夕暮れの緑の光
2017年 04月 18日
東の空は薄青。そこから上空を流れる雲は薔薇色で、西の地平は夕焼けで橙色に染まっている。沈む太陽はちょうど雲で隠れて光芒しか見えず、その雲の下で区切られた空の一角だけ、クリアな緑色に光っていた。
緑色の光ってあまり見ないから、しばらく見とれてしまった。
ふだん緑色の空をそんなに見かけないことから考えると、青と緑の光は重なり合いながら水色の濃淡を作り、ほぼ一緒に拡散しちゃうのかもしれないな。その、青色が届かず緑色だけが残ったポイントがあの一角なのかなとか考えて眺めてたら、大気圏をあっちこっち散りながらの光の道のりが想像されて、ちょっと楽しくなった。
参考サイト:キリヤ化学 Q&A 「空はどうして青く、夕焼けはどうして赤いのですか?」
【光の波長と散乱】
●窒素:0.36nm
●酸素:0.34nm
●二酸化炭素:0.33nm
●一般的な雲粒:1000nm(=0.01mm)
(B)粒子の大きさ≒光の波長 → ミー拡散(波長に関係なく、光の進行方向へ散乱される)
ふだんの空の色に影響するのは、主に(A)のレイリー散乱。
地球の大気を構成する窒素や酸素などの分子は光の波長より小さいため、大気中では、まずは波長の短い光が強く散乱する。空気中をさらに長く光が進む場合、より遠方まで届くのは、散乱されにくい波長の長い光となる。
以上のことから……
●昼間の空は青い:
昼間は太陽光の入射角が高く、地上までの空気の層の距離は短いので、より多く拡散されている波長の短い光(青紫・藍・青・緑)に染まって、空は青系に見える。
●夕焼け空は赤い:
夕方は太陽光の入射角が低く、人の目に光が届くまでの空気の層の距離が長くなるので、波長の短い光(紫・青)は拡散しきってしまう。そのため、拡散しにくい波長の長い光(黄・赤)だけが人間の目に届いて、空は赤系に見える。
雲を構成する水滴や空気中の塵などは光の波長より少し大きいので、レイリー散乱ではなく、ミー散乱が起こり、全ての波長の光が等しく散乱されて空は白っぽくなる。
ちなみに、雲の隙間から太陽の光が柱状にさす薄明光線も、光の進行方向へ強く散乱が起こるミー散乱のせいっぽい。あれも綺麗なものだよな。
自分は夢を見ているのか?狂っているのか?どこにいるのか?という恐怖と混乱の場面の中に、時おり唐突に静かな幸福の場面が挟まれる。
今だとわりとあるような映画かもしれないが、当時は結構ショックで、かなり好きだった。
陰惨な話が得意なウィリアム・ゴールディングの『ピンチャー・マーティン』に似た構造の話だけれど、ジェイコブス・ラダーの方は、悲惨の中のハッピーエンドだと思う。
この映画の中のマコーレ・カルキン、すごく良い。懐かしい子供のイデア。
天使みたいな人がいう。地獄で燃えているのは人をとらえて離さない愛着や思い出だ、それらは全部焼き尽くされる、でもそれは人を罰するためじゃない、それは人を地上に縛り付けるものから解き放つためだ……ってのは、多分本当にそうなのかも。心残りがあるから死ぬのが怖い。それでもやっぱり、その縛りを、最後まで探し回って掻き集めちゃうだろうな、私も。
塵などの作用で色々に見えるって面白いですけど。
最後に絶対あの映画の紹介があると思ったのですが…
実は記事を書いているとき、連想するならロメールか野呂邦暢だなと思いついてはいたんですが、どっちも個人的に来た作品ではなかったので、やめたのでした。
その代わり、自分が好きなもので連想したのは、筋肉少女帯の「サボテンとバントライン」とティム・ロビンスの「ジェイコブス・ラダー」です。
特に後者はかなり好きなので、紹介、追加しましたよー。
モノクローム・セット、私も大好きです!!!
ビドの声、格好良い!!!
ジェイコブスラダー、ありましたねえ。
そういえば宗教風の曲がけっこうある気が。
アインシンフォニーの ♪ To the father and the son and the holy ghost 〜 のとことか、Cloud10とか、今、頭の中をぐるぐると。
私の中の、インド人=格好良い、のイメージはビドが最初だったかもしれない……。後に方向性を変えて、今はボリウッドのダンスにも夢中です。
薪の炎さん>
おおー、ラッキーですね。
上述のロメールの映画が出典かもですが、グリーンフラッシュって見たら幸せになれるってよく言われてる気が。
虹色の雲は、彩雲かな?
そちらもめでたいとされる現象らしいですよ。
たしか山岸凉子の漫画のあとがきで触れられていて、私も見てみたいなーって思った記憶があるんですが、気をつけてみれば雲の縁ならたびたび見られるのか。今度から雲の縁、注目してみます!
私がみた緑はフラッシュっぽくはなくて、普通に空の一角が緑色という感じでした。埃っぽい時には、黄色かったり緑っぽい空って見かけますが(きっと空中の粒子で青が拡散されちゃうからですね)、そういう粉っぽさがない綺麗に光る緑だったから見とれちゃいましたけど、たぶん夕日と一緒にけっこうあることかなという気がします。
とか考えながら、紹介していただいた「完璧なるgreen flash」の動画見てたら、「あ、それ父島で見たヤツだね」と夫が……。ええー、それ全然覚えてない!がーん。
最近、夕暮れ時の奇麗な空がよく目に止まります。(マジックアワーというやつでしょうね)
ところで、とっぷりと日が暮れた夜なのに、一面曇りの日ってすごく空が明るく(白く)見えて、ちょっと不思議な感覚になります。あれは単純に下界の街の光が反射しているだけなんですかねー?田舎に行くと、曇り空の夜でも明るく無いのかな?
しかし、最近心地良い快晴の空を見上げても、加齢からくる飛蚊症がちょっと(いや結構)うっとおしい感じになって来てます……。
『ジェイコブス・ラダー』!私も昔テレビで見た時に、凄く気に入った記憶があります。(『何か、好きだなー、この映画』って思って、ずっとタイトルだけは覚えていました)でも、不思議と内容は全然覚えていないのです。凄く良かったという印象は残っているのに。機会があればもう一度見たいです。
私も飛蚊症&近視が凄くて悲しいです……。
最近、オルソケラトロジーやろうかな?なんて考えているんですが、飛蚊症は治りませんよね。加齢って取り返しつかないんだなー体は大事に使うべきだったなーと、反省しきり。
そっか、曇りの白い夜空は、月の光に加えて地上の灯の影響大きそうですね。
子供の頃に雪国に住んでたんですが、月の明るい夜は空の月と地上の一面の雪で外がとても明るかったのを思い出します。小学校の頃、夜の変な明るさに浮かれて夜中に抜け出して、友達も誘い出して公園で遊んでたらお巡りさんに見つかって怒られたりしたこともあったなー。オレンジ色の街灯に照らされて、景色がオレンジ・黒・白だけで、無人の公園がやたら静かでしーんと綺麗だったのを覚えてます。