2017年 08月 09日
オーストラリアの蟻・2(聖堂シロアリ)
e0134713_1735721.jpg
オーストラリアの道路をドライブしていると、色んな場所にボコボコと盛り上がった土の塊が見える。蟻塚だ。

大きさは小さいものから大きいものまで様々で、場所も高速道路の脇から人家の納屋の裏まで、至るところで見かける。土を蟻の唾液や排泄物などで固めたものなので、赤土なら真っ赤な塚、白っぽい土なら白っぽい仕上がりになるようだ。触ってみたら、とても固くて頑丈だった。

↓ 宿の敷地内にも蟻塚。後ろには通りがかりのカンガルーも。
e0134713_1735751.jpg

中にいるのは、こんな感じの蟻。
これって蟻か!?形がおかしい……と思うだろうが、蟻塚を作るのはアリとは言ってもシロアリの仲間なのだった。聖堂シロアリ(Cathedral termites)と呼ばれるシロアリで、こんな風に尖ったツノを持つのは兵隊アリ、働きアリはもう少しアリに似た雰囲気の頭部を持っている。
e0134713_1735490.jpg

そういえば日本の西表島のタカサゴシロアリの頭もこんな形で、大きい巣を作るところとか、似ているようだ。あちらは樹上に巣を作るが、どちらもテングシロアリの仲間ということで、多分似たところがあるのかもしれない。『シロアリの事典』(青海社)によれば、テングシロアリの兵隊アリは働きアリよりも小さくて顎も弱いが、この尖った角のようなところからベタベタした液を吹き出して、他のアリやクモを動けなくするという戦い方をするようだ。

←Amazonの「なか見!検索」をクリックすると、記載されている色んな画像が見られて面白い。

ちなみに、前の記事のグリーン・アントと同様、このシロアリも、アボリジニには貴重な栄養源とされるらしい。グリーンアントが酸味とビタミン源で、こちらのシロアリはタンパク源。試しにパクッといってみたが、シロアリはそんなにこれといった味はしなかった。強いて言えば、少し野菜風味かな?

その様子を見て、あっ、また蟻食べてる、人間としての尊厳はどうしたんだ!なんて呆れられてしまったので、「大丈夫です、生物の尊厳とは、食性なんかによって失われるものではないのです……」なんて、厳かに言ってみる。シロアリの聖堂の前で。


[PR]

by macchi73 | 2017-08-09 23:55 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(0)


<< オーストラリアの蟻・3(マナコ...      オーストラリアの蟻・1(グリー... >>