森のカモシカ
2017年 11月 17日
登山中、前方にみんなが固まってて、こっちを見て口をパクパクしながら森の中を指しているのが見えた。大きな身振りで声は無く、「可及的速やかに、しかし音を立てずに見においで!」ってメッセージがありあり。そこに何か素敵なものがいるんだということが分かる。
急いでそっと近づいたら、大きな黒っぽい獣がいた。しばらく見つめ合ってわくわくする。
それから獣ふいっと去り、場の空気が急に緩んでみんなが喋り出す。「この間、TVでも瓜坊見たよ、チョー可愛いね」「ああいう野生種を飼いならして家畜にしたんだろうね」「豚の祖先かあ」……そこでワタクシふと疑問に思うが、どうしてみんなイノシシの話をしてるのか?
で、聞いてみた。
−−あのさ、今みたのって鹿的なものってことなかった?
え、鹿じゃないよね、ということで満場一致。そっか、私は目が悪いしなあ。そう言や前に鹿を見た時はもっとスリムだった。全然違うのに、なんで鹿と思い込んだろう?
そして帰り道。いやあ今日は良いもの見た、やっぱり植物より動物の方がドキドキして嬉しいね、野生のイノシシとか見た事なかったね、なんて素人連中で盛り上がって話していたところ、熟練の引率者が忽然と仰られた。
あれはイノシシじゃなくカモシカだけど。
なんと!やはりシカ的なものだったか!そうだよ、変だと思ったんだよ、ぱっと見てシカって言葉が浮かんだんだよー!と悔しがるに、ベテラン重ねて曰く、
カモシカは鹿ではないよ。むしろウシの仲間。
がーん。