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2017年 04月 29日
シリアゲアリと、モミジニタイケアブラムシ(尻上蟻と、紅葉二態毛油虫)
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朝、リビングの床にごろんと芋虫みたいに転がっていた。仕事行きたくねー。
そしたら足元から「学校行きたくなーい」と声が聞こえて、見たら娘も転がっていた。

なんとなくため息をついて、そのまま棒のように転がり続けていたら、「でも庭が綺麗だね」と娘が言う。転がっているので、頭上にリビングの掃き出し窓があり、緑色の光が差し込んでいる。黙っていたら、娘がまた、特にお日様に透ける緑って綺麗で好きだなー、ともう一度つぶやく。

それで、アオーン!と狼の遠吠えの真似をしたら、クロックロックロックロッ!と蛙の声で応える娘。幼稚園の頃から続く暗号の一つだ。ふふ。

日に透ける緑を見に、庭のモミジの樹の下に立つ。
そして異変に気付いた。カエデの上、生きたアブラムシが壊滅状態だ。
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たまーに葉の裏に一匹二匹ぽつりぽつりと褐色のアブラムシがいるが、それ以外は白金色に光るまんまるのマミーばかりが死屍累々と……。どうやらこのモミジ界隈では、アブラムシより寄生蜂であるアブラバチの方が優勢のようだ。


緑のアブラムシとはだいぶ見た目が違うこのアブラムシは、モミジニタイケアブラムシっていう奴だと思う。翅のあるのと無いのがいて、翅のある方はコバエみたいな雰囲気だ。モミジの上で見られる二つの形態を持つアブラムシだから、紅葉二態毛油虫ということらしい。
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ちなみに、二つの形態というのは翅の有無ではない(それなら他のアブラムシもみんな二態ってことになるし)。

ニタイケアブラムシは、夏には越夏型という平べったい形の幼虫で夏眠状態になり、また秋から活動を始めるらしい。暑いのが苦手なのか?と思ったが、まだ展開しきっていない葉の上で生まれると通常の姿になり、展開しきった葉だと越夏型になるという記事があったので、葉の成分で形態の変化が起こされているのかもしれない。

そしたらもうそろそろ、越夏型の幼虫も見られるのかな?

気になって開いたモミジの葉の上をしばらく探してみたが、見つけられず。そろそろ出勤なので時間切れか。

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カエデの樹上では、アブラムシは(マミー以外)あまり見かけなかったが、小さな蟻がせわしなく行き交っているのを沢山見かけた。大きさは2mmくらいかな。かなり小さい。これまで庭で見てきた蟻たちとはちょっと見た目が違う。

ツヤツヤした尖ったハート型のお尻が目立つので、シリアゲアリではないかと疑う。でも、つついてみたが全然お尻を上げなかったから違うかもしれない。

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それで気になったのは、餌のようなものを運んでいる個体が多いんだけど……運んでいるそれ、ニタイケアブラムシのマミーを解体したものじゃないか?

アリってアブラムシを保護するもんだと思ってたんだけど、マミーになってしまったアブラムシはバラして食料にするんだろうか。中のアブラバチの幼虫を殺すことで、アブラムシ保護になるっていう意図もあるのかな?
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もしこれがシリアゲアリだとすると、蝶の幼虫やツノゼミとも共生してたりするみたいなんだよな。とても巣を探したく思ったけど、出勤時間ももうすっかり過ぎてるので(いつの間に!)、それはまた今度とした。

その身の上で色々楽しいものたちを養っていそうなモミジの木を振り返りつつ、後ろ髪引かれる思いで出勤。

小枝の上では、今まさに孵化したところっぽいテントウムシの幼虫たちも見かけた。
ただでさえ寄生蜂にやられて続々とマミー化されているアブラムシたち、大食漢のテントウムシたちまでやってきて、これから受難が続きそう。
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よーし、この連休はモミジの上を探検だあ!とワクワクしながら仕事をざくざく片付けてたら、緊急ヘルプ!と別部署の同僚が飛び込んできて、週末が吹っ飛ぶ。

あれ、でももうこれ締切だよね、ダメじゃない?と指摘したら、ううん、これは提出先がヨーロッパだから大丈夫なの、あと一日あるの!と言う姿に、不屈の紳士フォッグ卿を見る。おお。ジュール・ヴェルヌ、大好きさ。お伴するさ。

という訳で、今年のゴールデンウィークは、しょっぱなから、なにか世界一周的な。


小さい頃、一番最初に読んだ時は、日付変更線ってのがよく分からなくて、なにそれ、この地上でそんなタイムマシンみたいなことが!?と、ぼんやりした不思議な気持ちが残ったのだった。

その後少ししてから読み返して、「なるほど!」と、やっと納得。

でも、よくわかってなかった時でさえも、とても楽しく読んだ記憶あり。章タイトル面白すぎ。フォッグ卿格好良すぎ。冒険感満々すぎ。


by macchi73 | 2017-04-29 22:00 | 【生物】昆虫・その他の生物 | Comments(4)
Commented by wabisuke-miyake at 2017-04-30 08:19
もみじの国では色々な事件が起きているのですね(*^^*)

うちのもみじの葉っぱ、ネバネバテカテカになっているんですが…アブラムシのせい?
アブさんがやってきて舐めてました。甘いのでしょうか…

なめる勇気はないのですが…(^o^)
Commented by macchi73 at 2017-04-30 08:52
あっ、きっと、なめたら甘いかも。
モミジ=カエデ=メープルなので、樹液はメープルシロップ、つまり糖でベタベタしてるんですよね。
今の時期には特に樹液が楓体内でよく流れているようで、幹に傷がついたり枝が折れたりすると大量の樹液が出てきたりすることがあるので、それかも?と思いました。
(なので、カエデ類の剪定は樹液の流れが停滞してる寒い時期に行う)

サラサラで止まりにくい樹液なんで、大きい傷ができると出血多量(?)になっちゃうみたいで、うちの庭では以前、それでカエデの木を一本枯らしてしまいました……。

または、単にアブラムシでもベタベタすることがあるので、いっぱいいるようなら、それかもですが。
もし傷だとしたら、大事に至らず早く治りますよう!
Commented by africaj at 2017-04-30 20:59
出勤前、随分早く起きてるんだな〜エライなあ→出勤時間と書いてあるのに、庭に出ちゃったー汗→時間過ぎちゃったのか。案外焦ってないから大丈夫そう
などと、息子を見てる癖でそっちばかり心配してしまいましたーw
てんとう虫の卵ってこんな風なのですねーそして、さすが虫!量多いw
そう言えば、去年畑で蕪の葉っぱに大群を見たな。
きもいサナギと思ったけど、そうかマミーか。

日付変更線とフォッグ卿w飛びますなー時差からww
一番早い日出ずる国で良かったですねw
Commented by macchi73 at 2017-05-01 00:12
africajさん>
子供の頃からの遅刻&スケジュール勝手に決める癖、今も全然治りません……。
生徒時代は、こんなにルール守らない女子は学年で一人だけだ!!とか怒られて、学年集会とかでは一人だけ立たされてたりもしましたよ。

でも不真面目って訳でもなく、寧ろ真面目なとこも多いし(と自分で言う)、何なんでしょうね。
たまに全然ピンとこない規則や倫理があるから、人によって琴線(?)って違うんだなあ、とつくづく思います。

でも意外と大丈夫、誰でも得意不得意あるし、問題にならない場所では全然ならないし、息子さんも自分にあったところで何とかやるでしょう。ドンマイです(と自分で言う)
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