2015年 03月 16日
挿し木の誘惑(『自己流園芸ベランダ派』)
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末っ子が生花教室から持ち帰った花の名前を聞いたら、ガマズミだという。

ガマズミって、山に生えてるアレか!?
夏には白い花を咲かせ、秋には赤い実をつけるというアレか!?
その果実はなかなかの美味で果実酒にもなるという、アレか!?

で、末っ子から一本、一番エネルギーが充実した感じの枝をもらって庭に挿木をした。

ふふ。今年の秋の楽しみが一つできた。どうか根付きますよう、ナムナム。
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実は末っ子の花材から挿木するのは、これが初めてではない。
……というより、これはと思う花材は、たいてい挿木を試していると言っても過言ではない。

庭に来た小学生が嬉しそうに「あーネコヤナギだー」と言ってるそれ、それも生えてるんじゃなくて挿木してるだけなんだよね。やはり末っ子が花材として持ち帰ったものを、捨てるのが勿体なくて地面に挿してしまったのであった。
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でも我ながらおかしいと思うのは、数年前にもネコヤナギを挿木して、そして巨大化させてしまって、手に負えなくなって抜いたという経験もあるのだった……。なのにまた、このまま捨てるのは忍びないと言って挿木してしまう。このガーデナーの心性や如何に。

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そんなことを思っていたら、同じ症状を呈している人をみつけた。

『自己流園芸ベランダ派』 (いとうせいこう)

ベランダ園芸に勤しむ人間を「ベランダー」と呼び、その植えては枯らす不毛でありながら豊かな園芸生活の日々を綴った一冊。

その中で、著者が花束によく入っている「細くて緑色の茎がクネクネしてるだけのやつ」(←トクサか富貴竹のことか?)が挿木で根付き易いという事実に気づいた時の喜びについて書かれた一節を発見した。そうか……ケチな根性から挿木をしていたのか、私も。
もらった花束から鉢を作ろうとするケチな根性は、全ベランダー共通のものだろう。わらしべ長者的というか、無から有を生みたがるというか、カスピ海ヨーグルトの生産にも似たお得な感じが我々を刺激する。

正直なところ、同著者の園芸エッセイとしては、前に出版された『ボタニカル・ライフ』の方が、構成がちゃんと考えられているというか、いちいちオチも用意されていて読んでて面白い。『自己流園芸ベランダ派』は、ただもうそのまま、"オレの園芸覚書"くらいの内容で、よく言えば自然、悪く言えば漫然とした印象だった。ただ、同じようないい加減な園芸仲間だと、そういうのあるある、的な面白さはそこここにある。

私が、そうそう、そうなんだよなあ!と思った一節は下記。草木に対して、だんだん「こうすれば良いかも」ってな勘は磨かれてる気はするんだけど、それが本当かどうかは、実際のところ、分からないんだよな。
……(略)……
にもかかわらず、エンジェルズ・トランペットは咲いた。咲いたどころの話ではなく、むしろ花期が長くなった。

簡単にするとこうなる。
(1)剪定したら咲いた。
(2)剪定せずに咲いた。
さて、以上二つの事実から俺はどんな解答を導けばいいのだろうか。

……(略)……
また「基本的に剪定は欠かせないが、剪定せずとも咲く場合がある」という人もいるだろうし、「剪定はいらない。だが、剪定しても咲く」という人があるかもしれない。もう何が何だかわからない意見だが、実は園芸書がそんな感じだ。
植物というものは機械と違って、”こうすれば絶対にああなる”とは決まっていない。

……(略)……
だが、我々ベランダーはなるべくその事実を認めずにいたがる。自分の知識と判断と労働とで花を咲かせたと思いたいからだ。
エンジェルズ・トランペットが咲いた要因を、俺は結局は知り得ない。

ちなみに、この本を読んだ後、娘の花材の中にトクサを発見して、つい挿木してしまった。
特別に好きでもないし、庭に欲しい草木でもないんだけど。
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by macchi73 | 2015-03-16 00:45 | 面白かった本など | Comments(5)
Commented by satoru at 2015-03-16 21:50 x
ボタニカルライフ、私も読みました○NHKで、「植物男子ベランダー」ってドラマ化されてたので。でも、とりあえず挿し木してみるとか、種を植えてみるっていう方が、真のガーデナーの姿の様な気がします。私も去年拾ってきたドングリを3個植えましたが、はたして芽が出ることやら…。そして、芽が出たとしても、狭いベランダで管理が出来ることやら…どんどん鉢も増えて、断捨離を心がけてるのに、園芸に関しては逆を行ってる今日この頃です(笑)
Commented by school-t3 at 2015-03-17 10:31
こんにちは(*^ー^)ノ♪
ははははは・・・^^
思わずひとこと失礼します。
心にぐさり!
同じような人がいるんですね~
私もお花をいただくと飾るより前に、
挿してつくものがあるかどうかチェックします。
そうやって増やしたものの数々。
我が子のようで可愛いです。
白状するとケチなんです。
Commented by 亀七 at 2015-03-17 18:13 x
それはトキワガマズミとも呼ばれる地中海地方原産の常緑樹の仲間、おそらくビバーナム・ティヌスかな?
日本のガマズミは丸っこいザラザラの葉っぱで今頃芽吹く落葉樹。 私の見たのは濃い真っ赤に紅葉して美しかった。
カ~リンカ、カリンカ、カリンカマヤ、というロシアの歌、カリンカはガマズミだって。
Commented by macchi73 at 2015-03-21 08:22
satoruさん>
あっ、田口トモロヲのベランダー、BSだから見られなかったんだー(と、なんとなく押韻)。
おもしろそうでしたね。

断捨離してもしても、植物は生き物だから、自ら増殖しようとしますしねえ。
子供達が拾ってきて庭に放置していたドングリが、ごっそり芽吹いていた時には、ちょっと震えました。

school-t3さん>
そうそう、増やしたものって可愛いですよね。
普通に苗を買ってきて植えたものより、一つエピソードが多いですし。
私も庭を巡回して、あー母の日プレゼントでもらったチビ苗がこんなに大きくなったなあとか、これは花束もらったんだよなーとか、たまに思い出して眺めちゃいますもん。

亀七さん>
本当だ!トキワガマズミですね。
山で見る葉っぱと違うなー、あとで調べようとか思ってたんですが。

そこで気になるのは、赤いガマズミ同様、青いガマズミも食べられるのかってところですね。
今、ウェブで調べてみたけど、可食という記事が見つけられず、ちょこっとガッカリしてます……。

カリンカの歌、知りませんでしたが、歌詞みて笑いました。
ロシアの民謡って「日曜日に市場に出かけ〜」とか、なんかざっくりとしてて面白いのが多い気がしますね。
Commented by pammichi at 2015-04-22 18:36
私も以前、macchiさんのブログで拝見してベランダー読みました。植物育てる人って、みんな同じような事してるんだなぁって笑いました。
果物の種、アボガドの種、道端の草…色んなものをプランターに突っ込んでいますが、とうとう今年はベランダでリンゴを食べた鳥のウン○を蒔いてみました(笑)病気です…


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