ヨコヅナサシガメ(横綱刺亀)の集団越冬
2016年 05月 05日
友達やらその知り合いやらと、山菜採りハイキングに行って来た。
目的地に着くなり、みんなが「うわー変な虫がいっぱいいる!」と騒いでる。
ナニ?変な虫ですと!?いきなり胸ときめく朝。今日は良い日になりそうだ。
で、見せてもらったら、桜の大木のウロに、サシガメらしき虫がウジャウジャしていた。おおー、壮観!全身が真っ赤な様子は、庭でも見たことがあるアカシマサシガメにちょっと似てるんだけど、大きさが倍近くあってやたらデカイし、白黒ストライプの縁が盛り上がっていてアカシマサシガメとは形が違って、うーん、見たことがないサシガメだな……。
とりあえず皆には、これはサシガメの仲間だと思う、触ると刺されて痛いから要注意だよと話したら、めでたく虫博士の称号をいただいた。知らない人たちにもそう呼ばれて、うへー、ちょっと恥ずかしいかも。
そして件のサシガメは、帰宅してから調べたら、ヨコヅナサシガメだった。
Wikipedeaによれば、『ヨコヅナサシガメは日本に生息するサシガメの仲間では最も大型の種類で、不用意に触れると刺されることがあり、刺されると激痛を伴うので注意が必要』とのこと。うん、これは知ってる情報だ……。
そして、『体の黒色部は羽化直後の外骨格が硬化する前の段階では鮮やかな赤色をしている』とも書かれてあった。へえ、これは知らない情報だ……それであんなに真っ赤だったのか。てっきり、赤い種なのかと思ってしまったよ。
ヨコヅナサシガメは、数十から数百匹の幼虫が樹洞などに集まって集団越冬し、翌年の春に羽化して成虫となるらしい。
なるほど。
そう知ってから思い返すと、昼間に見たウロの中には幼虫もいたし、脱皮殻がいっぱいあって、そこから出てきたばかりの赤い成虫たちもいっぱいいた。黒化した成虫もいたようだけど、暗い穴の中では赤に比べて目立たないから見逃したんだろうな。あと、おそらく黒化が終わった者はウロから出て行って活動したりもするのだろうから、そんなに数がいなかったのかもしれない。
集団越冬したと思われる幼虫たち。
まだ腹部の縁がそんなに盛り上がっておらず、庭でもたまに見かけるシマサシガメっぽい姿をしている。
幼虫から成虫へと脱皮した時のものらしき脱皮殻。
穴の壁面いっぱいにびっしりと並んでた。
脱皮直後の成虫。ものすごい鮮やかな赤色だ。
幼虫と違って、腹部の縁が盛り上がっている。
そんなこんなで誰もサシガメに刺されもせずに(?)無事にハイキングに出てからは、草原で活動するヨコヅナサシガメを何匹も見た。
ぱっと見は白黒モノクロームの姿だが、体の裏側を見ると、赤い色も残ってる。
可動部分の柔らかいところが赤いって感じかな?
私は虫を知るのが大好きなんですが、虫自体がそんなに得意かというと、そうでもないのです……。観察しながらも、結構しょっちゅうゾワゾワしてますよ。
末っ子と夫は虫に触るのが平気なので、私は彼らの背後に引っ込んで、よく「さあ行け!あの珍しい虫を見せてくれ!図鑑によれば、毒がないのは保証する!」とか号令をかけたりしてます。まつかさ病、戦慄しますね。わかります。やっぱりそれも、観察はしちゃいますけど。
そして、「○○富士」「富士見○○」はよくある地名ですが、「富士山」とまで名乗ってしまう所はそうそうないですよね。一瞬、あれ、こんなとこまで富士山の一部なの?さすが富士山、と錯誤してしまう気持ち、地理音痴としては共感できるかも。