2014年 03月 01日
虚数の情緒
e0134713_0523760.jpg

いやあ、すごい雪だった……とか、時期を逸した記事をアップしてみる。

7,8年かけてジワジワと大木化してきた馴染みのローズマリーが、変テコな斜めの棒になってしまった。泣ける。
6年モノのフェイジョアも、寂しい幹が残るだけになってしまった。
金木犀は、2m以上の大枝がざっくり折れてしまい、大いに娘を落ち込ませていた。
金木犀が大好きで樹上に本棚や座り場所を作っていた娘は、棒で雪を叩き落としたりと健闘していたんだけど、こればっかりは自然のことなんで、仕方が無いね。

そんな無惨にも寂しくなった庭だけど、ここ数日の暖かさで、まだ残る雪の間から早くも春の球根たちの芽吹きが見え始めている。去年の秋には球根をやたら埋めたからなあ。
何が生えるか忘れちゃったけど、これからのお楽しみ。

何かが壊れて無くなって、何かが新しく出て来る。
いつもこれの繰り返し。
なんか自然っぽい。

e0134713_0523292.jpgまた最近、帰れてない。

ご家庭大丈夫ですか……と仕事関係の人にソッと言われ、大丈夫だと思いますと答えたら、でもお子さんたち絶対寂しいと思いますよ……家庭を犠牲にさせられてますよね……と何か凄い心配そうな顔で切々と語りかけられて、お尻がムズムズする。

そのウェットさに引き摺られ、ちょっと不安になって(嘘)家に電話したりする。

末っ子が出たので、お父さんに変わってくださいと行ったら、「ダメダメ!ダメダメ!いつ帰って来る?」と言う。
今日は遅いけど明日は早く帰ると言ったら「分かった。それならその事件引き受けましょう! ちょっと待ってください」と言う。
待っていたら、「今、別の刑事に変わります」との取り次ぎの後、やっと夫の声が聞けた。

どうやら留守にしている間に、我が家は警察になってしまったらしい。こんなことになるなんて、やっぱりあんまり留守にしてるとまずいかなあ。

たまにはちゃんと早く帰って、末っ子と鉄橋の上を散歩したりする。
みんながご飯食べ終わって寛いでるコタツに滑り込んで寝そべったりもする。
子ども達が代わる代わる隣に来て、白髪を抜いてくれた。平均一人3本か。以前はなかなか見つけられなかったのに、今では簡単に見つけられるようだ。年取ったよなあ。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

そんなある夜。友達が、数学嫌いのうちの子たちへと持って来てくれた本。
長男と長女が読んでいるのを見て、私も読み始めたら意外と面白い。夜にチマチマ読み進めつつ。

『虚数の情緒—中学生からの全方位独学法』(吉田 武)

数学の本ではあるが、「自分で考える」ということについて熱い本。
何となくお爺さん臭があるが、サブタイトル通り、真摯な向上心に満ちあふれる、ちょっと早熟な時期(ローティーンくらい?)に読むと一番良さそうかも。
教育の役割は, 人が初めてそれを知る時, 最大限の驚きが得られるように充分な配慮をする事であって, 自動車レースのピット作業の如く, 一刻を争って燃料補給をする事ではない, 好奇心に溢れた「百歳の少年」を生み出す事であって, 訳知り顔の「十歳の老人」を生み出す事ではない.

…(中略)…

赤子の様に驚く能力は, 自分自身で考える事, ひたすら考え続ける事, それのみに因って維持されるのである. 知識に溺れる者は, 考える事を放棄する者である. 人類が驚きを失った時, すべての精神活動が終わりを告げ, 珍種の動物として記録されるに留まる存在になるだろう.

…(中略)…

人の苦しみとは, 煎じ詰めれば, なんとかして「他人になろう」という所から生じるのであって, 「自分になろう」というのであれば, 楽しみこそあれ苦しい筈がない.

…(中略)…

即ち, 自分自身で考える事, 決して他人になりすまして考えない事, その精神の独自性こそが「個性」である.

なんというか、私も端からどう見えても、自分で大丈夫だという感触がある限りは、その感触頼りにやってみようと思う。良いお母さんの在り方が、一個だけってことも無いだろうし。良いお母さんじゃなければ、家庭が不幸って訳でもないだろうし。
[PR]

by macchi73 | 2014-03-01 01:51 | 書籍など | Comments(7)
Commented by lehuahoney at 2014-03-01 14:13
自宅が警察!(笑)
本当に楽しいご家族で、素敵ですね!

ご紹介の本、とても気になります。
私もチェックしてみようかな、と思いました(^^)
Commented by satoru at 2014-03-01 14:31 x
最近やっと暖かくなってきましたね。ベランダのスミレも咲き始めて、春を感じています…が、今頃になって、もしやボイセンベリーの剪定の仕方、間違ってたんじゃないかと、確定ではないものの、ショッキングな事態が発生してしまいました涙。これは天災じゃなくて、人災ですね。
Commented by もりくま at 2014-03-01 16:08 x
帰れないmacchiさんの健康を心配してほしいところ…w
この本、おもしろそうですね!私も読んでみようかな。
我が家の中2のムスコは、万年床の布団の下のフローリングがカビてるのを見て、「フローリングって、木でできてるって初めて知ったよ~」と言っておりました。そして、布団をちゃんと上げることが大事だと、気づきました。
いくつになっても!?と思えることがたくさんあると楽しい人生ですよね、きっと。
Commented by mi-ko at 2014-03-03 01:27 x
以前に、ヒメイワダレソウと芝生について質問した者です。
家に帰れてないとのこと…本当にお疲れさまでございます。
良さそうな本の紹介ありがとうございます。
情報にウトくなる育児真っ最中なので、本の紹介はとても嬉しいです。
私は主婦で、3歳と1歳の娘を育てていますが…
macchi73さん、お子様たちきっと大丈夫です。と、無責任なコメントですが、ブログを拝見している限りとても愛に溢れているお母さんだと思います。
出産後に愛読していた古い育児書には、「なんじはなんじの道をすすめ。人びとをしていうにまかせよ。(ダンテ)」の一文が書かれていました。母親に対してとても熱い内容の育児書なのです。
長くなりました…。どうかお身体にきをつけて。
追伸、我が家もやっと庭に芝を敷くことができそうです。
Commented by macchi73 at 2014-03-04 21:56
きょふさん>
こんばんは。『虚数の情緒』、結構濃い本です。
数学の話なんだけど書き手の考えに引っ張り回される感じは、むかし流行った『ゲーデル、エッシャー、バッハ』をちょっと思い出させる感じでした。って、箱のような厚さが似てるだけかな……。

satoruさん>
春っぽくなりましたね〜。今日は庭に福寿草が出て来てるのを見つけました。
ボイセンベリーの冬剪定は、古い枝を間引く感じじゃなかったですかね?
でも、ブラックベリー系は多少剪定を間違っても、気候が良くなると何やかや枝が伸びて来て、収穫はできる気が。
要は丈夫っていうか生命力が強いんですよね、意外と本通りにしなくてもOKだったと思います。
Commented by macchi73 at 2014-03-04 21:58
もりくまさん>
そうそう、自分で気づく醍醐味ってありますよね。
何かで読んだりして知ってても、体験して初めてホントに分かることって多い……。
園芸でもそうですよね。自分で実際に育てたことがある植物が増えるに従い、他の植物でも「アレの仲間だからこうすりゃ良いだろうな」とか「こうやったらああなるな」とか、感触がつかめて来た気がします。

mi-koさん>
芝、おめでとうございます! 3歳と1歳だったら、庭を転げ回って遊ぶんでしょうね〜。
うちは今は上の子たちが高校生なんですが、小学生までがやっぱり庭で転げ回って遊んでて、見てるのが楽しかったです。
なんじはなんじの道を進め……その古い育児書、面白そうですね。昭和の本かな?
ちょい古い本って、熱かったり文学的だったり妙に格調があって面白い気がします。多分、作者が真剣なんですよね。
私はタイムライフブックスの『世界の料理』っていうレシピ本を愛読してんですが、それも無駄にテイストが濃くて面白いです。お勧めです。
Commented by mi-ko at 2014-03-06 11:17 x
30年以上前に流行った「育児の百科」松田道雄 著 という本です。育児書はもう見ることはないかもしれませんが、機会があれば是非!
「世界の料理」、料理は私も好きなのでAmazonでポチっと探してみたいとおもいます!


<< バレリーナ殺し      大雪日記 >>