2013年 04月 06日
ルビー蝋虫、『ママは決心したよ!』
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夫と庭でぶらぶらしていたら、あらあ!久しぶり!と声をあげる人あり。我が園芸仲間のご近所さんだ。
早速パワフルに門を開けてやって来て、なになに、何か植えてるの?この花綺麗じゃない!なんて、賑やかに庭の巡回が始まった。
そのうち、「あれえ!これは切らなきゃダメだよう!」と指された方向を見たら、庭の月桂樹の枝にカイガラムシが大発生していた。あらまあ。

脚立に上がってよく見ると、ルビーのような赤い蝋状物質に身を固めた、ルビーロウカイガラムシだ。
カイガラムシの駆除ってヘラなんかで一々こそげ取るしか無いんだけど、月桂樹は5mくらいもあるのでちょっと難しいかな……。

ご近所さんは、切っちゃいな!全部切っちゃいな!すぐに伸びるんだから!今大きいノコギリ持って来てあげるから!と強く推奨している。対する夫は、「いやあ、切るのはちょっと……」と弱々しい抵抗を試みているが、親世代には逆らえないタイプ。私はわざと少し離れた場所で庭仕事をしている。
結局最後は、ノコギリを手にしてすごく不本意そうに剪定を行うこととなった夫。うはは。

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この月桂樹は、小さな切株から伸びて来てここまで育ったもの。

実は私も前々から枝を間引いて小さくしようと主張していたんだけど、夫の強い反対で切らずにいたのだった。

夫は剪定という行為を何故かとても嫌っており、私が庭仕事してても「えー切るの?なんで?」と隣でイヤーな声を上げることが多い。どうも剪定は植物が可哀相という気持ちがあるらしい。


剪定後の庭はスッキリ明るく、風通しが良くなった感じ。
うちの庭の広さには、やっぱりこれくらいが丁度良いよ。月桂樹は伸びるの早いしね。もう一本、金木犀の大木もあるしね。

しかし無慈悲な(?)剪定という行為に我が手を染めてしまった夫は、見るからにどんよりとしている。目を伏せて、おばさんの顔を見ない。そうして、「そう暗くならないで元気出しな!木はすぐに伸びる!伸びなかったらウチの一本あげる!」と豪快に笑われて、「はあ…」と答える声がとてもか細い。

すごい笑った。声小さ過ぎ。弱り過ぎ。

* * * * * * * * * * * * * * * * *

おばさんはいつも気ままに豪快に歩き回っては公園やら色んな場所で土をいじり、色んな人に元気に声をかけている。

以下、我が道を行くご年配の婦人つながりで。
(ただし近所のおばさんは変人ではない。念のため)

『ママは決心したよ!』(ベイリー ホワイト)

変てこでマイペースな老ママと、主人公である次女と、それを取り巻く人々の物語。

どうしても現実だと、普通の枠をはみ出してしまう家族には複雑な感情を持ちがちだけど。こんな風に誰もが誰もをそのまま受け入れられたら、私の知らない優しい世界が開けるかもって思う。アメリカの家族ものって、なんかこういう雰囲気があることが多い。それぞれユニークで、笑えて、でも何故かちょっと切なくなる感じ。多分色んな人が混ざって暮らしてるから、変人や、分かり合えないってことに対してベテランなのかも。

すごく短いエピソード短編がいっぱい集まって一冊になってる形式なので、時間があるときにサッと読めて、何となく元気回復する。

「ガーデニング」というタイトルのエピソードも一遍、入っていた。庭にハマって行く経過が、共感できすぎて、笑った。私も同んなじ。


けれどロマンチックな人間につける薬はない。わたしは計画を立てた。半エーカーほどの地面を用意して、野生の花の種を何列もまこう。…(中略)…植えた草花が咲き広がって、やがて列のあいだの隙間も埋めてくれる。そうしたら、白いドレスを取り出して、のんびりと散歩を楽しめる。

…(中略)…

最初の年の夏、一年生の花が開いた。…(中略)…膝が痛んだけれど、地面の近くでは湿った土と踏みつけられたヨモギの香りが心地よかった。わたしもいつの間にか、ガーデニングをやる人や園芸家に特有の猫背とやぶにらみになっていた。

…(中略)…

五年目の夏、医者に行って膝を診てもらわなければならなくなった。「もう、しゃがむのはやめにしないと」と言われた。
「そうはいきません」と私は言った。「花畑の手入れがありますから」。先生はため息をつくと、伸縮自在のサポーターを一組くれた。

…(中略)…

三月になり、花畑へ出た。リナリアが真っ先に花をつけた。…(中略)…夏の盛りにはノラニンジンの花が咲く。その様子がはっきりと目に浮かぶ。どの花の名前も知っている。葉らしい葉をつける前から、何の花か見分けがつく。

…(中略)…

白いドレスは姉のルイーズにあげた。姉はときどきやってきて、わたしの花畑を散歩する。感心したり驚いたりして、しきりに声をあげる。

…(中略)…

花畑ではノラニンジンの金線細工のような花がサバチアの上で揺れ、ニワナズナは色鮮やかなデイジーの茂みのまわりにぴったり寄り添うようにして咲いている。けれど、ほとんどわたしの目には入らない。新しい花畑のことでもう頭がいっぱいなのだ。

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by macchi73 | 2013-04-06 23:29 | 書籍など | Comments(2)
Commented by いくこあら at 2013-04-08 12:45 x
ご主人には悲しい結果となってしまいましたが、剪定すれば、また新しい枝も出てきて元気いっぱいになりますよね!月桂樹ってすごく大きくなるんですね。あったら料理に使えるし便利だろうと思ってたんですけど、このサイズはちょっとうちでは無理かも(泣)
おばちゃんパワーに勝てる人は誰もいませんよね。元気だしてくださいご主人!!
Commented by macchi at 2013-04-08 20:47 x
いやいや〜、私の剪定にはキリッと反対する夫が、おばさんにはしおしおになってるのは面白かったです。ふふ。

月桂樹は伸びるのも早いし、毎年ひこばえがを沢山出して、株立ちになろうとするんですよね。
うちには裏庭にあと2本(しかも株立ち)の月桂樹があるので、もう料理には充分過ぎるって感じですが……。
でも、料理にもリースなんかにも良く使うし、あると便利な庭木だとは思いますよ。
強剪定しても弱らないし、多分、鉢植えとかで小さく育てることもできるんじゃないかなと。


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