2014年 09月 12日
誕生日の子どもたち
e0134713_2245567.jpg

夏も終わって、なんだか少し寂しい。

夏の終わりの常で、庭が薮だ。
というか、この状態が毎年恒例であることを思えば、うちに関しては、寧ろもう「薮が庭だ」と言う方が正しいのかもしれない。

薮には当然、獣が住んでいる。こんにちは。

e0134713_2245741.jpg

そして私の子供たちはみんな一つずつ年をとる。おめでとう。

e0134713_225154.jpg

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

誕生日つながりで。
バディという少年が主人公の短編群は、『草の竪琴』の原型といった感じで、懐かしさと喪失感にむせる思い。

『誕生日の子どもたち』(カポーティ)

いつもは好きじゃない村上春樹の翻訳を、初めて良いかもと思った。
今まで読んだカポーティの中で一番良かった。
この翻訳の中では、誰も「好むと好まざるとに関わらず」とか、あんまり言わない(ちょっとは言ってた)。スッキリ読めた。

六つの短編全てに漂う強い郷愁は、過去に引きずられるカポーティの属性なんだなーって思った。

郷愁って何かと言えば、無くなっていくことを惜しむことかと思う。
無くなるっていうのが何かと言えば、誰も知らなくなることかと思う。
おばあさんが死んで、おじいさんが死んで、おとうさんもおかあさんも死んで、友達も自分もいつかは死んで、この世には、もう誰も知らなくなった、でも確かにあった出来事や場所ってのが、綿々と存在しては消えて行く。この世には、その人しか知らなくて、その人と一緒に消えて行く秘密がいっぱいだと思う。

誕生日のキャンドルに照らされた子どもたちの産毛の光る丸いほっぺとか、私にとってはとても強烈で、多分ずっと忘れないだろうと思うけど(上の子たちの小さい時もたまに鮮やかに思い出す)、それもいつかは誰も知らなくなるんだなあ。ピノコお婆さんの子供時代とか想像できないよーとか、私の知らない未来の若者に言われたりもするんだなあ。

そういう世界の有り様を思った時、肯定して笑える人と、胸痛む人とがいると思う。カポーティは後者。私もなんだかちょい、後者っぽい。


[PR]

by macchi73 | 2014-09-12 23:55 | 面白かった本など | Comments(7)
Commented by lehuahoney at 2014-09-13 04:39
こんにちは。

>誕生日のキャンドルに照らされた子どもたちの産毛の光る丸いほっぺとか

こういう表現がするりと出てくるmacchiさんの感性が凄く素敵だと思うし、私は大好きです。
いつもブログを読んだ後に、本当にあったかい気持ちになれます。
今日は何だか一段と、読ませて頂いてありがとうございます♡の気持ちです。
Commented by kokemomoh at 2014-09-13 11:41
お誕生日おめでとう^^
もしかして、お子さんたちはみんな同じ日に産まれたのかな。
大人になると産毛ってムダ毛扱いされちゃうけど、
若い時のたっぷりの産毛の美しいことといったら。
アバウトのところの末っ子ちゃん(?)の頬っぺや腕のぷくぷく感が愛らしくてたまりません。
「ああ、あの感触が懐かしいな~」なんて思いながらいつもみています。
過ぎてみれば幼い頃ってホント短いなぁと思います...。
Commented by macchi at 2014-09-16 20:56 x
きょふさん、こけももさん>
同じ日じゃないんですけど、うちは9月生まれが多くて、今月は誕生日ラッシュです……。
誕生日はバラケてる方が、飛行機や映画チケットの誕生日割引が年中使えていいのになあ!

過ぎてみれば、時間って本当に短いですね。
でも、強烈に思い出される質感とかも、あまり意図的にアクセスするとすり切れるのが早そうなので、普段はなるべく色々と振り返らずに、 プラグマチックに育てようと(?)思ってます。
誕生日でフィーバーする子たちにも、「浮かれるな!誕生日はプレゼント要求日ではないぞ!」と、あえて厳しく接したり(そんなことする意味はあるのか?)。

年取ったらゆっくり思い出そう……。
Commented by 亀七 at 2014-09-16 21:12 x
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。 世の中にある人と栖(すみか)と、またかくのごとし。
・・・・・ 朝(あした)に死に、夕(ゆうべ)に生まるゝならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。 不知(しらず)、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりていづかたへか去る。 又不知、仮の宿り、誰が為にか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。 ・・・・
Commented by amelia42 at 2014-09-17 08:48
ああ 読んでないけど、ワタシも後者っぽい・・・かも。
彼の作品って、比喩がすっと入ってこない場面が多いの。
感情移入しにくいというか。(ワタシはね)だから、周りの人が言うほど読んでないんですよ。
でもこれは面白そう。今、手元の本が6冊。少し片付いたら読んでみますね。

みんな誕生日なんだー。夏生まれかぁ なんだかmacchi家らしいかも。笑 イメージね。あくまで。

うちも手をつけられないくらいの草だらけの場所あるよ~
しかもしっかり薔薇庭の中にね。でもうちには獣はいないみたい。
そうそう!! 昨日ね、きのこ発見したの。(わかりづらいね)
タマゴダケ?でしたっけ?あれは黄色だけど、白の毒のやつ。へへっ!
それとね、初めて見たムラサキなんだっけ?ダケ。とこれまた、見たことないやつ。
明日明後日あたりにアップするから見てみて~~。
いや~裏山にも毒キノコがあったわー 何だかちょっと嬉しい!?
Commented by macchi at 2014-09-20 19:31 x
亀七さん>
たぶん、そういう何でも移り変わるし消えるよそういうもんだよ、オーライオーライって、東洋的なんですかね。自然と一体感を持ってると、なんかそういう方向の感覚になりそうな気がします。

それが西洋のグレートギャツビーだと、その絶えず流れる郷愁の流れに逆らって進もうとするのが人間だってな感じで結ばれますよねーーこうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆくーーとか。ちょっとガッツあるなーファイターだなーって感じます。

東洋の薬師丸ひろ子なんかは、「時の河を渡る船にオールは無い」って歌ってますけどねえ……。
Commented by macchi at 2014-09-20 19:46 x
Ameliaさん>
Amelia家の庭は、獣はいたんですよね。
私はよく思うんですが、ある時点で何か存在してたっていうのと、ここはそれが存在する世界だっていうのと、イコールだよなーとか思います。一度あったっていうこと自体は消えないっていうか……質量保存、エネルギー保存の法則っていうか……形はどんどん変わるけど。

キノコ見ましたよ〜。不気味っていうか綺麗。
でも、食べるのは……勇気いりますね。いや、食べなくて良いと思う!
末っ子の口癖は、「フグは食いたし命は惜しい!」です(←ことわざ辞典で覚えた)。

でもキノコって、面白い形や色のものも多くて、食べなくても見るだけで楽しいですよね。


<< オニグルミ(鬼胡桃)のフロラン...      南瓜名月 >>