【夏休みの自由工作】小学校で使う小物を自分で作る
2016年 08月 21日
「お母さん、体操着袋が破けたから直して!それとお道具袋も新クラブになったから新しく作ってよ。あと、給食袋も面白い形のヤツ作ってくれる? 絵、描くから」と娘に言われた。むむ、なんか面倒くさいリクエストの香り。
で、「ピノコも高学年になったんだから、もう自分で作ってみても良いのでは?たぶん面白いと思うよ」と提案すると、そっかーじゃあ夏休みの自由研究はそれにしようかなと言う。良いと思う!賛成!
そして数日後、「こういうのが作りたい、作り方教えて」と見せられた完成イメージ図が、めちゃくちゃユニークかつ面倒そうなデザインで笑った。初回からいきなり高望みなヤツだな。まあ、やりたければおいおい試すとしても、まずは基本の概念やミシンの使い方を覚えるために、ランチョンマットから作ってみてはどうか?と提案。
それで、毎日、時間があるときには私も付き合って、簡単なものから一つずつ作ってみることにした。
1. ランチョンマット(平面を作る)
こんなものを作りたいという実物大の図を描いて、その周りにぐるっと1.5cmくらいの縫い代をつけた型紙を作る。
まあランチョンマットの場合はただの長方形だから、実際には型紙は脳内イメージを持つだけにして、表布と裏布を重ねていきなりハサミで切っちゃってOK。表と裏の布は、柄や色の違うものを選ぶとリバーシブルみたいで良いかも。
二枚の布がずれないように慎重に切ること!丁寧な良い子なら、待ち針で二枚の布を固定してから切れば、失敗なく綺麗にできると思う。
ピノコには「えー面倒くさい!待ち針って絶対?」と問われて、「自信があるなら好きにすれば良し」とか答えたら、案の定、多少いびつな形になってしまい、ミシンがけのときにツケが回ってきた。まあこれも経験。
それでできた長方形の2枚の布に、名前を刺繍したり、ワッペンを貼ったりして飾り付けする。
二枚縫い合わせてしまってからだと、刺繍の裏糸が反対側に出ちゃうからね。刺繍は縫い合わせる前にやらないといけない。
周囲1-2cmは、縫い代に使われることをよく考えること。
刺繍や飾り付けは、思っているより少し中央寄りにつけることになる。
飾り付けが終わったら、二枚の布を中表にして三片を「コ」の字にダーっとミシンで縫って裏返せば、綺麗なランチョンマットがほぼ完成。
最後の一辺を袋の中に縫い代を織り込むようにしてアイロンがけして、縁から7,8mmくらいのところを表からステッチをかけるようにミシンがけすれば、出来上がり。
完成したランチョンマット。
背後には、何か難しそうなイメージ図も……。本当にそんなの作れるのか?作ったとして、立体にした際、思ったように使えるものになるのか?
それはこれから分かってくるはず。
以上、だいたい何を作るにしても基本は同じだと思う。
- (1)イメージ図を描いて
- (2)裁縫用の実物大型紙にして、
- (3)縫い目を綺麗に隠すような構造を考えて縫う
- (4)その際、どのステップでも、常に3Dのイメージを持ちながら作業すること。
三次元世界の中で何かを設計する時にはいつも感じることだけど、どんな薄い布にも厚みはあるし、どんな細い線にも太さはあるし、完成品では隠れて見えない縫い代は絶対必要だし。現実では、いつでも、そういう細かいゴチャゴチャを計算に入れないと上手くいかない。この世ってそうなんだなって、裁縫や工作すると実感できるよね。
2. 体操着袋(平らな巾着袋を作る)
次は、体操着袋が欲しいというので、さっきのランチョンマットと同じような手順で、平らな巾着袋を作ってみる。
入れたいものがちゃんと入るよう、布の上に体操着を置き、実際に袋状にして包んでみて、必要な布のサイズを割り出す。体操着にも厚みがあるから、布の上に置いてぐるりを切るだけじゃ、パッツンパッツンの袋になっちゃうからね。
気をつける点は、さっきのランチョンマットと違って、袋になった内側も見えてしまうということ。
だから、切った布の縁がボサボサして糸くずを出してこないように工夫しないといけない。
布をボサボサさせない方法は、2種類ある。
「布の縁が表に出てこないような構造を考える」か、「ギザギザミシンで端の始末をしてしまう」かだ。
後者の方が頭を使わなくて小学生でも失敗がないので(←失礼な物言い)、とりあえず今回は、布地の縁には全てギザギザミシンをかけてしまおう。
そして、ランチョンマットと同じことに気をつけながら、名前の刺繍や飾り付けをする。
ずっと愛着持って使えるように、飾りは色々と自分でアイデアを練ろう。
ピノコが思いついた、アイロンで貼れるフェルトを使うっていうアイデア、とっても良いと思う!
布の準備ができたら、いよいよ袋状に縫う。
袋は丈夫さが命なので、よく引っ張られると思われる箇所は、返し縫いなどして、強度を上げることを心がけると良いよ、と娘に言ったら、親の仇のように返し縫いミシンをしている。あ、必要なとこだけ、一往復やれば十分かも……。
(1)まず、ランチョンマットと同じく、布を中表に合わせて3辺を縫う。
袋状になったら裏返してみて、これから自分がどんなモノを作りたいのか、そのためにはどこをどんな風に縫えば良いのかを、じっくり考えてみること。
(2)図のオレンジの囲みの部分は、ちょっと難しいところ。
どうやって縫ったら思った通りの形になると思う?よく考えて、縫い方の構想を固めたら、縫ってみよう。
思いつかなかったら、または自信がなかったら、または慎重派のキッズは、先達の知恵を借りるのもありだと思う。裁縫の本や、インターネットの動画を参考にしてみよう。
(3)紐を通す部分を縫ったら、完成!
紐を通す時には、ヘアピンを紐の先っちょにつけてガイドにすると楽ちん。
出来上がったら、入れようと思ってたものを実際に入れてみよう。サイズと形は、思ってた通りにできたかな?
3. お道具袋(マチのある立体的なポーチを作る)
次は、カメラの形のボックス型のポーチが作りたいと、デザイン画を見せられた。おお、だんだんと難しくなってきたね。それではまず、型紙を作ってみよう。
方眼紙の上に、入れたいものを実際に置いてみて、必要な面積と高さを割り出す。
そしたら、そのサイズを基に、方眼紙の上に直方体を展開してみる。展開図の書き方は、たぶん、小学校の算数でもう習ったよね。
展開図ができたら、最初に描いたデザイン画を見てカメラの柄も書き込んでみること。
図面が完成したら、切り取って、完成模型を作ってみる。
思った通りの形になってるか?ちゃんと中身は入りそうか?
そしたらいよいよ、紙ではなくて布を切るか……と思うだろうけど、ちょっと待った!
このまま展開図と同じ布を切っちゃうと、全部で何辺を縫わなくちゃいけないか、数えてみて欲しい。全部の辺をいちいち縫うのは、大変じゃないか?面倒くさいよね?
そこで、お母さんの裁縫豆知識をちょっと聞いてくれ(たいして知らないけど)。
前に作った平面の体操着袋と同じような平らな袋を作って、その角に「三角マチ」という縫い方を施すと、いきなり立体的な袋になるんだよね。焼き芋買った時にもらう茶色の紙袋と同じ構造だって言えば、分かるかな?
つまり、上の図で言えば、点線の部分で開いた面積の二枚の布を切って、平らな袋を作れば良い訳。
ということは、今つくった展開図を利用して、どういう型紙をつくれば良いか、分かるかな?
分かったら、表布と裏布を重ねて、いよいよ布を切ってみよう!
正解です!
展開図で欠けている部分も紙を貼って埋めて、ただの一枚の長方形にすれば良いのでした。さらに、縫い代としてぐるりに1cm足すことも忘れないでね。
今度は待ち針でちゃんと止めてるから、重ねた布もずれてない!経験から学んだね、賢い!
そして、これまで作ったものと同様、布を中表に重ねて袋状に縫ったら、袋の角を開いて、三角マチを縫ってみよう。
三角マチで注意すべき点は、三角形の底辺(縫う部分)が、最初に欲しかった高さと同じ長さになるような三角にすること!
これで袋部分は完成です。
次は、型紙に描いたイメージ画をその通り切り取って、カメラデザインの蓋を作ろう。
フェルトで作ったカメラのレンズに刺繍をしたら、蓋に縫い合わせる。
そして蓋を本体に縫い付ける時には、肩ひものフックを引っ掛けるループも二カ所にとめておく。
この辺りはちょっと複雑な構造だから、手縫いでゆっくりやってみよう。
案の定というかなんというか、何度か失敗しては、ほどいて縫い直したりする。
蓋を縫い付ける時に、あらかじめリボンのループを本体と蓋の間に挟んでおかなくちゃいけないとか、マチを生かすためには袋の口にプリーツを入れないとガバガバしちゃうとか、試行錯誤してみないとわかんないよね。
あとは、綺麗な直方体感を維持するために、展開図どおりに切った薄いプラ版を、袋の底にしいておこうか。
最後に、蓋をとめるマジックテープをくっつけて、完成!!
サイズもピッタリ、とっても良くできました。頑張ったことをここに褒め称え、お母さんからは、使ってないバッグの肩ひもを進呈します。
4. 給食袋(とんでもなく自由なデザインで作ってみる)
ここまで色々作ってみて、だいたい、人類にとって袋とはどういうものかということ(?)が分かって来たことと思う。
それでは再度問う。
最初の案の、特殊なデザインの袋を作ろうとまだ思うかい?ちゃんと使えるものになると思うかい?毎日使って不便じゃないかい?と聞いたら、「うん!作る!」と言う……。
そうか。そしたらちょっとデザイン変えて、刺繍や飾りで表現するっていうのもアリだと思うよ、と提案したら、メチャクチャ嫌そうに「えー、ヤダつまんない」と言われた。
そうか。まあ、やってみないと結果は分からないよね。失礼した。ガールズビーアンビシャス。
お母さんも楽しみにしてるよ。夏休みも、そろそろ終わりが見えてきた。頑張れ!
(現在、鋭意製作中)→完成した!
小さい時、リクエストされた通りのものを私が作ると、 喜んでニコニコしていたチビを思い出す。それがいつの間にか、ぜんぶ自分で作れるほど大きくなったかと思うと、ちょっとしみじみ。楽チンになったなあ。
子どものタイプにもよると思うが、最初から本の通りにやって本と同じ完成品ができるよりも、最初のデザインは自分でやって、それが現実化する方が、「頭の中のイメージが実現した!ものを作った!」って感じはするのかなーとか思った。なので、素敵なデザインが色々載ってる本より、基本のやり方が図解でわかり易い本などが一冊ある方が良いかもしれない。
子供が大きくなるのは早いですねえ。
でも気づけば今年度ももう半分過ぎちゃってるのも早いし、自分が年取るのも早いし、全然今日の家事が片付かないで日付が変わっちゃったのも早いし、早いことばっかりです……。
特に趣味に没頭してると、時間たつの早いですね。
大型水槽って、どのくらいなんでしょう?何用なのかな?私も、水量たっぷりの大型ビオトープとか憧れてるんですよねえ。
いつかリタイヤしたら、夫の裏山にでも本格的な池を作って、うちの亀を伸び伸び泳がせたりしたいなーと思いつつ、リタイヤだけはなかなかスピーディーに近づく気配がない!
Mさん>
お知らせいただいた件、ま、大丈夫かな?と思ってました。ありがとう!
はは。ドット絵とクロスステッチ!似てる〜