カテゴリ:【生物】昆虫・その他の生物( 250 )

2017年 03月 27日
ヨモギハエボシフシ(蓬葉烏帽子付子)、ヨモギ草餅
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娘と土手で蓬摘み。柔らかそうな若芽を選んで摘む。ヨモギらしい良い匂いがする。

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娘が「へえ!ヨモギって赤い花が咲くんだねー」というのでみたら、一部の株に、点々と赤い粒のようなものがついていた。

あ、これは花じゃなくて虫瘤だ。ハチかハエが産卵した跡が膨らんで個室のベッドみたいになってるんだよ、中には小さい芋虫が入ってるはずと教えたら、「それでは一つだけ失礼して……」と、割ってみる娘。ふんふん頷きながら中を覗き見ている。

e0134713_16103968.jpgヨモギの茎や葉に見られるこの赤い瘤は、ヨモギエボシタマバエの産卵跡(ヨモギバ烏帽子フシ)かな。

ポツンポツンと一粒ずつ点在するのが普通のようだが、たまにこんな風に虫コブ同士がくっついて、けっこう大きなコブになっているものも見られた。



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翌日は雨の日曜日。起きるなり、ヨモギ餅を作る。

ヨモギを湯がいていると、台所に良い匂いの湯気が漂って、なにかリラックスした気分になる。
あっ!確かヨモギ蒸しっていうエステがあるんじゃなかったっけ!?と、よく知らないことを寝ぼけ頭でひらめいて、鍋の近くに直立して湯気にあたってみたりする。

それから餅とヨモギをつく。薄暗いキッチンに、ゴッ、ペタ、ゴッ、ペタ、という音が響き渡る。カンボジアの友達からもらったバットのように大きな擂粉木が大活躍だ。音を聞きつけて娘がやってくる。
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つきあがったなめらかな草色の餅を、娘と二人で丸める。

春らしい緑色がミドリガメのアオ−−目下裏庭で冬眠中の亀11才−−を無意識に思い出させたのか、ふと気づいたら手元にミドリガメ型の草餅が一つできあがっていた(嘘)。アオもそろそろ、冬眠明けかもしれないなあ。
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一方、小豆餡があまり好きではない末っ子は、串団子をきな粉でいただくことにしたようだ……と思ってよく見たら、串団子ではなくて芋虫型のお団子だった。うわっ、それもちょっと食品センスとしてどうなんだ!?まさかヨモギエボシタマバエの幼虫なのか!?
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しかし形はともあれ芋虫型であれ、フレッシュな若いヨモギで作った草餅は、爽やかな香りでとっても美味しかったです。
レシピはこちらを参考に、ただしヨモギはフレッシュで:
 木内製粉(株):草もちの作り方

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by macchi73 | 2017-03-27 07:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(2)
2017年 01月 29日
ウスバフユシャク交尾(薄羽冬尺)
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仕事関係で出かけた先が玉川上水の近くだったので、考え事ついでに上水沿いに15kmほど歩いて帰宅してみようと思い立つ。冬の夜に見られるというフユシャクが見られるんではないかとの期待もあってのウォーキング。

しかし歩いてみたら思っていた以上に辺りは暗く、もしフユシャクがいたとしても見つけるのは至難の技っぽい。で、フユシャクのことは早々に諦め、イヤホンを装着して考え事に没頭して歩いていたら、点在する街灯の光の中を、白っぽく反射しながら羽ばたいて横切って行く小さな蛾が見えて、我に返って慌てて追いかけた。光の照らす範囲では白く光って姿が見えやすいが、そこから外れて暗い薮に入られてしまうともうどこに行ったのかわからない。

そんな感じで2匹ほど見失って、3匹目。運良く街灯が届く範囲で柵にとまっているオスを見つけた。それで近くでよくみたら、自らの翅の下にメスを隠している!
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私の小指と並べて、サイズはこれくらい。メスの体長が7-8mmかな。
年末に見かけたチャバネフユシャクに比べて、だいぶ小柄な冬尺だ。
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メスには翅が無く、腹部の先端には毛束が生えているのが見える。
産卵時にこの毛で卵を覆うようにするらしい。毛で覆う理由は、卵を隠すため・防寒・乾燥防止のため等、諸説あるようだ。
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その後も点々と、メスを探し回っているオスを見かけた。たぶん、全部ウスバフユシャク(薄羽冬尺)だと思う。

どれも図鑑に載っているウスバフユシャクよりは白っぽくて黒点の位置や大きさも違うような気がするけど、ウスバフユシャクの色柄にはけっこう変異があるようだから、そのせいかな。
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散歩のお供は、Pixiesの新アルバム "Head Carrier"
ブラック・フランシスの歌声、なんか投げやりで、ダメなもんはダメなんだから仕方ないなとちょっとヤケクソの気分になるから好きだ。10年以上前の再結成ライブで見たっきりだが、今度また来日ライブがあるので楽しみ!!


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by macchi73 | 2017-01-29 23:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(4)
2016年 12月 28日
クヌギカメムシ(椚亀虫)
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散歩中、点々と何匹もクヌギカメムシを見かけた。

クヌギカメムシは、晩秋から初冬くらいまで樹皮の隙間などに産卵活動を行うカメムシだが、その卵は暗緑色のゼリーに包まれた魚卵のような、ちょっと気持ち悪い見た目をしている。でも、検索したら、そのゼリーによって母の腸内共生菌が子らへ引き継がれるという、大事な役目があるようだ。
産総研:
 → クヌギカメムシの共生細菌入り卵塊ゼリーの機能を解明

孵化した幼虫は、そのゼリーを摂取することによって、栄養供給、植物適応、農薬耐性などの重要な生物機能を獲得するという。なんとなく、人間の初乳みたいだ。
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by macchi73 | 2016-12-28 23:55 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(2)
2016年 12月 26日
コミミズク(昆虫の方の)
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これなにかな?変な顔の虫、と夫に呼ばれた。
あー、これはヨコバイの仲間なんだけど、たしか鳥の名前と同じなんだよなー、そうだコノハズクだ……なんて、したり顔で昆虫博士を演じてみる。たぶん、樹上での擬態が得意だから木の葉って感じだったか?

で、家に帰ってから検索したら、そんな名前の虫はいなかった。

それでよく調べたところ、正解はコミミズクだった。
名前の由来は、次のようなことっぽい。由来を知れば、もう今度は忘れないと思う。

(1)鳥類の「ミミズク」に似た耳みたいな突起を持つ昆虫を「ミミズク」と命名。
(2)昆虫の「ミミズク」に似た、もっと小型の虫を「コミミズク」と命名。


しかしコミミズク(昆虫)には、ミミズク(昆虫)にある突起がないので、もはやミミズク(鳥)には全く似ていないという事態が生じている。それで間違っちゃったんだなー、なんて言い訳。

樹上での擬態が得意なのは本当の話。
ぴったりと樹上に張り付けば、ヘラ状の頭部のせいで、樹皮の表面と滑らかなカーブで一体化して木の一部にしか見えないという訳だ。ま、命名には全く関係なかったが。


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←ミミズク、鳥バージョン。

ちなみにこちらの名前の由来は、ツクってのがフクロウの古名で、耳みたいな羽が生えてるフクロウだからミミズク。



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by macchi73 | 2016-12-26 23:55 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(3)
2016年 12月 23日
成虫で越冬する蝶(ウラギンシジミ、ムラサキシジミ)
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昨夜は12月も下旬だっていうのに、台風みたいな生暖かい雨と風だった。

で、今朝は台風一過って感じの良い天気。なんと20度超え!

裏庭で冬眠に入っていたはずのミドリガメが目を覚まし、成虫で越冬するタイプの蝶が庭でも道でもパタパタ飛んでる。調子狂うね。でも楽しい。

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青く光る翅が眩しいムラサキシジミ。
冬の間は枯葉の裏に止まって越冬してることが多いはずなんだけど、翅の裏側は枯葉みたいな色柄なんで、いつも気にして探してるのに全然見つけられない……。くやしい。
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翅裏が真っ白でマットな質感のウラギンシジミ。
普通に飛んでると純白は目立つが、越冬時に照葉の樹木の葉っぱの裏なんかにじっと止まってると、葉っぱの反射や葉裏の質感に紛れて、けっこう見つけられない……。くやしい。
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ちなみに、ウラギンシジミは、成虫で越冬するのは雌だけらしい。
今の時期、翅の表が黒地にオレンジレッドの派手な柄が入るオスはぜんぜんおらず、見かけるのは黒地に青白紋のメスばかり。

↓これは今日みかけたメス。翅の柄は青っぽくて地味な感じ。
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↓ こちらが今年の9月に見かけたオス……って、オレンジレッドの柄がほとんど見えてない!!見かけた時(仕事中)は、おお〜燃えるような赤だ〜!ってわくわくして追っかけたんだけど、建物を越えて飛んで行ってしまったんだよな。飛翔力に驚いた記憶あり。
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そんなこんなで、いつも探してもなかなか見つけられない越冬蝶を、今日はいっぱい見られて楽しかった。

ちなみに子供も、目を離してるとすぐに見えなくなるのであった。
私は、探し下手かもしれない。(下の写真にも子供がいるの、分かるかな?)
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by macchi73 | 2016-12-23 23:55 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(2)
2016年 12月 22日
ツムギアリ……じゃなくて蛾の巣網
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散歩してたら、椿の並木に、葉っぱを糸で綴った何かの虫の巣のようなものがあった。
サイズは小5の握りこぶしくらいかな。けっこう大きくて、ずっしりしてる。

糸が密に張られていて中はよく見えないが、覗き込むとみっちり、ごしゃごしゃと何かが詰まっている。手に持っていた小枝でちょっとだけ表面を裂いて中身を見てみようとしたが、糸で編まれた表面は弾力があって、枝でグイグイ突いたくらいでは傷つけることはできなかった。

春にオビカレハの幼虫(天幕毛虫)が作った巣の残骸なのかな?とも思ったけど、その割にがっしりしてて状態が綺麗な気がする。それに、オビカレハがつくのはバラ科の枝の又部分が多いっぽいけど、これは椿の葉っぱ部分だし。違う虫の巣なのかも……?

気になって、指で裂いて中身を見ようとしたら、一緒にいた夫が、嫌そうに「やめた方がいいよ」と言う。かわいそうって意味かな?と思って、ほんのちょっと裂いて覗くだけだから大丈夫だよ、すぐ戻すし、と言い訳したが、「もう……いいよ、行こう!早く!」と、物凄く嫌そう。なんで?と聞いたが、いいから!と、取り付く島もない。

それで追っかけながら、「なんでよう」「いいから!」のやりとりが繰り返される、あー、これは子どもたちと夫がよくやってる問答だ……。妻、子供ポジションに堕ちたり。がーん。

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で、家に帰って、謎の巣のことは忘れて、蟻関係の本をいろいろと読んでた。

そしたら本に出てきたアリの話を読んで、「えっ!あれってツムギアリの巣じゃないの!?」と胸がワクつく。

が、もっと調べたら、ツムギアリの分布は主に東南アジアで、日本だと琉球諸島に仲間がいるくらいらしい。うーん、じゃあやっぱりなんかの蛾なのかなー。ううーん、開いてもっとゆっくり見てくれば良かったなあ!
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→ 結局、気になりすぎて、もう一回見に行った。それで、おそらく幼虫で越冬する蛾の巣網らしいのはわかったが、詳しいことは調べ中。マエジロマダラメイガかなあ? アリじゃなくて、ちょい残念。

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なんでそんなにムリヤリ蟻の巣にしたい気分なのか?

それは、先日読んだ『裏山の奇人』(小松貴)が面白かったので、それ関係で、好蟻性生物の調査をしてる人の本などいろいろ読んでるところだから。

『昆虫はすごい』(丸山宗利)

昆虫についてのアレコレを、網羅的に順を追って説明してくれてる感のある一冊。読み終われば、色んな切り口で、昆虫というものをざっと見渡した気分になれる。

「あー、これ知ってる!読んだ or 自分でも見たことある!」って話と、全然知らない面白い虫の話が良い感じに入り混じってて、そんなに詳しくはないけど虫に興味ある人(=私)や子どもたちが、飽きずに読める内容だった。

一つ一つの項目は短くあっさりしてるので、よく知らなくて面白そうな部分については別途もっと詳しく調べたい感じが残った。



……で、せっかくだから好蟻性生物についてもっと知りたいと思い、続けて同著者の『アリの巣をめぐる冒険』も読んでみる。

『アリの巣をめぐる冒険―未踏の調査地は足下に』(丸山宗利)

こっちは著者の専門の好蟻性生物にフォーカスをあてつつ、学者としての歩みも分かる本。『昆虫はすごい』は虫自体の話だったが、こちらの本は、虫と、虫をめぐる昆虫学者の話という感じ。

昆虫の研究に関わる色んな人や場所が登場するが、その中に出てくる人の名になにか見覚えがあり、よくよく思い出したら、前にこのブログで変な虫を見つけたときに種名を教えてくれた当時大学院生の方だった。びっくりした。すごい!
本の趣旨とはちょっと離れるが、遠い憧れに思っていた昆虫研究話が少し身近に感じられて、なんだか嬉しく。


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by macchi73 | 2016-12-22 22:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(2)
2016年 12月 21日
キマダラカメムシ(黄斑亀虫)
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公園で、うちの庭では見かけないカメムシを見た。

黒い体に黄色のラインとドットが入って、ちょっとお洒落な感じ。なんだか派手な印象だなと思ったら、国内に生息するカメムシ最大種っぽい。大きい虫にはスター性を感じる。

この虫はキマダラカメムシ。東南アジア原産の帰化種で、近年急速に分布を広げているらしい。
東京都で観察されたのは2010年とのこと。

さらに画像を調べてみたら、幼虫は「琵琶かリュートみたいだね」と子供と話し、ギター虫とか適当に呼んでいたカメムシだった。あー、これだったら、けっこうその辺でちょくちょく見かけてるな。

e0134713_133393.jpg手持ちには、あまり良い写真が無かったので、ギターっぽさが伝わらないのが残念だ……。

「キマダラカメムシ 幼虫」というキーワードで画像検索をかけると、リュートやマンドリンそっくりな姿がいっぱい出てくる。



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リュート。
近所の街角でもたまに演奏している人を見かけるが、典雅でとても良い音色だと思う。


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by macchi73 | 2016-12-21 23:55 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(0)
2016年 12月 18日
冬のオオキノメイガ(大黄野螟蛾)
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黄色の綺麗な蛾がいた。
これもフユシャクの仲間かなーと思って図鑑を見たけど、全然似てるヤツがいない。

おっ、こんなに派手なのに図鑑に載ってないよ!珍しいのだったらどうする?と末っ子に言ったら、「もし新種だったら命名は『キバネマダラフユシャク』がいいな」と笑う。へえ、自分の名前入れたりしなくていいんだ?と聞いたら、少し考えてから「キバネマダラピノコ」と言った。黄色の羽を生やして、水玉模様になった娘が想像された。

それから落ち着いて、フユシャクのページだけでなく蛾全体を対象にして調べたら、オオキノメイガ(大黄野螟蛾)という蛾のようだった。このように腹部末端に毛束があるのはオスで、メスはもっと腹部が太くて尻尾に毛が生えていないらしい。

しかし図鑑やインターネットの記事では、オオキノメイガの出現時期は6−9月というのが多く、長くても6−11月という記述ばかり。冬の蝶ではないようだ。

すごいサバイバルしてここまで生き残ちゃったのか?それとも特殊な場所にいたせいで羽化の時期がみんなとずれちゃったのか?それとも、成虫で越冬できたりもするのかな。

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by macchi73 | 2016-12-18 07:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(0)
2016年 12月 16日
フユシャクと卵とクサカゲロウ
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擬木の上の不審な二匹。

白黒模様の豊満な姿はチャバネフユエダシャクの雌。
その目の前に陣取っているのは、鋭い牙を持つクサカゲロウの幼虫。
よくよく見ると、両者の間には、フユシャクの卵らしきものが一つ転がっている……。

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弧を描く鋭い鎌状の大顎は、いかにも肉食。

ただし獲物はアブラムシなどの小さい虫たちで、卵を食べたりするような記述は見つからず。


単に偶然、近くに居合わせてるだけなのか?
それとも何かの意図や関係性があってのこの状況なのか?
見つめ合っているのか?お互い無関心なのか?

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なんとなく、アンリルソーっぽい風景に見えなくもない。

ねえコレどういう状況?っていう感じが。


何か動きがあるかと思ってしばらく見ていたが、二匹とも動きを見せず。
次の用事の時間が迫っているので、後ろ髪引かれる思いで、その場を後にした。

擬木の上の昆虫観察がちょっと面白くなってしまい、通るたびにチェックしてしまう。
今日はチャバネフユエダシャクのメスを複数箇所で見つけた。
だんだん目が慣れて、すぐに見つけられるようになってきた気がする。

今日はオスも近くで見つけた。しかしオスとメス、全然似てないね。

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by macchi73 | 2016-12-16 23:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(3)
2016年 12月 11日
冬の深夜の虫たち(チャバネフユシャク♂♀、アオスジアゲハ)
夜中にそっと家を出た。

そのまま玉川上水を西進して、夜の虫を探す。手袋をしてフードも深くかぶって防寒はバッチリ。頰に当たる夜の冷気がむしろ気持ち良い。

小型の懐中電灯で藪や樹木を照らしながら歩いていたら、アオスジアゲハの蛹を見つけた。懐中電灯の光を受けて、真っ黒な闇の中、鮮やかな翡翠色に浮き上がって見える。アオスジアゲハって蝶も綺麗だけど、蛹も綺麗だ。透明感のある緑色がまるでジェリービーンみたいに見えたので、まだ柔らかいのかなと思ってそっと触ってみたら硬かった。

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時々動くものを見つけるが、だいたいが蜘蛛の巣に引っかかった枯葉が風に吹かれて動いているだけだった。蜘蛛の巣って照らすと光るから、夜には目を引くんだよな。そしてたまに、巣の持ち主も……。冬越しできない絡新婦たちだけど、風の当たりにくい物陰にじっとしてたりして、まだ頑張っているようだ。誰でもみんな終わらなくちゃいけないのは自然の掟だとしても、終わりが安らかでありますよう。

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あ、こっちは巣を貼らない徘徊性の蜘蛛っぽいかな。
蜘蛛がいるってことは獲物もまだきっとその辺にいるんだろう。よしよし、いい感じ。期待感高まる。ふっふ。

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しかし、その調子で5kmくらい上水沿いを探してみたが、お目当てのものは見つからず……。立ち止まって、ちょっと考える。

今日のお昼のことだが、娘と夫とのカフェでの休憩中、なぜ冬シャクって冬に活動するんだろう…….なんてことを検索していたら、面白いページを見つけてしまったのだった。その記事によると、フユシャクの大半種は日没から二時間位まで活動する夜行性だが、チャバネフユエダシャクは例外的に深夜に活動する種だという。それできっと真夜中に探したら、チャバネフユシャクのペアがざくざく見つかるのでは?と期待しての深夜の徘徊なのだった。
生き物を求めて今日も行く!「裏山の奇人」徘徊の記:
  →冬の秘めごと(小松貴)......とっても面白い記事だった!

でも、これだけ探しても一匹のフユシャクも見つからないってことは、環境の条件は揃っていても、虫はいるところにはいるし、いないところにはいないってことだろう。フェロモン頼りにメスを飛び回って探すフユシャクのオスの苦労が偲ばれる気がした。上記の記事によれば、フェロモンって1-2mくらいしか届かないというし、どこにいるとも分からない相手を探し当てるってのは結構な骨だろうな。

仕方がない、ちょっと格好悪いけど、来た道を戻って、お昼に見つけたフユシャクの夜の姿を見ることで良しとしよう。もしかしたら、オスが呼ばれて来てるかもしれないし。

で、街灯もない本当に完全に真っ暗な公園内の道を懐中電灯で照らしながら恐る恐る進んだら、メスはお昼と同じところにそのままいた。翅がないから移動もそうそうできないもんな。今度はマクロカメラを持参したので、じっくり撮影&観察させてもらう。至近距離で見ると、ピンクの地肌に白黒模様のビロードのような短い毛が生えている様子は、白豹かホルスタインのようで、なかなか魅力的。
でも、しばらく待ってみたけど、オスの気配は全くない……。

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ま、残念だけど、予想どおりにばかりは行かないのが虫探し。今夜は風が強いのが敗因かもしれない。

仕方ない、もう帰るか……と明るい方を目指して公園内のトイレを通りかかったら、あ、いた!ガラスブロックの壁にチャバネフユシャクのオスと思われる姿があった。多分、トイレのライティングに惹かれてきたんだろうな。おーい、探してるメスは500mくらい先で待ってるぞー!

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ちょっとだけ、このオスをさっきのメスのとこまで連れてってやろうかな?なんてチラッと考えたけど、やめといた。伴侶は自分で探すよな。そんなことを考えつつ、トイレのガラスの壁にちょっと登って、オスの写真をスマートフォンで撮ったりして(←よく考えたらすごい不審者、やばいかも)。

ふと気づいたら、もうとっくに日付も変わってた。

虫を探して足元も視界も悪い暗闇をずっと歩き回ってたら、お腹が空いた。

それで私もフユシャクと同じく、暗闇に点々と光るお店の灯に誘われて、深夜1時にお腹いっぱいにしてから家に帰る(フユシャクの成虫に摂食機能はないけど)。

虫は見つからず、カロリーだけをゲットしちゃったなー。

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by macchi73 | 2016-12-11 02:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(6)