。我ながらなんか小さい。

『エマ』(森 薫)

19世紀終わり頃のイギリスの話。
作者がメイドやその時代が好きらしく、小道具や生活の細かいとこが描き込まれていて面白い。
座席に一番近い本棚にあったから読んだだけで、最初「地味な本だなー。他の読めば良かったかな」と思ったけど、気付いたらとても面白く読んでいた。これはなかなかのヒット!
個人的には、微かに手塚治虫風味も感じた。

上の子たちにも好評だったし、これは大人買い(エマ 全10巻 完結セット)も正解だったと思うな。うん。古本で半額だったし(……と、なんとなく夫に向かって主張する)。


[PR]

by macchi73 | 2012-09-02 23:53 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(6)