2017年 12月 25日
炬燵夫は電脳戦の夢を見るか
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最近仕事の移動中に自宅付近を通ることがあって、たまに自転車やお茶一杯のためにぶらっと寄ってみたりする。

昼の家では、夫がコタツにすっぽり埋まって顔だけ出して寝息をたてている。

外気が好きなんだな、窓は大きく開けてあってレースのカーテンがふんわり揺れてる。頭寒足熱ってとこか。

開きっぱなしのパソコンからは将棋の実況中継のようなものが流れている。TVもつけっぱなしだったりして、色んな音が混ざって嫌にならないのか?と思うけど、起きてる人がいない室内は、雑多な音が流れていても妙にひっそりしている感じもする。

いつも大事そうに傍にあるスマートフォンはたぶん将棋の友かなと思う。最近は将棋アプリをやりこむと実際に将棋連盟から段をもらったりもできるようで、家に免状が届いたりもする。ゲームで育てた野菜が届くサービスもあるというし、現実とネットとをつないだ商売はこれからもっと増えるんだろう。

時に気持ち良さそうに・時に寝苦しそうにしている夫をしばらく眺めて、すぐまた家を出る。寝顔でも撮ってやろうかと思ったりもするが、床に転がったボサボサ髪と無精髭のおじさんじゃ何かの現場写真みたいになりそうなので止める。

TVを消して部屋を出る前、床に広がる影、白く発光するカーテンや窓辺の葉を透過する緑や黄色の光の斑が綺麗すぎて、しばらく立ち止まって見てしまう。

家を出るとき振り向いて、もう一回だけ庭を眺めたら、門扉脇の白菊が寒さで赤みを増しているのに気づいて冬を感じた。

明るい住宅地を歩きながら、これらのどの家の中にも一つ一つ違う小さな空間があって、中には人や動物がいたりいなかったり、動き回ったりじっとしたりしているんだなと思う。
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教会のクリスマスイベントでウォーロックのベツレヘム・ダウンの合唱を聴きながら、また色々な時代や場所の家々が内包してきただろう小空間を思い浮かべたりする。ベツレヘムの厩に幼子。我が家の炬燵に夫。誰も知らない場所でひとりぼっちの人。

たとえ密室の中でも、誰にも知られなくても、起こった出来事・存在した物には、この世界を構成する重さみたいなものが宿っていると思う。もしクリスチャンだったら、「すべて神様がご存知」って思うのかも。

神様が作ったかもしれない、偶然の産物かもしれないこの世界には、光るカーテンやら野に咲く花やら、小さく綺麗な一瞬がいっぱいあって、そういうものがみんなの目にとまりますよう。良いクリスマスと新年になりますよう。


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by macchi73 | 2017-12-25 23:55 | 【その他】日記 | Comments(3)
Commented by うり豆 at 2018-01-02 09:08 x
アンドロイドも電気羊の夢をみる様になるかも、寝ても醒めても電気の編に絡まって生活してゆく人間の在りよう・・
以前、安曇野の昼下がりの住宅街?を歩いても人っ子ひとり歩いていない、微かにTVの音だけ、眠った様な、息をころした様な「盗まれた町」を想い出した事がありました、
此の世の「小さいおうち」の様々な在りよう、
眠る人の寝顔を目におさめ、もう一度家の方を振り返ると白菊の叢・・
まるで後朝の別れの場面の男君の様ですねぇ~(笑)
白菊って少女みたく寒さに頬を染めるんですね♪
Commented by watmooi at 2018-01-04 22:20
こんばんは。
なんかちょっとドキドキしてしまいました(笑)。
音があるのに静か、
そこに人がいて気づかないなんて。
ドラマを見ているような気になりました。

そっとしてまた出かけていくって、大人ですね。
私ならすぐに声をあげて怒りだしそう(でもなんて言うんだろう?)。
表に出て振り向いて菊の色の変化に気づかれるところも
素敵です。
菊がまたかわいいですね。
Commented by macchi at 2018-01-05 23:13 x
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしく。

> うり豆さん
後朝の男君、想像したら笑ってしまいました。
きっと昔の日常でも似たようなことあったかもですね。
いつも物語のように風情があったとは思えない。
おいおい、こんなだらけた寝相でどうしようもないな、もう慣れたけどね......とか、ため息ついて去る朝も、けっこうあったんだろうなと想像します。

> watmooiさん
寝ている人の隣で一杯飲んで(お茶ですが)、TVを消したりしてちょっと形跡を残して、気付くかなーとか思って去るのはニヤニヤします。
ふふ。ちょっと悪趣味ですね。


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