「ほっ」と。キャンペーン
カテゴリ:書籍・CD( 152 )

2015年 12月 20日
冬眠
e0134713_22564176.jpg

土日休んで、家にいた。
家も庭も手入れされてなくて、生活の感じがなくて、がらんとしてる。
廊下の隅に埃の玉。よくこう荒むよなあ……。

朝寝朝酒朝風呂して、少しピアノ弾いて、それからベッドでごろんと転がってぼんやりする。
ここ数日でやっと冬らしく冷えて来た気もするけど、天気は良くて、寝転んで窓から見る空は青くて明るい。

浴室から子供の鼻歌。さっき弾いてたピアノの曲に、変な歌詞をつけてる。聴いてたらなんか笑えて来た。しばらくクスクス痙攣してから、意を決して起き上がって、上着を引っ掛けて部屋から出た。夫はいつもリビングのソファか庭のハンモックでスマートフォンをしてる。今日はソファにいた。なあ、家事しないの?と聞けば、ううーん……という答え。

私は、自分では動かないくせに、こんな荒んだ家は嫌だなあとか思っている。
夫はこのレベルで十分でしょって言うので、満足している夫を動かすのは難しい。いつもゴロゴロしてる夫を見て、なんか年取ったよなあと思う。それから自分を見て、いや私もかとしみじみ。

ランチを食べに出かけるけど、お店でもずっと眠くて、起きてはいるけど頭の中は寝てる。
子供たち、とりわけ末っ子が色々と話しかけてくるが、気を抜くとすぐ上の空になっちゃって悪いなあと思う。どの子もみんな、学校の話、クリスマス、友達との予定、クリスマス、クリスマス……。そっか、もう本当に年末か。クリスマスの準備、さすがにもうしないとなあ。クリスマスカード出してない。携帯の不調も直してない。いろんなこと、やってないなー。
e0134713_22563437.jpg

庭を歩くと、足元で落葉がサクサクしてて、野山みたいだ。
季語だと、春は山笑うで冬は山眠るなんだっけ。庭も眠ってる。亀も眠ってる。眠い。
こんな住宅地で野山再現なんて、ひどい話かも。でも、静かな冬の昼って感じで綺麗に見えなくもない……なんて。その感覚で言えば、カーテンの隙間の光の帯でキラキラ舞ってる埃だって、綺麗といえば綺麗だ。

とりあえず、今日は荒んだ家と庭を記録して、それでおしまい。
あともう数日でクリスマス休暇だ。そしたらゆっくり考えようっと。

荒んだ庭とキラキラした埃も綺麗って思う時もあるけど、やっぱり、もうちょっとな。

e0134713_22561962.jpg

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

いま練習してる曲。ぼんやり弾いてるとループに陥って、エンドレスになってしまうこと、しばしば。


Una Mattina (CD, Import)


e0134713_22562861.jpg
いかにも手入れされてない庭の薔薇。でも相変わらず良い匂い。
これくらい質素な感じもありかなと思ったり(言い訳)。

[PR]

by macchi73 | 2015-12-20 23:12 | 書籍・CD | Comments(3)
2015年 12月 02日
夜の昆虫標本
e0134713_1205941.jpg

最近リフレッシュのために夜の1時台には眠るようにしたら、やれることがいきなり少なくなってしまった。がーん。一日ってこんなに短いのか。

それでもあいた時間に何となくやっちゃうのが、夜の散歩(一人で、または誰かと)、ピアノの練習、それから生物系の調べ物、スケッチとか。机の上の仕事の本には、なかなか手が伸びないのに……。
つまり、これが自分の娯楽なんだろうなと思う。

この間は、子供を誘って、ついに昆虫標本教室に行ってしまった。
それがとっても面白かったので、手持ちの昆虫の死骸を引っ張り出してきて、自宅でも標本作りをし始めたりしている。疲れた中年が、夜の書斎で。一人っきりで、虫の死骸を。これって、どうなんだろう。
e0134713_121255.jpg

自然の中で生きて動いている生物を見て、図鑑で名前や生態なんかを調べるのは楽しい。
それで勝手に親近感を覚えるようになった生き物がうちの庭にはいっぱいいて、毎年姿を見かけるたびに「あ、また会えた」と思う。それで触ってみたり、子育ての様子を観察してみたり、時には飼育してみたりしては、くすぐったいような気分になる。だいたいこのブログの【生物】カテゴリに載せてる観察日記は、そんな感じのものだ。

だけど、その一方で、自分には蒐集癖っぽい性質が強くあるのも感じる。
例えば、生物を見かけたら写真を撮っているが、手持ちの画像にない種を撮れた時には、やたら嬉しい。なのに一度でも撮影した種に対しては、「あ、これはもう撮影済みだな……」とか思ってしまい、カメラは構えずにサラッと見るだけで満足だったりする。つまり、データ収集癖。とにかく数とバリエーションが欲しいんだ。

更に、よく知らない生物を見かけると、非常にがっつり見てしまう。生きてても、死んでても。
これを保存して並べたいという気持ちが湧いてきて、なんとなく恥ずかしくなる。この時の気持ちは、オモチャが欲しい子供の気持ちと同じだと思う。
そういう自分が少し後ろめたい気がするので、だいたいそっけない感じを装っているが、変わった生物がいると呼ばれたり、人から「これあげる」と虫の死骸なんかをもらうことがしばしばあることを考えると、多分だだ漏れなんだと思う。

そういう風に、生物をモノ扱いしてずらっと並べてみたくなる気持ちと、庭のなじみのメンツそれぞれに感じる親近感と、両方あるんです!と、強く言い訳したい気分だ。
……誰にむかっての言い訳?って考えると、よく分からないが。

とりあえず、生きてる生物を見ることは好きで、庭の害虫とか言っても殺したりしたことはあまりない。でも、このままハマると、ぜったいに蒐集癖が顔を出して、シリアル昆虫キラーになっちゃうんだろうなー、それはどうかなーとか思ったりだ。

他の人たちの昆虫標本などに対しては、特に悪く思うところは全然ないんだけど。
(寧ろ、めちゃくちゃ見せて欲しい)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

とは言え、私は、生物は種によってかなり違ったように世界を見たり感じたりしてると思うので、あんまり、可愛いとか、擬人化した友情なんかを感じている訳でもなく。
死ににくい人間より、死にやすい昆虫などの生物は、もっと死や痛みに無頓著な作りをしていて、人間の個の意識とは全然違うところで生きてるはずだと思う。
だけど、それでもやっぱり一回死んだら生き返らないとか、絶対的なラインでは共通するところがあって、一緒の仲間っていえば仲間のうちなんだとも感じる。

動物を殺すということを考える時、いつも思い出すのは、この本。

『動物感覚』(テンプル・グランディン著)

著者は自閉症の動物科学者で、屠殺場のデザインなんかに関わっている。

動物にとても親近感を感じているっぽい著者なのに、屠殺場場デザインなの?って一瞬おどろくけど、できるだけ動物たちが恐怖を感じず、殺されるまで安らかに暮らせるような工夫を研究している。自閉症の自分と、動物たちの物の認識方法には共通点があると考えているようだ。

人間が雑食の機能を持つ以上、個人がベジタリアンになったりすることはあっても、人類の肉食がなくなることは無いだろう。食べられるための家畜という存在もなくならないだろう。

でも、グランディンの本の中に、「それでも家畜たちは毎日、楽しいことを待って暮らしている」って感じのところがあって(うろ覚え)、そりゃそうだ、生物なら皆そうだと、強く思った。どうせ殺して食べるからって、恐怖や不快の中で暮らさせるのは無しだよな……。せめて楽しい日々の後になら、生物は誰もが死ぬんだから、殺されたり食べられたりっていう死に方も終わり方の1つとしてありなのかなと思ったり(でも逆に、生物なら誰でも、殺されること自体が嫌だろうってところもあるかもだが)。


人間の望む性質を強めるための交配で、特定の種が、どんどん(望まれた面以外でも)偏りを強めて、ある意味、精神に変調をきたしてしまうこともあるという話は怖かった。

それともう一冊。
このところ末っ子が、「このお話しとっても面白いんだよ、あのね…」と、夜の散歩やベッドでストーリーを教えてくれてる本。

『岸辺のヤービ』

私は読んでおらず、子から話を聞かされているだけだが、食べることに伴う殺生を思って物を食べられなくなる妖精的なものも登場したりする。それがメインストーリーではないようだけど。あら、タイムリー、とちょっと思った。

で、子供のそっち方面の意見もそれとなく聞いてみたけど、なかなか現実的で中庸な感じ。意外と大人だな。

私が「昆虫標本!?大好きさ!イエイ、ずらっと並べちゃおう!」と自分の嗜好のままに堂々としないのは、子供からみた母親ポジションというところをちょっと気にする部分もあるのかなと思う。単に、私の中の固定観念の母親イメージで、それイコール私じゃ、全然ないけど。ってか、むしろ全然ちがうけど。


多分、標本のための昆虫採集とか、物凄く楽しめる自分だろう……きっとそのうちバンバンやる可能性も高い……そして、こんなテキストを残したことを後で決まり悪く思うだろう……とか分かりつつ。書いておく。


[PR]

by macchi73 | 2015-12-02 01:44 | 書籍・CD | Comments(6)
2015年 11月 06日
卵のように軽やかに
e0134713_22141414.jpg

庭隅にレモンが鈴なりだ。収穫して肉と焼いて食べた。

我が家のレモンは、グランドレモンという品種(マンダリンとの交配種らしい)。
味は、酸っぱさの中にもなんとなく甘さがあって美味しい。レモンっぽくない滑らかな薄い皮をしていて、大きさは普通のレモンより少し大きく、形はレモン型ではなくて卵型をしている。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

卵型つながりで?

このところずっと夜は一人で過ごしていて手持ち無沙汰なので、『卵のように軽やかに』を始め、エリック・サティに関連する本を何冊か続けて読んだ。


サティが書いた文章やイラストを集めたアンソロジー。表紙もサティの自画像。

サティの文章って、面白いんだけど、わざとひねくって剽軽に書いてて、なかなか正体が見えにくい感じ。

手描きイラストの方には、ヘンテコなおかしみがある。イラスト中に書きつけられているテキストも面白い。



その中で、一番面白かった一冊は、サティが描いた装飾的な楽譜を頁にそのまま散らしてある『エリック・サティ詩集』。

『エリック・サティ詩集』(藤富保男訳編)

すごくかわいい感じの中身で、サティって子供っぽい人だったんだろうと感じられた。肉筆楽譜のページが多くて、サティを身近に感じられる。楽譜の隣に、装飾的な絵のような文字で文章が書きつけてあったりする。

文書だけまとめて読んだ時はそれほどには面白くなかったサティが、手描き楽譜が入ると、何故かいきなり面白い(または、翻訳がすごく良い)。それと、訳者の藤富保男氏が挿入する小文やカット、各ページのレイアウトがとても良い。

読みながら笑って、ほのぼのした。



次いで面白かったのは、いろんな切り口からサティを紐解いた、アンヌ・レエの『エリック・サティ』。これは本としての内容が面白い。



サティの死後、彼が一人暮らししていたガラクタだらけの部屋で見つかった葉巻箱の中には、きちんと切り抜かれた小さな紙片がいっぱい詰まっていて、綺麗な色インクで縁取りされ、いろんな絵や文章が書きつけてあったらしい。

それがあのヘンテコなイラストとかなのか……と思うと、なんとも言えない気分になった。

本の中では「こんな無意味にサティがどんな悦びを見出していたのか、よく分からない」なんて言われてしまってもいたが、いやあ、ひとりぼっちで暇だとそういうのやるよな……やるよ……とか思ってしまった。

ちなみに私も一人暮らしの頃やらかした。そして何を思ったのか、恥ずかしいことに一人のクラスメートに見せた……とても活発かつ外向的な友人だったので、多分、意味がわからなかったことだろう。大人になってからは海外のリゾート地で暮らすその友人に、今週 7, 8年ぶりくらいに会って、相変わらずのピカピカで力強い笑顔を見ては、ちょっとその事を思い出したり。



「夜になると、彼らは夕食をとり、それから浜辺に出てパイプをふかすのだった。煙草の香りが魚たちにくしゃみを催させた。ロビンソン・クルーソーにとって、無人島の暮らしは楽しくはなかった。『ちょっとさびしすぎるな』と彼はいう。少年のフライディもおなじ意見だった。主人に向かってこういうのである。『そうです、旦那さま、無人島、ほんとにさびしすぎる。』そして、その大きなまっ黒な頭を振ってうなずくのだった。」

こんなさびしい小文を誰が書いたのか? 有名なエリック・サティである。死の一年前に。真の友もなく、子もなく、ただ有名ではあったサティ。(...略…)

しかし、サティも楽しくはなかったにちがいない。彼の無人島での暮らしは −− アルクイユのサティの部屋、二十七年間住んでいたが、彼の存命中は誰ひとり足を踏み入れることのなかった「象牙の塔」での暮らしは。サティの死後、不透明になった窓ガラスや、クモの巣や、壊れたピアノの蓋の下に隠された紙クズや、そのほか山のようなゴミや虫が発見された。(...略… )

「無人島は、時にはちょっとさびしすぎる」から、サティはひそやかに嘆き声をもらした。あるときは言葉で、またあるときは音楽で。


それから、ジャン・コクトーによるサティについての本。
翻訳者が安吾で、ちょっと驚いた。そんな時代か。


コクトーには、いかにも時代の寵児って感じの華があって、サティについて書いても、コクトー色の方が勝つ。これはサティの本というより、コクトーの本だな。多分、コクトーが表現したい思想があって、それにサティがぴったりだったから、担ぎ出したって感じもあるだろう。

ピカソ、コクトー、サティで舞台をやったりして3人は交流があったようだけど、堂々と煌くピカソとコクトーに比べ、サティはどうしても垢抜けないショボい感じが漂う気が……。



そのサティの多少のショボさを感じて、町田町蔵の『壊色』という本にある「ふぬけの悲しみ」という短文を思い出したりする。
 みんなはふぬけについて考えないか。
 僕はつい考えてしまう。
 ふぬけというものはどういうわけか公園に一人でいることが多い。そして公園には小学生くらいの子供が遊んでいる。ふぬけは思う。「私は子供らと遊びたい。(...略…)」そしてふぬけはパン屋に走ってつまらぬ駄菓子を大量に買い、子供に与える。しかし子供はそんなものに喜びはしない。そこいらに投げ捨ててどこかへ行ってしまう。ふぬけは駄菓子の散乱する人気のない公園に一人、しょんぼりと立っている。ふぬけは小声で言う「どうもうまくいかんね」ロマンチックな音楽が流れている。 
 このようにあらゆる局面において現実はふぬけを打ちのめす。そしてふぬけはしょんぼりする。そして言う「どうもうまくいかんね」そのときふぬけの口は尖っている場合が多い。しかしふぬけ本人はあまり気にしていない。あくまで見た感じしょんぼりしているのであって、それはふぬけの意識とは無縁である。ただふぬけの心の奥底がどうなっているかはわからない。このしょんぼりは僕には相当こたえる。見ておられぬものがある。ということはその心の奥底にははやり奇怪な悲しみが蠢いているのではないだろうか。

そうやって、昔に生きてた人たちの様子を読んで、不思議な感じに浸る。
ふざけたり怒ったり皮肉ったりして素の自分を韜晦してた、ひとりぼっちのショボいサティの姿が目の前に浮かび上がって来るような気がした。ま、本当にそんな人だったかは、分からないけど。想像。

でも、130年も前の狂乱の芸術の都パリの汚い部屋でひとりぼっちで暮らしてた作曲家がいて、そこから時間も場所も遠く離れた東洋で、ピアノ素人がその曲をポロンポロン弾くことが起こるってのは、妙な感じだ。人間って、記録を通じて時空を超えられるところが、他の動物と違うところかも。

サティが「家具の音楽」として発案した”意識的に聴かれることのない音楽”っていうのが、その後のアンビエントやミニマル、BGM系の音楽へと繋がっていったということだ。サティの曲をもう少し弾いてみたかったけど、近所に楽譜がなかったので、替りにルドヴィコ・エイナウディの曲を弾いてる。イージーリスニング、イージープレイング。


amazon.co.jpで調べる

[PR]

by macchi73 | 2015-11-06 23:55 | 書籍・CD | Comments(0)
2015年 10月 11日
ゆっくりと、苦しみをもって
天気の悪い連休、家の奥の狭い部屋に引きこもって過ごす。持ち帰り仕事。

末っ子が足元で粘土工作を始める。そのうち、大きな羽根布団を私の机の下の狭いスペースに持ち込んで、ふかふかの中に埋もれて本を読む姿勢で落ち着く。つられて、私の足元も暖かくなる。家族の会話はそんなに無いが、これはこれでありだと思いたい。
e0134713_20295899.jpg

暇な時間にはピアノを弾いてた。
ここ数日でサティの「ジムノペディ」を覚えた。
ちゃんと弾けるよう、ペダルを買ってきた。それからヘッドホンも。
深夜、目が覚めた時に暗い部屋でヘッドホンつけて暇つぶしに弾いてると、月夜の船で一杯やってるみたいなゆらゆらした気分になる。安らかで楽しい。

で、本当はどんな風に弾くもんなんだろうと思って調べたら、サティ自身からの指示は「ゆっくりと苦しみをもって(Lent et douloureux)」だと知った。ええー、苦しみか……想像してたのと違ったな……。

Wikipediaによれば、大勢の青少年が全裸で踊る古代ギリシアの祭典(ジムノペディア)に曲想を得て作られた曲らしい。踊りの情景なのに「苦しみをもって」っていうのがすぐにイメージできないけど、古代ギリシアはそうなのか?目を瞑って、想像してみる。(ボリウッドの群衆ダンスが浮かんでかき消す)

ギリシアと言えば、学生時代の古代ギリシア語クラスのイメージ。
そういえばその時の『イーリアス』の両軍激突の場面、群衆の中で倒れゆく青年兵士1名にいきなりクローズアップして長々と壮大な比喩で語り出したりして、やたらスローモーというか、重厚かつ大仰だった記憶がある。"ゆっくりと苦しみをもって"、そんな感じなのか?

重い足を引きずって、もたれあいながら、ゆっくりと踊りを捧げる青年兵たちを想像して弾いてみる……ぐったりと疲弊して……カモウオー、カモウエイス、カモウエイ、カモウオメン、カモウエテ、カモウシン?(適当)

「人間はオリュンポスの神々の与える運命に勝てません」ギリシア語の先生の顔を思い出したりしていたら、あれ、疲れた兵士に乗っ取られて、ゆらゆらする月夜の船がなくなった。がーん。

* * * * * * * * * * * * * * * * *

動画を見たら、思ってた弾き方じゃなくて驚いた。
左手だと思ってたとこが右手だったり。
で、何件か動画検索してみたが、どうもみんな同じ方法で弾いてるっぽい。ピアノの指使いって、字の書き順と同じように、正解が決められているものなんだっけ?そしてそれはどこで知る?




* * * * * * * * * * * * * * * * *

作曲家のエリック・サティは、コクトーと組んだ舞台の楽曲も作っていたと読んで、久々にコクトーを本棚から引っ張りだして読む。

……恐るべき姉弟の子供部屋と、自分のデスク周りが重なった(主に散らかり具合が)。

『恐るべき子供たち』(ジャン・コクトー)

毒薬、写真、がらくたなどの雑多な宝物に溢れる混沌の子供部屋を神殿として、大人になるのを拒否した姉弟の物語。

コクトーの本の中で一番面白いと思う。
だけど、いかにも1920年代パリって感じの芸術至上主義っぽい才気キラキラ感は、やっぱり若い頃の方がグッときたなーとも感じた。ってか、「子供の無邪気な残酷さ」みたいなのって、実際に子供を近くで見るようになればなるほど、大人の作ったある種のファンタジーってとこもあるよなあ?って感じもしている。

あと、生年から考えるに、サティはどっちかっていうとベル・エポックの人で、コクトーたち狂乱の世代より一世代前って感じかな?

サティも色々と面白い人だったようだ。
コクトー以降の一時期は、みんな意識的に変わり者をやってたと思うけど、その一世代前の変人は、もっと止むに止まれぬ地に足がついた変人が多い気がする。著作もあるみたいなんで、今度見てみよう。



[PR]

by macchi73 | 2015-10-11 23:55 | 書籍・CD | Comments(4)
2015年 09月 26日
恐怖と芳香
e0134713_2041470.jpg

金曜日。いきなり月曜までに面倒な数字を出さなくちゃいけなくなったのに、お客と電話ばかり来る。でも休日出勤するより今日中にやっちゃおうと思って、夜になってからガチャガチャやって、終わって時計を見たら既に日付が変わってた。あーあ。でもこれで土日遊べるから良いか。隣でもう一人、おじさん同僚が煤けている。そっちはまだかかります?と聞いたら、長い溜息で返された。良い週末を。

で、職場を出たら、雨だった。
どうせ帰っても家族みんなもう眠ってるし、運動のため3kmくらい歩いてみることにする。なんとなく疎らで雑な感じの雨に、傘がぼたぼた鳴る。夜風が湿ってる。路地から急に大声が聞こえて来て、なんだろうと思って行ってみたが、知らない言語で何を言ってるかわからない。

それでしばらくトボトボ馴染みのない道を歩いていたら、向こうから妙に真っ直ぐこっちに向かってくる人影があり、不審に思って凝視。すぐ近くまで来たのをみたら夫だったので驚いた。やあ寒いね、と声をかけられて、いや、ずっと歩いて来たから私は暑いと答える。うん、そうだねえ、と言われて気づくが、こんな場所にいるのが分かるはずがない。うわ、まさかのGPSか!と顔を見たら、ニヤッとされた。そう言やこないだなんか言ってた……と慌てて見つけて、スイッチオフ。やめてくれよ怖いよと言ったら、なんで?と言われる。なんでだろう、でもなんか嫌かも。いつの間にか雨は止んでて、金木犀の香りがする。もうすぐ家だ。GPSは嫌だけど、人と一緒に帰るのは珍しい感じで嫌でもない。

翌朝、起きたら午後だった。がーん。
これじゃあ平日に粘って仕事を終わらせた意味があんまり無い……。
がっかりしてたら、ヌメッと寄ってきた夫が、ね、だから残業よくないよ〜と笑うのが、またちょっと怖い気がする。

パジャマでもそもそリビングに出ると、金木犀が満開だった。
甘い香りを肺いっぱいに吸い込んでたら、娘が一枝摘んできてくれた。いい匂いだから紅茶に入れてみようと言う。
e0134713_2011273.jpg

試してみたら、甘かった。
金木犀の花って苦いと思ってたけど、今年の花は甘い。それで思いついて、子供と一緒に、卵白を使った金木犀の砂糖漬けを作った。乾いたら金平糖みたいになるかな?

残った花と卵は、そのまま甘いオムレツ風にしてバターで焼いた。
すごく美味しいよ、今日は寝坊お母さんだけど後半で休みを取り返したね!と娘。こっちの笑顔は全然怖くはなくて、もっと家に早く帰るようにしよう……と素直に思う。
e0134713_2043464.jpg

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

今日のBGMは、"Tranquille Aujourd'Hui(静かな今日)"。
ラフェールのこのアルバム、好きでずいぶん長いことよく聴いてるんだけど(特に"Ni Avec Toi Ni Sans Toi"がすごく好き……なんだけどwebには無い)、メンバーのブロンコJr.は2008年に亡くなってしまった。


この動画はアルバムとは別の録音みたいで、音がちょっとキンキンしてるけど、アルバムのはもっとずっと優しい演奏。

アルバム版の方が好き。


[PR]

by macchi73 | 2015-09-26 20:19 | 書籍・CD | Comments(11)
2015年 09月 16日
金木犀の花の時期
e0134713_1951151.jpg

庭を通るとき、微かに甘い香りを嗅いだ。
匂いの元を辿って顔を上げて、今年初めて金木犀の開花に気づく。
それが確か一昨日のこと。

なんだか金木犀が咲くにはまだ随分早い気がして、過去の開花の記録を見てみたら、例年はだいたい10月中旬が花のピークっぽい。それが去年は半月くらい時期が早くて驚いたんだった。それはちょっと覚えてる。今年はどうなることだろう。
我が家の金木犀の記録:

2014年【9/28】 「金木犀ピーク。例年より早い」
2013年【10/14】 「金木犀が暑さでモリモリ返り咲き。ボウル2杯収穫してケーキにした」
2012年【10/21】 「金木犀が満開。花を摘んでジャムにした」
2010年【10/11】 「金木犀が散り始めたので友達みんな呼んで花見。今年は雨と暑さで花の盛りが短い」
2011年【10/8】 「なんだか甘い匂いがする」と娘がいう。それは金木犀の匂いだ。
2009年【10/11】 「金木犀の香りに酔いそう。ジャムとケーキとお酒を仕込む」
2008年【10/11】 「庭で金木犀が満開。桂花陳酒が欲しいと夫に言ったら、ジャムを作ってくれた。桂花醤というらしい」

大学生の時、10才近く年上の社会人の先輩と一緒に古新聞の整理をしていた時のことを思い出す。
その年は観測史上最高気温が記録されるほどの猛暑で、だけど夏前に発行された紙面には、『今年も冷夏の恐れ』という大見出しが踊っていたんだった。そうなんだよ、出来事の前には誰も先のことは分からないんだ、終わってみるとコレしか無かった、理由はこうだって思うけどなあ!と先輩がすっごいウケていつまでも繰り返してて、私はそんなにピンと来なくて、へらへらしていたんだった。

いつの間にか先輩の年を10歳以上追い越して、あーそうだ、その時はその後に続く出来事なんて想像もしてなかった、でも確かに振り返ってみればコレしかない……と思ったり。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

冷夏の件で言えば、違う結果に終われば、「こうなるのは分かってた、予測された冷夏だった」って認識になるんだな……と考えると、なんだかおかしな感じがする。

時間の構造って、そうだよな。
知らないで突入して、初めて知る。でもふり返ってみたからって、実際起こった以外のルートのことなんて知り得ない。善悪とは別に、起こったことが正しいことだ。私は1万年後は人間はいないんじゃないかなって思うけど、夫はそれくらいはまだまだ変わらずいるでしょって言う。どっちが正しいか、結果を絶対に知り得ないのが、残念だ。

『5万年前』(ニコラス・ウェイド)

今の人類は5万年前の祖先集団の旅から始まった、という話。

で、全然、本のテーマとはずれるけど、5万年前の1万年間と、今からの1万年間じゃ、速度が違うと思うんだ。


[PR]

by macchi73 | 2015-09-16 22:25 | 書籍・CD | Comments(2)
2015年 08月 26日
【夏休み読書感想】野ねずみハツラツ 六つのぼうけん
e0134713_253455.jpg

夏休みの読書感想文のために図書館で借りてきた本がとても面白かったから、お母さんも夜に読んでみて、と子供に言われた。

で、帰宅してさっき読んだ(夜更かし)。なんとなくシーンとして幸せな気分になった。
好奇心旺盛な野ねずみのハツラツが、『ハネノヨウニ』という名前のいかだを作って、旅に出る話。


風がやみました。
船べりをたたいていたゆるやかな波の音も、とまりました。
おこっていたカモの声も、しずかになりました。
やがてハツラツは、音のない夢の世界をただよっている気分になりました。きこえてくるのは、水の中でゆれうごくじぶんのしっぽの音ばかり−−。

この幸せな気分の原因は何かな?と考えるに、登場人物(動物だけど)がそれぞれの性質のままで暮らしてるからだと思う。好奇心に満ちたハツラツは勿論魅力的なんだけど、それ以外の動物たちも、心配性は心配性のまま、意地悪は意地悪のまま、内向的は内向的のまま、それもアリの描かれ方をしている。あと、文章が淡々としていて詩的だ。ピーター・パーナルのモノクロの挿絵も文章に似合っている。

なんか、真善美を目指して努力して一路に自分を磨くような話より、こういう散漫な物語の中には美とポエジーがあると感じた。バリエーションがある世界って綺麗だ。(ま、真善美を目指す話には、その代わり力強いストーリーがあるけど)

良い性質でも悪い性質でも、自分の素質のまま生きるということの中には一つの美があると思う。
やっぱ、躾とか自己研鑽とかいう行動の中には、生来のものを撓めるとか損なうって面は、どうしても含まれてきてしまうからかな。
ついつい子供には「こうあるべき」っていう道徳的なことを言ってしまったりもするけど、本当はそのまま任せておいて、自分の性質に沿った在り方を開拓するままにしとくので良いのかもしれない。

わたしはサミシガリヤが好きかな、と娘が言ったので:
ハツラツは、病人のベッドのそばにすわりました。そしてふたりして、何時間もおしゃべりをしました。とてもいい話し合いでした。
おたがいに、じぶんの意見をのべました。
ハツラツは、世の中へぼうけんの旅に出て、いろいろ見てまわるのはすばらしいことだよ、と主張しました。
サミシガリヤは、そんなこと、しないほうが安全だよ、と主張しました。
そんなある朝のことです。
ベッドの中からサミシガリヤは、ノネズミがやぶれた上着にブラシをかけ、ひげをみがいているのを見かけました。
それでサミシガリヤは、ハツラツが出ていきたがっていることを、はっきりと感じとりました。だれが見たって、そう思ったでしょう。
サミシガリヤは、からだに毛布をまきつけました。そして、ハツラツが不幸になるのをおそれながら、あとを追って外に出てきました。
ジャコウネズミはノネズミに、出かけたがっているように見えるけど、ほんとうかい、とたずねました。
「百パーセント、あたってるよ。」
ジャコウネズミは、ハツラツのいかだに、ユリやヒシの実など、おいしい食料をつみこみました。そして、ハツラツがいかだのつなをほどいているとき、こうさけびました。
「世の中とやらに、ぼくからよろしくってつたえておくれ!」

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

読書ノルマは5冊で、あとの4冊はこちら。
ポーやシェイクスピアは、もうちょっと大人っぽい版(?)を読んで欲しかった気もするが、なかなか良いセレクトだと思う。

問題は、今週だけで全部読んで感想文まで書けるのか?という点だけど……うるさく言うまい。計画性の無さもそのまま温存して育つが良い(ダメか?)。


『おとうさんがいっぱい』(三田村 信行)


⚫︎選んだ理由:
夏だから怖い本を一冊。お姉ちゃんとお兄ちゃんがお母さんに読まされてトラウマになったって言ってたから。




『にあんちゃん』(安本 末子)


⚫︎選んだ理由:
同じ年の女の子の日記だから。あと、昔の夏の戦後の記録として良い本だから読めとお母さんに言われた(←強制。でもお母さん間違った。戦後10年くらいの話で戦争とは直接は関係ない……。でも良い本)。



『夏の夜の夢』(シェイクスピア)


⚫︎選んだ理由:
夏休みだから夏の本にした。目次にほとんど全部「恋」っていう字が入っているのはおかしい。




『黒猫・黄金虫』(エドガー・アラン・ポー)


⚫︎選んだ理由:
江戸川コナンの元の、江戸川乱歩の元の、エドガー・アラン・ポーは、いつかは読まないといけないと思っていたから。


[PR]

by macchi73 | 2015-08-26 02:38 | 書籍・CD | Comments(2)
2015年 08月 06日
センス・オブ・ワンダー
楽しかった夏休みも終わって、私は仕事の日々に戻った。
私以外の家族は全員まだまだ夏休みで、夜に仕事から帰ると、家の中にふわふわした休みの雰囲気が漂っている。

明るいうちに帰宅すれば、夕方の散歩が待っている。
ピンク色の夕焼け、蝉の声、虫捕り網を持った末っ子の駆け足、陸橋から見る小さい夜景。

e0134713_22244343.jpg

蝉の声が降ってくる木の下で、あ、と立ち止まって、「ねえ目をつぶってここ立ってみて」と娘が言った。その通りにしてみたら、「いいよ」と今度は私の体をぐるっと回して、「もう一回、目をつぶって聞いてごらん」と言う。そして、「ね、面白くない?」と聞いてくる。

まるで謎かけみたいだけど、実際にやってみればすぐに分かった。
木に向かって立てば、体じゅうが蝉の声に包まれる。背を向けて立てば、少し和らぐ蝉の声。
その後は、ずっと二人で左右にブルンブルン首を振りながら夕方の林沿いの道を歩いた。首を振るたび、蝉の声が大きくなったり小さくなったりする。珍しい音の世界を歩いている感じ。(←見ている人も、珍しい首振り親子を見てる感じ?)

暗くなれば、他の家族とも待ち合わせして、新しくできたタイ料理のお店で食事して帰る。
食後、子どもたちの絶え間ないお喋りが一緒くたになって、わあわあ言う蝉の声にまた似てる。湿ったドライヤーのような温風(熱風?)に吹かれて歩いていたら、ここは南国みたいだとクラクラした。子どもたちと一緒だと、どこにいても時々、知った風景が珍しい新しい場所みたいに感じられる。

そんな感じで、自分の休みは終わったけど、まだまだみんなの夏休みのおすそ分けをもらい中。

* * * * * * * * * * * * * * * * *

ふと思い出したのは、レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』。

たぶん夜の海でぞくぞくして二人で笑い合ったとき、大御所レイチェルが小さいロジャーに与えた影響より、小さいロジャーがレイチェルに与えた影響の方が大きかったのではと思う。そして、小さいロジャーは、大きくなったロジャーとは地続きの存在のようでいて、その一瞬だけのなにか別物でもある。子どもって呪物だ。

『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン)

作家レイチェルが彼女の姪の子である小さなロジャーと一緒に自然の神秘に触れる日々を綴ったコンパクトな一冊。その後、ロジャーは5歳の時に母を失い、レイチェルに育てられた。

原本の扉に記された、編集者からの短いコメント:
レイチェル・カーソンはこの『センス・オブ・ワンダー』をさらにふくらませたいと考えていた。しかし、それを成し遂げる前に、彼女の生命の灯は燃え尽きてしまった。
生前、彼女がねがっていたように、

この本をロジャーにおくる
生前のレイチェルが本をおくりたいと願ったのは、彼自身の人生を生きている本物のロジャーだったか?それとも記憶の中の小さいロジャーだったか?と考えたとき、後者なんじゃないかなあとか、ふと思ってしまった。

訳者は書いている。
一九八〇年、私はこのロジャーと対面することになった。(中略)私が会ったロジャーは、ボストンに住む、背の高いがっしりとした青年になっていた。その頃は音楽に関する仕事をしていて、ナイーヴな繊細な神経の持ち主のように見受けられた。レイチェルのことは、まだ子どもだったのでよく覚えていないなどと語っていたが、誇りに思っているのは確かだった。『沈黙の春』の業績に対して与えられた数々の賞のうち、レイチェルが最も喜んだという、シュバイツァーメダルを大切そうに出してきて見せてくれた。私はもう一度、メインの潮風の下でロジャーに会いたいと願っている。聞くところによると、現在ロジャーは、コンピュータ関連のビジネスマンで、二児の父ということだ。
それで私は、また勝手に想像。
『センス・オブ・ワンダー』は確かに人生の素晴らしい瞬間を切り取った本ではあったけど、大人になったロジャーの中でのレイチェルの存在は、そんなに大した割合はなかったんではないか、とか。少なくとも、レイチェルが小さいロジャーを思い出したようには、大きいロジャーはレイチェルを思い出さなかったのでは、とか。

子どもと一緒に過ごす一瞬って、それ自体でキラッとした輝きがある(こともある)っていうだけのもので、実はそれ以外の大した意味はなく、子どもたちはどんどん色んなものを後ろに置いて進んでいく。だから自分もそこに居合わせてラッキーくらいの気持ちで、その短い瞬間を、センス・オブ・ワンダーを、適当に楽しむくらいで良いかもなと思ったり。


[PR]

by macchi73 | 2015-08-06 23:52 | 書籍・CD | Comments(3)
2015年 07月 25日
イギリス夏休みドライブ:4〜5日目(ジュラシックコーストなど)
e0134713_1746916.jpg

イングランド南部の海岸を、海に沿ってずっと東進してみる。
このあたりの海岸はジュラ紀の地層があるためジュラシック・コーストと呼ばれ、アンモナイトの化石が採れるっぽい。

予定としては、化石採りはLyme Regis〜Charmouthで主に行い、West Lulworth辺りでは白いチョーク層でできた断崖絶壁の景観を楽しむつもりだったのだが、前半から目一杯楽しみすぎて、Lulworhは無しになった。がーん。でも楽しかったから良し!
e0134713_17472988.jpg

 4日目(ジュラシックコーストで化石採り)


▶︎ 8:30 宿出発
今朝は朝からたいへんな快晴。
ふと見たら、なぜか全員同じポーズで並んで寝てるから、笑ってしまった。同んなじ夢でも見てんのかよー。

みんなー起きろー!とカーテンを開ければ、まぶしい朝日のおかげで夫以外のみんなはスッキリ早起きして遊び出す。ぐーぐー寝ている夫よ、連日の運転手お疲れさま……。
e0134713_17475447.jpg

ちなみに本日は土曜の朝で、昨夜ロンドンでの仕事が終わったもう一名の友人もここから合流。
旅の仲間を増やし、みんなで一緒にホテルの朝食を食べて、熱いコーヒー飲んで、化石採りに出発だ!

▶︎ 9:00 寄り道、無駄足
道中、青空が気持ち良い。
宿からエクスマウス方面に一旦下ると A la Ronde という面白そうな建物があるので、それを見てから海岸に向かおうと誘ったら……開場が11時からだった。ショック。きちんと調べてなくてごめん!(←って、こればっか)

気を取り直してLyme Regisへと向かう。
(でもなんだか楽しそうなとこなんだよなー。機会あれば行きたい。→A la Ronde 公式サイト
e0134713_17482439.jpg

▶︎ 10:00 - 14:30 ライムレジス(Lyme Regis)
ジュラシックコーストの開始点とも言える、ライムレジスに到着。
ライムレジスは、想像していた以上にリゾート地っぽい明るい雰囲気の綺麗な街で、淡いピンクや水色の建物やマリンな感じのお店が多くて、なんとなく心浮き立つ。

ここから隣町のチャーマスまでは、海岸沿いに歩いても1時間はかからない距離で、化石探しツアーとかできるみたいだ。インフォメーションセンターで「昼頃からは潮が引くから、そしたらアッチに見える博物館でやってる化石ツアーに参加できるよ」と教えてもらう。
e0134713_17483632.jpg

ふーん、化石ってどんなのかなーと適当に足元を見ながらみんなのとこに向かうと、ライムレジスの海岸って丸くて滑らかな小石で面白い。マットな質感の純白の石が多いので、ちょっと割ってみたら、中身は黒くて透明感のあるガラス質で、その中に点々と星のような白い斑点が見えて綺麗だ(ちょっとピータンみたい)。けど、これは化石じゃないよなあ。
e0134713_17485310.jpg

そんな感じで、化石拾いはお昼すぎからかなーなんて話して、海岸でゴロゴロする。

そしたら、「あ、これは?」と娘。
大きなダンゴムシっぽい模様がプレスされた石を持っている。なんと、いきなり化石っぽいか?
e0134713_17501879.jpg

朝は人もあまりおらず、ただただ静かで美しい海岸という感じだったが、昼が近づくにつれ、気づくとかなりの人出になってきた。

朝に見たときには「物置が並んでるのかな?」と思ったものが、持ち主が来て鍵を開けると、中は小さなコテージみたいになってるのも判明。

e0134713_17503695.jpgこの写真はアッサリした内装だけど、綺麗なカーテンやら小物やらソファやらミニキッチンやらが作り込まれ、居心地良い小さなお家みたいに整えられているものも多かった。

長期滞在する人たちが海遊び用にレンタルするモノなのかな?それとも住民の所有物なのかな?

海岸でもこのミニコテージ前でも、お茶など飲みながら椅子に体を伸ばしてじっと動かない人が多い。

海辺のヨーロピアンって、なんだか日光浴中のカナヘビに似てる……。


街の規模としては、ライムレジスが色んなお店があって楽しいリゾート、チャーマスは長閑な海水浴場という感じっぽい。なので、1時間くらいライムレジスの街を楽しんでから早目のランチを食べて、化石を拾いながらチャーマスに向かえたら良いかなーというのが、当初の構想だったのだが。

あまりの天気の良さとリゾートな雰囲気に、みんなが好き勝手な行動に……

⚫︎子供たちが水着に着替えて、本格的に海遊びを始め出す
⚫︎女たち(私と友人)がショッピングし始める(かわいいお店がいっぱいなんだ!)
⚫︎男たち(夫と友人)は海辺の日光浴でうつらうつらしたり、立ち読みに熱中したり

で、楽しい街だねーと女二人でショッピングバッグを両手に下げて、ふと街の時計を見たら……

うわっ、いつの間にか14時くらい。

えーっ、いつの間に!お昼ご飯も食べてないじゃん!時間たつの早いよ!
慌てて各所に散ったみんなを探し、リゾート感に満ち満ちたカフェで美味しいお昼を食べた。子供たちはもはや、化石より海水浴に夢中。

ううーん。昼過ぎくらいまで化石探しして、午後からは景観で有名な「ウェストラルワース〜ダードルドア」の散策しようと思ってたんだけどなー。どうしよっかな?と考えて、とりあえず、チャーマスにはサクッと車で行ってみることにする。チャーマスの方が、化石に関しては本場らしいし。

▶︎ 15:00 チャーマス(Charmouth)
ライムレジスからチャーマスは、車でほんのすぐのところだった。到着するなり、眼前に広がるイギリス海峡!

すごい綺麗!!海がキラキラしてる!

ライムレジスとは雰囲気が全く違い、お店や人出はあまりなくて、ただただ綺麗な海が静かに広がるばかりといった感じ。開放感がすごい。
e0134713_17511829.jpg

地形としては、海へ向かう綺麗な川があって小さな橋がかかっている。
ちなみに河川名はRiver Char。そっかー、だから河口にあたるこの場所がCharmouthなのか!

橋の上流は河川公園のような感じで水鳥たちが浮かび、河口付近の浅瀬では小さい子供たちが水遊びしている。また、海に向かって左側はイギリス南部海岸特有の断崖絶壁の丘になっていて、丘の上は草が青々と風にそよいでいる。海に面した崖面は、灰色〜白のチョークのような質感の地層で美しい。

↓河口付近の小さな橋に立って眺める、River Charの上流と下流。
e0134713_17514076.jpg

↓ 緑の広がる丘だが、その海岸側は断崖絶壁になっている。奥の方はチョークみたいに白い壁面で、南海岸に特徴的な地層らしい。

e0134713_1752128.jpg

ここで心のタガが外れてしまい(?)、私も水着になって子供たちと泳ぎまくる。

チビたちと3人で広い空の下、ザバザバと水を漕いでイギリス海峡に向かえば、聞こえるのは波の音ばかり。遠浅に見えて、ある程度行くと急に深さが出るので注意。macchi, 来るよ、次大きいの来るよ!と子供たちが期待に満ちた声で叫びながら両腕にしがみついて来ると、大きな波が来て体がブワッっと持ち上がって、グルっと海面と空とが見える。悲鳴をあげる子供たち、楽しそう。ねー、旅行来てよかったでしょー!と叫べば、「よかったー!」「よかったー!」と答える。すっごい楽しい。

一方、私以外の大人3人は水に入りはしなかったが、静かに海を楽しみながら、崖によじ登ったり、ずっと遠くまで歩いて黙々と化石を探したりしていたようだ。

その成果はこちら。素晴らしい!!

e0134713_17523016.jpg一番大きな化石をとった友人にコツを聞く。

「なんかずーっと波打ち際を歩きながら波が引くところをじっと見てると、砂の中にポツンとあったりするよ」

その背後で、最初に一人だけリードして化石の数を集め、みんなの羨望を集めていた夫が、密かに悔しそうにしてる。



——なんかたのしいねえ
——のどかだねえ
——もう今日はここだけで充分だね
——っていうか、すごい楽しいから、あともう一日旅程を伸ばして明日も遊ぼうか。海辺で宿、適当にとってさ……

なんて会話を夫として、それぞれ、気の済むまで夕方まで好きに過ごした。全員ばらばらに(気楽)。
景観で有名な「ウェストラルワース〜ダードルドア」に行く予定は省くことになったけど、なんかとっても幸せな気分だからこれで良いや。

しかし私たちは考えていなかった。
こんなに幸せで頭を空っぽにしたのんびりタイムのおかげで、本日の宿の手配をまったくしていなかったツケが後から来ることを……。(頭、からっぽにし過ぎ!)


▶︎ 19:30 ウェイマス着
綺麗な港町、ウェイマスにやってきた。
これまで見た軍港プリマス、商港ブリストルとはまた違った、開放的で享楽的な感じの港町だ。
e0134713_17525130.jpg

リゾート地らしく通りにホテルもいっぱい並んでいるので、さすがにどこかは空いてるだろうと、スマートフォンを使い慣れたメンズがウェブサイトで検索しまくっているが、どこもかしこもNO VACANCYのようだ。微かに「あれ、これ今晩大丈夫かな?」という気分が漂ってくる。

で、ホテルもアレだけど、晩ごはんのお店どうする?という話になり、久々に魚介類が食べたくなった私が美味しそうなシーフードを出すところを探して、今度はちゃんと開店中であることを確認してからお店に向かう。

そしたら、今夜は満席とのこと!(←いつもツメが甘くてごめん!)
付近のお店も軒並み満席っぽい。なんだよリゾートっぽくてすごい美味しそうな店なのにーと未練を残しつつ、更に南下してポートランド島というところに渡ってみる。
e0134713_1753663.jpg

▶︎ 20:30 ポートランド島
南端に灯台があるようなので向ってみるが、あまり観光の時間はない。子供たちが入店できる時間が過ぎちゃうよ(だいたい9時までのことが多い)ということで、少し慌てながら島の中のお店を探してドライブ。辺りが暗くなってきた。ドキドキ。

(でもここも良いところっぽい → Portland Bill Lighthouse)

▶︎ 21:00 - 22:30 食事
車を流していて、友人がお店を見つけた。今から子連れで入れますか?と聞いたら、OKだという。良かった!

入ってみたら、中はグラスとナプキンが綺麗にセットされた長テーブルで、ちょっとばかしシックなお店という感じ。そしてメニューには、食べたかったシーフードが沢山だ!ラッキー!
ヒラメやカニ、リッチな前菜からメインまでたっぷりゆっくり食べて、なんか良いお店に入れたねーと、みんな満足。全ての心配事を忘れて、満腹で満面の笑顔だ。「この幸運の流れで意外と宿も見つかるんじゃない?」と気楽に言う女たち。問題はインターネット使いの男たち(主に在英友人)に丸投げ状態。

帰り道、海に映るポートランドの夜景が綺麗で「ほー」とため息が出るが、今夜の宿はどうしよう……。

▶︎ 24:00 車中泊
結局、手を尽くして探したが、一帯の宿はどこも満漢全席……じゃないや全館満席ということが判明した。そっかー、今の時期は欧州の皆さんのバカンス時期でもあるんだもんなあ。仕方ない。

で、私が得意の「えー、それでは皆さん、今日は野宿、あるいは車中泊で……」という意見を述べたところ、今回は「それも仕方なしか」ということで受け入れられた。お、やっと野宿嫌いの夫が折れたぞ!と、ちょっと嬉しい。が、友人たちには申し訳なし。

macchiは明日は何したい?と友人に聞かれたので、地図を見て、こっからだったらNew Forestの国立公園とか見に行きたいと遠慮なく話したら、じゃあその付近まで言って適当に車停めて寝ようということになった。その後はあんまり意識がない。ドライバー陣はきっと大変だったことだろう。感謝。


 5日目(ニューフォレスト)


▶︎ 6:00 New Forest National Park
朝早くからベッドでもある車が動き出し、なんだか夢心地でぼんやりしてたら、いつの間にかニューフォレスト国立公園だった。

ダートムア国立公園は一面のムーアだったが、こちらは名前の通り、森林の公園っぽい。

冷たい空気の朝の森林浴で、だんだんと目が覚めて来る。鳥たち、馬たち、ウサギたちの群れがいた。綺麗。子供達は車の後部座席で布に埋もれて静かに寝息をたてている。ここは私一人の趣味だけのために立ち寄ってくれたって感じだったな。恐縮。
e0134713_17533719.jpg

▶︎ 8:30 ストーンヘンジ、朝食
冷たい雨が降ってきた。気温は14度(これで夏か!)。ストーンヘンジのあるソールズベリーで休憩。ストーンヘンジ観光は9:00から運行されるシャトルバスでしか行けないみたいなんだけど、ショップと食堂はもう開いていた。ストーンヘンジのイメージとは違うガラス張りのモダンなショップで、お土産を買ったり、温かいスープを飲んで温まる。

そうこうしてたら、ビニール合羽に身を包んだ15名ほどの集団がとぼとぼとストーンヘンジから帰って来るのが見えた。彼ら、みんな押し黙って無言。下を向いている。寒いのか?辛いのか?ションボリしてるのか?

で、ストーンヘンジは道すがら眺めるだけでいいね、なんて話し、一路ロンドンへ急ぐ。
e0134713_17544636.jpg

▶︎ 12:00 ロンドン着
雨も上がり暖かくなり、友人たちのよく行くショップで買い物してから、おすすめイタリア料理店でランチ。連日の移動旅行、お疲れ様〜!と、ノンアルコールで乾杯。

それから家に帰って(←友人宅だけど)、お風呂はいったり着替えたりして、すっきりする。
それから「旅行もいいけど、やっぱ家はいいね〜!」なんて寛いで(←友人宅だけど)、子供たちにネイルしてもらったりボードゲームしたりしてたら、いつの間にかガクッと寝落ちしてしまった。

気づくと一人で目覚めたらしき友人(途中参加で一番疲れてるはず……)がインド人街から美味しいインド料理をいっぱいテイクアウトしてきてくれてて、みんなで最後の晩餐。こういうの好きでしょ、全然俺も使ったことないけど、と見たこともない謎のインドスパイスをどっさりくれた。なんとお礼を言ったら良いのやら。

 お別れ


翌朝、空港まで見送ってもらって、みんなにさよなら。
しかも、長いことご無沙汰していたイギリス在住の先輩たちまで見送りに来てくれてて、びっくり&ちょっと感激。

それじゃあまたね、元気でね、としみじみ別れを惜しみそうになった瞬間……

夫が「うわ、どうしよう、車にPC忘れた!!」とか青ざめて叫び、一挙にその場がバタバタに!

出勤中の友人に空港まで届けてもらうという大迷惑をかけて、なんとも締まらない別れになった。最後の最後まで、ごめん!

10日間、過ごしてみればアッという間だったなー。
おかげで私はとっても楽しい旅行だった。みんなもそうだったら良いんだけど。正直、自信はない。
e0134713_18481691.jpg


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

行きのフライトで見たPee Makがすごく笑えたので、帰りのフライトでもタイのホラー映画を見た。そしたらこっちは真面目に作った映画だった(怖くないけど)。



Ladda Land(amazon.co.jpで調べる)

タイ映画史上最もヒットしたホラー作品らしい。しかしおそろしく怖くない……。

作りとしては、日本の『リング』系のビックリ怖がらせ映画だと思うのに、やっぱりちょっとした国民性の違いのせいなのか、ラッダ・ランドに出てくるピー(幽霊)は1ミリもビックリもしないし怖くもなかった。というか、ピーが冷蔵庫から出てこようとしたらビビったお父さんが扉を閉めてしまってピーが閉じ込められるとか、物を投げ合って人と戦うピーとか、真面目に作ってる割におかしくないか。ピーって、ただの近所の変な人か?って感じ。

でもそのかわり、幽霊話以外のとこが、かなりグッと来た。
家族大好きなお父さんなのに、仕事も家庭もやることなすこと裏目に出て上手くいかず、どんどん追い詰められて最後はとんでもなく辛いことになってしまう……。ピーは怖くないけど、お父さんが怖い。落ち着け、お父さん、落ち着いてくれ!なんだか泣けた。

お父さん役の役者(サハラット・サンカプリーチャー)がとにかく優しそうで良かった。ちょっと夫に似てるかな。

Pee Makの主人公もそうだったが、タイって優しくって弱気そうな男性が人気なのか? ヒロインの方がキリッと頼もしい。


[PR]

by macchi73 | 2015-07-25 23:55 | 書籍・CD | Comments(0)
2015年 07月 24日
イギリス夏休みドライブ:3日目(エデン・プロジェクト)
e0134713_2123729.jpg
2015夏休み旅行の3日目は、残念ながら朝から大雨だったので屋内で過ごせるエデン・プロジェクトをゆっくりみることにした。
エデン・プロジェクトは、大きな植物園みたいなものではあるが、バイオームと呼ばれるドームの中に、イギリスとは違う気候の環境が人工的に作られており、世界中から集められた各種植物が栽培されているのが特徴。
e0134713_2124621.jpg

 3日目(エデン・プロジェクト観光)


▶︎ 8:00 予定変更
3日目は、朝早くから激しい雨。
これまでの雨は、パラパラ降ってもすぐに光が差したりして屋外活動に問題なかったが、今日はさすがにダメっぽい……。

なので、今日は屋根のある施設、エデンプロジェクトでゆっくり過ごすことにした。エデンプロジェクトは、日本でイギリス旅行を計画中に娘が一番食いつきが良かった場所だし、ちょうど良いかもしれない。

宿で美味しい朝食を食べてから、出発!

▶︎ 9:00 宿出発、雨の湿原
せっかくの雨なので、ムーアの本当の湿原状態も見てみたいところ。
ということで、すぐに高速にはのらずに、ダートムアの中を通って西に向かう。

すごい雨で、ムーアは一面の霧。運転していても前方が見えない。これは湿原の本領発揮を期待できそうだ。
e0134713_2121886.jpg

ダートムアに入ってしばらく進むと、あちこちに昨日とは違って水場ができているのが分かった。
e0134713_212272.jpg

動物たちはどうしているんだろう?と思ったら、昨日より見かける数がかなり少ないので、どこか良い場所で雨宿りしているのかもしれない。ただ、体の大きな馬や羊はわりと平気な顔で、その辺の藪の中でムシャムシャ草を食べていたりもした。動物はそんなに気にしないのかな。

この状態の地面ってどんな感じなんだろうと思い、適当な場所に車をとめて歩き回ってみた。
そしたら、水たまりなどないように見える地面でも、水がたっぷり含まれていて、歩くたびにジュワッと水が滲み出て足跡部分が水たまりになる。本当にスポンジみたいだ。

e0134713_2122533.jpg
↑地面に水は見えないのに、走り回ると足元からは水しぶきが上がる。面白い。

▶︎ 10:00 迷子
道を数回間違えたら、どんどん変なところに迷い込んでしまう。ナビにももう ”Unnamed” としか判定されない道ばかり。ダートムアはとっくに出ているはずだけど、よくわからないことになってきた……。道幅がどんどん狭くなってきて、そのうち舗装もない土の道になってきて、道に森が被さって来て枝が窓にビシバシぶつかったりする。
e0134713_2121612.jpg

建造物発見。この橋みたいなのは何だろう?地図で探してみたけど、ちょっとわからなかった。水道か何かかな?
e0134713_2122976.jpg

▶︎ 12:00 エデンプロジェクト到着
やっと道にエデンプロジェクトの看板発見。
宿からエデンプロジェクトまではダートムアを通っても2時間はかからないはずだったが、迷子やら何やらで、結局3時間かかってしまった……。

看板に従い、駐車場に車を停めて、ここからは遊歩道を歩くかシャトルバスに乗るかするようだ。もう乗り物はみんな飽きてたので、遊歩道を歩いて行くことにする。
e0134713_2123999.jpg

エデンプロジェクトはイギリス人の夏休みの結構な人気スポットらしく、場内についてからもチケットゲートまでの待ち時間1時間という案内が出て、人が並んでいた。「ちょっとmacchi, 1時間って、どうすんだよ……」と夫が嫌そうに言う。ムッ。これは私が大嫌いな質問だ。そりゃ選択肢は二つ、黙って待つか、嫌なら引き返すかしかないね、と少し意地悪な感じで答えてしまう。

が、並んでみたら、チケットゲートまでの道のりにも綺麗な植物や模型がレイアウトされていたり、お手洗いがあったり、動く怪獣(手人形)を連れたスタッフが並んでいる子どもたちが飽きないような対応をして回ってくれていたりで、そんなに待っている感覚でもなかった(実際には40分弱くらい)。
e0134713_212206.jpg

▶︎ 13:00 - 17:00 エデンプロジェクト見学
場内は植物園らしくいろんな草花で彩られている。早速、一番面白そうな熱帯バイオームへと突入!
e0134713_2123559.jpg

園内には水場や熱帯住居、本物みたいな滝もあって、ムワッとした熱帯の中、マイナスイオンを浴びられたりした。また、熱帯の鳥たちが、木々の間を飛び回っていたり、足元を歩いていたりもする。楽しい。

子どもがやたら笑っていたのは、Baka Campというプレート。なんだかな……こういうとこだけ目敏いよな……。
e0134713_2124196.jpg

それと一番面白がっていたのは、バイオーム内、高さ50mのところまで登れる階段。
登ると足元が網になっていて、網越しや手摺り越しに下を覗くとチョー怖い!下を覗き込んでる子どもの姿を見ると、自分で覗き込むよりも更に怖い!!

キューガーデンのTreetop Walkway(18m)は怖くなかったのに……50mの威力って凄い。
e0134713_2124389.jpg

そんなこんなで、一番派手な熱帯バイオドームを楽しんだ後、食堂のオープンテラスでランチして、他のスポットもざっと見て、17:00頃にシャトルバスでエデンプロジェクトを後にした。ちょっと駆け足だったけど、楽しかった!

ちなみに、午前中早い時間帯に着くようにすれば、たぶん入場も並ばず、もっとゆっくり楽しめると思う。


▶︎ 18:00 - 19:30 プリマス
エデンプロジェクトを出たが、更に西進してランズエンドなど目指すか、東の方に戻るかを少し悩む。

結果、西は諦めて、東へ1時間ほどのプリマスに行くことに決めた。
ランズエンドまで行って「イギリス最西端制覇!」と達成感を得たい感じはするけど、戻り時間を考えると、子どもはドライブばっかり長くなっちゃってあんまり面白くないだろうしなー。

で、プリマスについたらいい感じに雨は上がって、みるみる明るい光がさしてきた。広々した海の景色が気持ち良くっていい感じ!
e0134713_2182889.jpg

しかも、偶然何かのイベントらしく、広場には屋台や移動遊園地がセッティングされていて、ステージではヘビメタっぽいライブが行われている。

お祭り気分に盛り上がり、最初、乗り物のりたーい!と浮かれて走り回る子供たち。
が、実際に乗っている人たちの様子と悲鳴を見たらすっかり怖気付いてしまい(遠心力系の激しい乗り物ばかり。ヘビメタだから?)、一緒に乗ろうよ〜乗りたいんでしょ〜と追いかけると、「乗らない!乗らない!広場の方がイイ!macchiイジワル!お母さんイジワル!」と走って逃げ惑う子供たちであった。うひひ。
e0134713_2123193.jpg

プリマスの港、光がさして綺麗だ。
e0134713_2123337.jpg

1620年、ピルグリムファーザーズを乗せたメイフラワー号が新大陸アメリカに向けて出発したのも、この港。

世界の植物を集約するエデンプロジェクトというのもなんとなく大英帝国という感じだし、探検家フランシス・ドレーク船長が拠点としたのもこのプリマス港と考えると、凄い勢いで海外に拡張していた大英帝国の昔日を思ってしまう。植民地とか各種戦争とかの是非はあるけれど、やっぱり、外へ外へと拡大しようという人間の精神には、何かしらのロマンを感じたりもしなくもない。

▶︎ 21:00 ホテル着
プリマスを散策した後は、明日からの化石拾いに備えて、1時間半ほど東のエクセターまで戻った。
道中、子どもは疲れて眠ってしまって静か。連日の移動、お疲れさん。眠ってる子供って、かわいいものだ。

e0134713_247424.jpg宿についたら起きた。起きたら生意気だった。

「今日のホテルはまあまあ合格」



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

夜のドライブ中、夫が気に入ってずっとかけていたCD。
旅の出発前に友人から借りた一枚だが、子供達には不評で、「曲交換!」とビシッと言われるので、寝てる間に……。

Die Buben im Pelz & Freundinnen

なんかよく分からないドイツ(or オーストリア?)のバンドの、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのコピーアルバム。よく見ると、ジャケットがウォーホールのバナナ(本家版ジャケ)じゃなくて、ソーセージになっている。

長距離ドライブ中のリピート再生で耳に馴染んでしまって、「もう本家よりこっちの方が断然イイよ、聞いてるとイギリスの風景が浮かんでくる……」と、旅行後の夫の愛聴盤になってしまった感あり。


[PR]

by macchi73 | 2015-07-24 23:55 | 書籍・CD | Comments(0)