2016年 12月 27日
マダム・イン・コタツ
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雨の休日。
みんな忘年会やら何やらで今日は家には末っ子と私しかいない。薄暗い部屋でコタツに入ってごろごろして過ごす。

今ものすごくピクルスが食べたい気分、と子供が言うので、「んじゃー庭からハーブ適当に摘んできて」と、自らはコタツを出ずに言う。はいどうぞ、と雨の外界から娘が持ち帰ったのは、フェンネル、タイム、ローズマリー。

それで覚悟を決めてコタツを出て、台所でピクルス液を調合していたら(→うちの定番レシピはこちら)、娘も隣で鉄瓶でお湯を沸かし始めた。コーヒー入れてあげる、わたしコーヒー入れるのは学校でいちばん上手かもしれないよ、他の子はたぶん、豆挽いてこうやってコーヒーいれてないと思うんだ……と、得意そう。

ピクルスを大小二つの瓶に詰め、コーヒーも入ったので、続けて朝ごはんの用意。
って言っても、クリスマスイブに料理をいっぱい作ったので、ここしばらくは残り物を適当に温めたり、少しアレンジするだけで軽食は事足りているのだった。ふっふ。楽ちん。
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漬けて1時間も経ってないけれど、ピクルスも遅い朝食のお供にしてみる。
浅漬けすぎかな?と聞くと、「じゅうぶん美味しい!」と娘。確かに。バターとクリームたっぷりの料理には、ピクルスの酸味がよく合う。二人して、小瓶をペロッと全部食べてしまう。

それで、年賀状書いたり、本を読んだりして、一日こたつで過ごした。たまに洗濯、片付け、洗い物。ソファの隣のランプ以外の電気はつけないで、ずっと薄暗く。娘が、「外は雨の音、中は時計の音だ……」とつぶやく。それと紙をめくる音。無言で聴いていれば、同じ雨音でも、南と東の窓からはそれぞれ違う音色が響く。

こういうだらだらした日が一番好きだな、と娘。
えー、でも何にもしない無意味な一日だったなーって、日の終わりに後悔しちゃわないか?お母さんはそうだな、と言ったら、いやあ、色々やったらやったで、何にもしないことをしない一日だった、って後悔するから同じだよ、なんて言う。その辺りの感覚は、よくわからず。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

夜はインドカレーを食べた。そしてインド映画をみた。こたつで。

『マダム・イン・ニューヨーク』

英語を話せないインドの母親が、英語を話せる夫や子供達(学校教育が母の時代と変わり、子供たちは英語を準公用語として話せるっぽい)に軽んじられているが、ニューヨークに住む姉家族の結婚式の手伝いで、一ヶ月間、家族と離れてアメリカに滞在することになる。そこでも英語がわからずに傷つくことがあり、見つけた英語教室にこっそり通って勉強したり、クラスメートと交流したりして、自分も周囲も変わっていく話。

……ってあらすじだと月並みな感じがするが、母親役のインドの女優が落ち着いた中にも剽軽な雰囲気があり、魅力的ですごく面白かった。

素敵な女性なのに色々と傷つく場面が多くて、そんな時には私も泣きたくなった。そっか......忘れがちだが、みんなができる何かができないって一面を切り取って、何もできないみたいに扱うことはできないんだよな。

最後、こっそり勉強した英語で新郎新婦へおくったスピーチも良かった(あとで英語の先生から赤ペンコメント入っていたが)。

夫婦は対等で助け合うものだが、長い生活の中でそれを見失うことがある、そんな時は…… という話で、
It means marriage is finished?
No, that is the time you have to help yourself.
Nobody can help you better than you.
If you do that, you will return back feeling equal.
Your friendship will return back.
Your life will be beautiful.

(尊敬と友情を失ったとき、)
それは結婚の終わりを意味するでしょうか?
いいえ、その時こそ、自分で自分を助けなければならない時です。
誰もあなたよりも上手くあなたを助けることはできません。
あなたがそうするなら、対等の感覚を取り戻せるでしょう。
あなたの友情は戻ってくるでしょう。
あなたの人生は美しくなるでしょう。

家庭内で忘れがちなリスペクトの感情だが、大事なんだなと反省。
しかし、それでもそれが失われた時は、相手じゃなくて自分がそれを取り戻すべく動く時なんだ、っていうのが現実的で良かった。

ちなみに、国際結婚などで家族間の母国語が異なる場合、マイナー言語を母国語とする親の地位が家庭内で下がってしまうことがあるというのをどこかで読んだことがあるが、その話も思い出したりして。日本だとあんまり直面することが無い問題だが、親子で生活や教育水準が違ったりする時とかは、起こり得る話かもなと思ったり。


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by macchi73 | 2016-12-27 23:55 | 面白かった本など | Comments(6)
Commented by satoru at 2016-12-28 20:25 x
ブログのタイトル読んだ時点で、「もしかしてマダム・イン・ニューヨークに関して書かれているのでは…」と思ったら、案の定でした(笑)私もこの映画おスギが褒めてたので見たいと思ってるのですが、なかなか機会がなく…。やっぱりインド映画みたいにいきなり歌とダンスが始まったりするのでしょうか?
Commented by macchi73 at 2016-12-28 23:51
はい、当然(?)ダンスシーンはありました。
でも、いきなり始まるタイプではなく、ストーリー中での必然的な流れが用意されてのダンスシーンでした。

でもそれとは別に、普通にちょくちょく小躍りするマダムが綺麗で可愛かった!やっぱり、インドの方ってみんな踊りを嗜むんでしょうかね。

マダムがちょっと若い頃のマイケルジャクソンに似てる気がしたんですが、映画中でもマイケルっぽい踊りをするので、「やっぱり似てるって言われてんのか?」って思ったり......。

音楽も楽しくて、出演者の演技もみんな派手じゃなくて味わい深く、とっても良い映画だったと思います。
Commented by africaj at 2016-12-29 22:55
あ、マダム・イン・ニューヨーク、私も見ましたっ♪
私、最初に彼女が注文したら選択肢が一杯あってオロオロするシーン、NYのベーグル屋でおんなじことあったから一緒に涙しましたwサーモン頼んだら7種類ぐらいまくしたてられて「どれにする?」って聞かれたって・・・その後オニオン入りか無しか、パンの粉の種類はなにかとか、コーヒーもカフェイン在り無し、全部聞かなきゃいけない店員も大変だけどw
主役の彼女のあったかさ可愛さが、気持ちを無垢にさせてくれて、最後に最高の祝福を一緒に喜べる映画でしたねっ。
素敵さの方向性は違うけど、インド映画で「きっと、うまくいく」も大好きな映画。おすすめですよー。

娘ちゃん、映画みたいなセリフ言うのが素敵ですねっ。
岩井俊二の「花とアリス」のアリスが言いそう。
Commented by macchi73 at 2017-01-02 16:42
あけましておめでとうございます!
「きっとうまくいく」の主演の俳優、他のボリウッド俳優よりダンスこなれまくりの格好良さはないけど、演技が今風でちょっとびっくりでした。インド映画も、だんだん世界市場を見てというか、普通のドラマっぽくなっていってる感じなんですかね?

あと、主演俳優が大学生役で若く見えるのに、けっこう年なんだ!とびっくりでした。マダム・イン・ニューヨークの女優さんもそうだったし、インド人って年とりにくい人が多いのかな。いつも踊ってるから?

子供の言うことって、たまにいちいち面白く。
大人になる前の、その時だけが持つ面白さってあるなーって笑ってしまいます。大人も思ってるかもですが、言葉選んで会話しますしね。

邦画って決まった人のしか見なくて、岩井俊二も観たことない気がするんですが、「花とアリス」こんど観てみます!
Commented by たまやっこ at 2017-01-29 10:17 x
ひさーしぶりのレンタルで
ケースごと持って行ったのは私です(笑)
恥ずかしかった~

マダムインニューヨーク良かったです
綺麗で料理上手、お仕事もされてて
なんといっても、チャーミングな主人公♡
コンプレックスなんて無縁のような感じなのに…
一歩前に踏み出し、変わっていく姿
家族で応援しながら楽しめました。
そして、何度も涙しました
Commented by macchi at 2017-01-31 23:34 x
たまやっこさん、
マダム、面白いですよね!
今月、ちょっと必要があって、映画を2、30本観たんですが、その中でもかなりのお気に入りとなりました。

ちなみに、一番面白かったのはマッドマックスの新作です!
メルギブソンじゃあないマックスなんて……ふふん、って見る前は侮ってたのに、かか感動した!!!!
……って、マダムの感動とは別種の感動ですが。
もし砂漠と世紀末ワールド好きだったら、是非。


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