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2014年 08月 20日
【夏休みの自由研究】草木染め(いろいろな植物と、媒染方法)
【夏休みの自由研究】草木染め(いろいろな植物と、媒染方法)_e0134713_19112582.jpg

このところ、「自由研究」「草木染め」という検索キーワードでこのブログに来る人が多いみたい。
なんでだろう、草木染めが流行ってんのかな?なんて思っていたところに、末っ子が「夏休みがもうちょっとしかないよー。自由研究、何しようかなあ」とか暢気なことを言ってるのが聞こえた。

分かった、それだ!

きっと夏休みも終わりが見えてきて、慌てて自由研究のテーマ探しをしているキッズが多いのではないか?

ということで、娘にも「自由研究、草木染めはどうよ?どっかで流行ってるっぽいよ」とか言ってみる。
マイブログ検索キーワードの真似。自己模倣。

でも、前にもやった事を自由研究としてまたやるのも退屈なので、娘と一緒に草木染めに関する資料を読み、いろいろな媒染方法というものを試してみることにした。

Step1. 媒染液作り

草木染めとは、植物の汁で布地を染めること。
ただし、植物の汁だけでは、洗ったり日光に当たったりするだけで、すぐに色落ちしてしまう。
なので、布地に色素をしっかり定着させるための薬を使う。その薬を媒染剤という。

媒染剤にも色々な種類があるようだが、家庭で簡単に作れるのは「ミョウバン液」「銅媒染液」「鉄媒染液」の3つ。色々作って発色の違いを実験しても良いし、どれか一つだけを使うなら、簡単でキレイに発色しやすい「ミョウバン液」がオススメ。

【媒染液の作り方】
●ミョウバン液:スーパーで100円くらいで売っている焼きミョウバンを水に溶かすだけ。
●銅媒染液:お酢に銅をつけて数日置いておくとできる。漬けておくのは 10円玉でも良い。
●鉄媒染液:お酢に錆びた鉄をつけて数日置いておくとできる。錆びた釘やクズ鉄などを使うのが良いが、無ければ釘を塩水につけて錆びさせてから使うのでもOK。

また、色素を定着させるための媒染液とは違うが、植物を煮る時に加えて発色を変えるためのPH調整剤としては、灰汁やお酢が使える。一般的に、赤みを出したいならお酢を、青みを出したいなら灰汁を使うと良いのではないかと思う(この辺は、本当にそうかは実験してみないと分からないけど……)。

【PH調整液の作り方】
●灰汁:水に灰を混ぜて数日置いておき、上澄みを使う。染汁をアルカリ性にする。
●お酢:台所にある酢ならなんでもOK。染汁を酸性にする。

色々な媒染液やPH調整液を使うことで、同じ植物の汁でも、染まる色を変えることができるらしい。
面白そうなので試してみよう!

【夏休みの自由研究】草木染め(いろいろな植物と、媒染方法)_e0134713_19112171.jpg●「錆びた鉄は無いかな〜」と言ったら、末っ子が宝物箱からゴソゴソと五寸釘などを出してきたので(拾い集めていたらしい)、鉄鍋に酢と一緒に漬けておき、鉄媒染液を作った。

●園芸店で売っている草木灰をバケツに入れて灰汁を作った。

●十円玉をお酢につけて銅媒染液を作った。

●ミョウバンは台所にあった漬物用のものを使う。



Step2. 布地の準備

草木染めでは、動物性の布(絹、毛)は染まりやすいけど、植物性の布(綿、麻)は染まりにくい。
もし綿などを染める場合は、無調整豆乳に布地をよく浸してから、よく絞って、カラカラになるまで干しておくと染まりやすくなる。

豆乳をつけたまま干したら布が臭くなっちゃうのでは?という心配はご無用。
試してみたら、枝豆の香りが微かにする布になった。

【夏休みの自由研究】草木染め(いろいろな植物と、媒染方法)_e0134713_21552980.jpg

Step3. 草木染め(色んな植物で染めてみよう)

草木染めは、どんな植物でも試すことができる。
でも、まずは台所にあるモノで試すのが楽チンかもしれない。

台所に常備されていそうな野菜でオススメなのは「ナス」と「玉ねぎ」。
どちらもハッキリした色が出るので、染めて楽しいと思う。

ナスで染める場合は、皮だけを鍋で煮た汁に布地を漬ける。
あとの詳しい手順は、こちらの記事を参照のこと。
途中までは黒くてガッカリするような色だけど、ミョウバン液に漬けた瞬間に、パッ!!と色が変わるところが快感。
【夏休みの自由研究】草木染め(いろいろな植物と、媒染方法)_e0134713_19111994.jpg


Step4. 草木染め(色んな媒染液を試してみよう)

同じ植物の汁で染めても、媒染液を変えると出来上がりの色が違ってくるらしい。
玉ねぎ染めで実験したら、ミョウバン液ではオレンジ色・銅媒染では茶色・鉄媒染では焦茶色になった。

【夏休みの自由研究】草木染め(いろいろな植物と、媒染方法)_e0134713_2049438.jpg一番上から時計回りに、鉄媒染液、銅媒染液、ミョウバン液、タマネギで染めた布。

絞り染めの中心だけを鉄媒染液、銅媒染液につけてみたら、パッと濃い色に変わった。

その後、全体をミョウバン液に浸すと、絞り染めの外側は濃い黄色に発色した。


ちょっと失敗したなーと思ったのは、鉄媒染した部分を絞った手で布のほかの部分にも触ってしまい、所々黒っぽい染め上がりになってしまったところ。

媒染液が付いた手で染めた布を触ると、すぐに反応して発色してしまうので、同じ布を別の媒染液で染め分ける時は注意が必要だ。特に、鉄媒染はとっても濃い暗色に発色してしまうことが多いようなので、作業は慎重に。
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Step5. 作品作り

そんな感じで草木染めの基本を押さえたら、あとは研究として面白くまとめるだけだ。

原料の草と染め上がりの布を並べて色見本帳を作るのも面白そうだし、色素や媒染の仕組みについて本で調べて実験結果と比較したレポートにするのも良さそう。

娘に「どうする?」と聞いたら、野原の草で色んな色に染めた布をパッチワークみたいにして手提げバッグを作ろう!と言う。自由研究っていうか、単にバッグが欲しいだけか?

夏休み終わりまで、あと10日ほど。
どんなバッグが作れるかなー。楽しみだ。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

10日後。日々、その辺の草木を摘んでは染めを試して、バッグ完成!
バッグには、草木染めクイズの単語帳を作ってくっつけて、今年の自由研究とする。間に合ったー。
【夏休みの自由研究】草木染め(いろいろな植物と、媒染方法)_e0134713_2154063.jpg


by macchi73 | 2014-08-20 21:36 | 【こども】自然学習、自由研究 | Comments(8)
Commented by lehuahoney at 2014-08-21 01:20
こんにちは♪
ちょこっとご無沙汰しておりました。
きょふです。

遡って、沢山一気に読ませて頂きました!
楽しいひとときでした~(* ´艸`)

それにしても、素敵な自由研究!!
私なんて、覚えているものと言ったら、ジャムの空き瓶に砂を詰めて、そこらへんに歩いていた蟻を詰めて(種類もめちゃくちゃ)、巣を作らせておしまい!みたいな乱暴な物だった記憶が……(^_^;)
Commented by amelia42 at 2014-08-21 16:21
macchiさんの夏休みはもう終わったのかな?
自由研究はなかなか面白そうな題財を選びましたね。
macchiさんとぴのこちゃんにはぴったりな感じです。

草木染、ワタシ自身何年か前にやってみようと思ったことがあって、
今回改めて記事を拝見すると、近いうち(今じゃないってことで)にやってみよーという気持ちが沸々と。
真ん中のブルーの染物はナス? キレイな色だなー。
赤っぽくするには、赤パプリカでミョウバンの組み合わせかしら?
調べてみようっと。
まぁきっと、思うよりやってみるほうが簡単なのかも ですね。

にしても、macchiさんってほんと手順良く文章を纏め上げてあげるのって上手だなーって感じます。
Commented by macchi at 2014-08-21 22:50 x
きょふさん>
蟻の巣実験、いいじゃないですか!
やってはみたけど適当でさーっていう小学生らしい経験は、懐かしい話のタネにもなるし、とっても良いと思います!

それに、自分は昔から雑だったよなーとか、細部に走り過ぎてキャッチーじゃなくなるんだよなーとか、テーマ建てだけは結構上手いけど結論はグダつくんだよなとか、そういう、実際に自分でやってみたことだけを通して見えてくるものってありますし……。

うちも小学生の間は「思い付いたら実際に着手してみる」って癖だけつけばオーライかなーと思ってます。
そこさえ身につけば、きっと完成度とか構成なんてテクの部分は、そのうち学校とかで教えてくれますもんねー(←学校に丸投げ親)。
Commented by macchi at 2014-08-21 23:13 x
ameliaさん>
夏休み、終わってしまいましたよ……。
しかも今は私以外の家族は全員夏休みで未だ浮かれ中という、妬ましい時期です。がーん。

そう、真ん中のブルーが茄子です。
で、左の赤紫は飲み残しの古ーい赤ワインです。
実は最初、キッチンでの簡単な染物として、ワインやジュース、珈琲、お茶類を娘に提案したんですが、「そんなインスタントは嫌だ。自然なのがイイ」と、却下されてしまったのでした……。
ジュースもお茶も、元は自然だというのに。それならもっと簡単で、1日で終われるのに。

ということで、ワインの布は、娘のこだわりにより、使われないかもです。まあ、娘の宿題なんで娘に任せます……。

とか言って、今回の記事は、ほぼ娘と話したそのまんまを載せました。
見返してみると、けっこう、娘の宿題に出しゃばる親かもしれません。反省……。
Commented by もぎち at 2015-06-26 10:57 x
こんにちは!
草木染めについていろいろ調べていたらこちらにたどり着きました。

今度子供と一緒に草木染めをやってみたいと思っている主婦です。
我が家はキャンプによく行くので、キャンプ場に生えている草木を使って染めてみたいなぁと思うのですが、今まで染物の経験がありません。
綿のTシャツなどを染めたいのですが下処理で豆乳に漬けるのが必要とのこと。
事前に豆乳で下処理をしたものってどのくらい保管しておけるんですかね?
というのも、小さな子連れキャンプなので天候や子供の体調を見て直前にキャンプを決めることが多いので、あらかじめ下処理しておいて保管しておきたいのです。
完全に乾いてしまえば腐って布からいやな臭いがしてくることとかないんでしょうか。

もし知っていればご教授くださいm(_ _)m
Commented by macchi73 at 2015-07-02 19:35
もぎちさん>
コメント気づかず、遅い返答ですみません!
豆乳で処理した布は、カラカラに乾かしておけば、その後は腐ったり臭くなったりはしないと思います。ずっと豆乳に漬け込んでたり、天気が悪くて乾かすのに時間がかかったりすると、もしかしたらカビとかあるのかもしれませんが……。

うちで試した時も、豆乳処理してから実際に染物に使うまでは、かなり時間が経ってましたが大丈夫でした(10日以上)。冷蔵などもせず、そのまんま適当に畳んで部屋に積み上げておきましたが問題無しで、むしろ、乾いた豆乳は、牛乳とは違って植物性の良い匂いでしたよ。

あ、キャンプで草木染めをするときは、アクが強い植物がよく染まると思います。柔らかな草より強い草、草本より木質、っていう感じで。
意外と、その植物の色が濃いか薄いかは関係ないみたいでした。
楽しい草木染めキャンプになりますよう!ご参考まで。
Commented by オバちゃん at 2015-07-13 13:15 x
手芸大好きオバちゃんです。どうせなら布地から染めてみよう!と自己流で染めに初チャレンジ、ネットであれこれ調べていましたらこちらに辿り着きました。大変参考になりました!楽しく読ませて頂きました(^-^)それにしても素晴らしい自由研究ですこと。仕上がった手作りバックも素敵〜!
Commented by macchi73 at 2015-07-16 01:06
オバちゃんさん>
去年作った草木染めバッグですが、今も現役で、娘の習い事バッグとして活躍しています。
草木染めは色褪せするという認識でしたが、なんとなく薄くなった感はありつつも、意外とまだまだカラフルでいい感じですよ〜。
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